goo

『見抜く力』(読書メモ)

平井伯昌『見抜く力:夢を叶えるコーチング』幻冬舎新書

北島康介選手のコーチだった平井氏の指導論。教えられるところの多い本だった。

印象に残ったのは「選手の感性を磨いていかなければならない」という点。感性とは、自分の練習をきちんと意味づける力である。平井コーチは言う。

「「今泳いでどんな感じだった?」などと尋ねるようにしている。選手はつねに考えながら泳いでいるわけではないが、水をつかめたか、つかめなかったかは感じている。そこを意識して泳げるかどうかで、練習の意味合いが変わってくるのだ。最初のうちは「よくわかりません」「あまり感じませんでした」などという答えが返ってくるだけだが、なんども質問を繰り返しているうちに、「今日はすごくお腹に力が入って、水がちゃんとかけています」とい返事が返ってくるようになる。こうなると、コーチから言われたとおりに半ば強制的にやらされていた練習が、きちんと意味づけられ、何倍もの密度の濃さになってくる。」(p.70-71)

コーチの問いかけによって、選手が自分の練習を「振り返り」、その内容を「言葉」にして、練習を「意味づける」。これが感性を磨くことになる。

子どもの勉強を教えるときでも、後輩や部下に仕事を教えるときでも、感性を磨くことを意識すべきである、と思った。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« わたしが与え... まず短所に目... »