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『少年少女』(読書メモ)

アナトール・フランス(三好達治訳)『少年少女』岩波文庫

アナトール・フランスによる19の超短編集

各作品は2、3ページしかないのだけれども、子供だけでなく大人へのメッセージになっている。

印象に残ったのが「ロジェの厩」。

厩で馬の世話をしているロジェが空想の中で馬に乗る様子が描かれている作品(2ページ)。

最後の部分が良かった。

大人たちの馬は人生のあらゆる道をきちがいのように駆けています、あるものは名誉にむかって、あるものは快楽にむかって、そして多くのものは、断崖に躍りこんで、乗り手の腰を砕いてしまう。私は祈ります、やがて君が大人になったら、いつも君を導いてまっすぐな道を進んでいく、二頭の馬に乗りたまえ、ロジェ君。その一頭は元気のいい、その一頭はしとやかな、いずれ劣らぬ立派な馬です。一頭の名は勇気、一頭の名は親切。」(p. 39)

人生は、どの馬に乗るかで決まってくる、といえる。

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