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『黒沼ユリ子 ヴァイオリンで世界から学ぶ』(読書メモ)

黒沼ユリ子『黒沼ユリ子 ヴァイオリンで世界から学ぶ』平凡社

ヴァイオリニストの黒沼さんは、チェコに留学した際に出会ったメキシコ人の研究者と結婚し、リサイタルをしながらメキシコで子供たちにヴァイオリンを教え、現在は、日本の御宿(千葉県)で活動している。

印象に残ったのは音楽に対する姿勢の違い。

「日本ではとにかく楽譜の読み方だけがほとんどなのです。正確に音符を読んで音程とリズムを正しく弾く」(p. 43)

これに対し、チェコで教わった先生は違ったという。

「とにかく「うたえ」「うたえ」という教え方です。「印刷された音符からいかに生きた音楽を引っ張り出すか」、私はダニエル先生のピアノ伴奏で音楽の本質を教わったようなものです」(p. 42-43)

黒沼さんの指導方法もこれに倣ったものである。

「音学」ではなく「音楽」、楽しいのがまず先というのが私の教え方でしたもの」(p. 81)

日本人は「正確さ」を重視するが、「楽しむこと」が下手だな、と改めて感じた。







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