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『赤と黒』(読書メモ)

スタンダール『赤と黒』光文社

大学のとき読んだことがあるが、「こんなに面白かったっけ」というくらい面白かった。話がスピーディに流れるところは韓流ドラマに似ている

ただ、トルストイやドストエフスキーのような重厚さは感じられず、ちょっと「軽い」のはお国柄のせいだろうか。

平民出身で美貌のジュリヤン・ソレルが貴族の家庭教師となるが、夫人とできてしまう。しかし、それがバレたため、パリに渡り大貴族の秘書となる。そこでも才能が認められ、娘と結婚というタイミングで大波乱、というストーリーである。

「野心」と「恋愛」という2つのテーマが絡みあって、主人公ジュリヤンが変化していく様子が興味深い。

当初は、「貴族に負けてたまるか」「偉くなって見返してやる」というギラギラの野心を抱いていたジュリヤンだが、自分が本当に愛していた人がわかるにつれて、出世や名誉がどうでもよくなっていく。また、神学を学んでいながら神を信じなかった彼が、最後には神にすがるようになる。

本当に大切な人が誰だかわかると、人生観が変わっていくのかもしれない、と感じた。





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