松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
ラーニング・ラボ
『年収100万円の豊かな節約生活術』(読書メモ)
山崎寿人『年収100万円の豊かな節約生活術』文藝春秋
東大を卒業して、大手酒類メーカーの広報部で活躍するも、30歳で辞めてしまい、それ以来プータロー生活20年。親の残してくれたマンションの家賃収入(年収100万円)のみで、毎日、生きがいの料理をしながら、豊かに楽しく暮らしている51歳のおじさんが山崎さんである。
こうした内容の記事を何かの雑誌で読んだときには、「変わった人もいるんだな」と思っただけだったが、その後、気になって気になってしょうがなくなり本書を購入した。
普通であれば、「東大→大手メーカーというキャリアを捨ててもったいない」「働き盛りの大人がブラブラしていて恥ずかしくないのか」と思ってしまうが、ご本人は、限られた収入の中で、毎日好きな料理を作り、友達を呼んでパーティーをしたりして、とても充実した生活を送っている様子。山崎さんは次のように言う。
「金をたくさん稼がなくても自分なりに満ち足りた人生が送れるのなら、それに越したことはないではないか。いったいそれ以上の何を望むというのだろう」(p.204)
山崎さんのすごさは、世の縛りから思いっきり開放されているところにある。
「今の世に蔓延している「勝ち組か負け組か」「善(正義)か悪か」「成功か失敗か」「正しいか間違いか」「(自分はあいつより)上か下か」―というように、世界を二色に塗り分け、それだけで人間の価値を評価してしまうような二元論的世界観とは、とうの昔におさらばしてしまっているので、「何かをしてなんぼ」「何かになってなんぼ」という観念や、二元論的世界観の上に立った「かくあるべき」「ねばならぬ」「意味があるかないか」という発想で自分の考え方や行動に価値判断を下し、己の人生を縛り上げることは、もうやめてしまったというわけだ」(p.202-203)
本書を読み、自分が世の規範にかなり縛られていることがわかると同時に、暗黙の前提や価値観がゆさぶられた。
東大を卒業して、大手酒類メーカーの広報部で活躍するも、30歳で辞めてしまい、それ以来プータロー生活20年。親の残してくれたマンションの家賃収入(年収100万円)のみで、毎日、生きがいの料理をしながら、豊かに楽しく暮らしている51歳のおじさんが山崎さんである。
こうした内容の記事を何かの雑誌で読んだときには、「変わった人もいるんだな」と思っただけだったが、その後、気になって気になってしょうがなくなり本書を購入した。
普通であれば、「東大→大手メーカーというキャリアを捨ててもったいない」「働き盛りの大人がブラブラしていて恥ずかしくないのか」と思ってしまうが、ご本人は、限られた収入の中で、毎日好きな料理を作り、友達を呼んでパーティーをしたりして、とても充実した生活を送っている様子。山崎さんは次のように言う。
「金をたくさん稼がなくても自分なりに満ち足りた人生が送れるのなら、それに越したことはないではないか。いったいそれ以上の何を望むというのだろう」(p.204)
山崎さんのすごさは、世の縛りから思いっきり開放されているところにある。
「今の世に蔓延している「勝ち組か負け組か」「善(正義)か悪か」「成功か失敗か」「正しいか間違いか」「(自分はあいつより)上か下か」―というように、世界を二色に塗り分け、それだけで人間の価値を評価してしまうような二元論的世界観とは、とうの昔におさらばしてしまっているので、「何かをしてなんぼ」「何かになってなんぼ」という観念や、二元論的世界観の上に立った「かくあるべき」「ねばならぬ」「意味があるかないか」という発想で自分の考え方や行動に価値判断を下し、己の人生を縛り上げることは、もうやめてしまったというわけだ」(p.202-203)
本書を読み、自分が世の規範にかなり縛られていることがわかると同時に、暗黙の前提や価値観がゆさぶられた。
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