goo

『義経』(読書メモ)

司馬遼太郎『義経』文春文庫

この本を読むのはこれで3回目くらいだが、今回印象に残ったのは、組織における「ホウレンソウ(報・連・相)」の重要性。

ちなみに、義経は、軍事の天才なのだが、まったくといっていいほど頼朝へのホウレンソウが出来ておらず、ある意味、暴走系の若者である。「兄さんはわかってくれているはず」という思い込みが強いのだ。

これに対し、梶原景時という幹部(いやなオッサンのキャラとして描かれている)は、戦いの様子などをこまめに、かつ誇張して報告するがゆえに、頼朝のウケもいい。

しかし、組織への貢献度は、圧倒的に義経の方が高い

企業でも、出世する人は、自分の仕事ぶりをアピールするのが上手いのだろう。それに対し、良い仕事をしているにもかかわらず、ホウレンソウが下手な人はイマイチ評価が低いのではないか。

もう一つ感じたのは、参謀役の重要性

義経の参謀は、僧兵あがりの弁慶や、盗賊だった伊勢義盛などばかりで、どう振る舞えばよいかをアドバイスしてくれる人がいなかった。本田宗一郎さんは、事務系を束ねる藤沢さんという参謀がいたがゆえに活躍できたが、参謀に恵まれなかった義経は結局殺されてしまう。

組織の中で「天才」を活かすには、しっかりとホウレンソウをしてくれる参謀役をつけなければならない、と感じた。










コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 時代をとらえる力 わたしはあな... »