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右脳と左脳

一原さんの版画には、登山と俳句が強く影響しているらしい、ということを昨日紹介した。

登山で体験したことを版画で表現するというのはわかるが、「俳句と版画の関係」はいったいどうなっているのだろうか?

そのこたえは「空間性」にある。

俳句も抽象的な言葉で表現される空間的表現であることから、俳句と版画が結びつくというのだ。ただし、空間性という共通項はあるものの、俳句と版画では使う脳がが違うと一原さんは考えている。

「一原の言い方に従えば、知覚をつかさどる左脳を使っての創作活動である俳句に煩わしさ感じ、感覚をつかさどる右脳を使って製作する版画に心を寄せていったという。一原は思考することの苦悩からの解放感を感じていたのであろう」(p.102)

右脳と左脳の両方を使うときに、何か新しいものが生まれるのかもしれない。

出所:光岡幸治『一原有徳:版の冒険』北海道新聞社

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