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楽しさを味あわせる

再び『プロレスという生き方』(三田佐代子著、中公新書クラレ)から。

この本で一番驚いたのは、小学生たちをプロレスラーとしてデビューさせてしまったレスラー・さくらえみさん。

えみさんは言う。

「プロレスに対する疑問があったんですよ。プロレスってプロしかやっちゃいけないのかなって。野球だったら少年野球、サッカーだって少年サッカーがあるじゃないですか。なんでプロレスにはそれがないんだろうって」(p.164)

たしかに、プロレスとアマレスはまったく違う競技である。そこで考えたのが「アクション体操」。マットを使ったプロレス教室である。そこに通う子供たちの中から小学生女子プロレスラーが生まれることになる。

なお、さくらさんの教え方が興味深い。

「最初にそれ(殴ったり蹴ったりすること)は教えなかったんです。ドロップキックとか、ボディアタックとか、カサドーラ(メキシコ式の飛びつき前方回転エビ固め)とか。技をやる楽しさだけを最初に教えたんです。サッカーだって最初にゴールの練習したら楽しいじゃないですか。だから楽しいことを最初に教えました」(p.165)

プロレスに限らず、「まず楽しいことから教える」ことは大事である。しかし、まじめな日本人はまず基本から教えてしまい、その結果、続けることができなくなってしまうのではないだろうか。

仕事でもなんでも、まず楽しさを味あわせてあげることから始めるほうがよい、と思った。




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