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『荀子』(読書メモ)

湯浅邦弘『荀子』角川ソフィア文庫

性悪説を提唱したとされている荀子の解説書。

しかし、著者の湯浅先生によれば、「荀子=性悪説」は正しくないという。

「確かに、人間はそのままでは様々な欲望や情念にとらわれて、悪い方向に行ってしまうこともあるでしょう。しかし、学問や礼儀や音楽で感化し、きちんと矯正すれば、善なる存在になるというのです」(p. 50)

特に「礼」によって国を治める「礼治」を提唱した荀子。

では、礼の本質とは何か?荀子は次のように説明する。

「礼は人の心に従うのを根本とする。だから、たとえ礼の経典に記載がなくても、人の心に寄り添うものは、みな礼である」(p. 74)

「礼=規定」というイメージがあったが、相手の立場に立って行動することが「礼にかなう」ことである。

礼を重んじる日本文化を大切にすべきだと思った。


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