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読書メモ『自伝大木金太郎』

大木金太郎(太刀川正樹訳)『自伝大木金太郎:伝説のパッチギ王・大木金太郎』講談社+α文庫

力道山にあこがれ、韓国から密入国してプロセスラーになった金一(キム・イル)は、大木金太郎として、プロレスのスターとなる。得意技は、頭突き(パッチギ)。僕も小さいとき、テレビで頭突きをしまくっていた大木金太郎の姿を覚えている。

入門当初、北朝鮮出身の力道山から「皆と同じことをやっていては、お前は日本で出世できない。お前は韓国人だから頭突きをやれ。それがお前の生きる道だ。」と言われ、ひたすら頭突きを鍛え上げた大木さん。

人気スターとなって再び韓国に帰り、母国のヒーローとなる。しかし、晩年は、頭突きによる後遺症に悩まされ、長い病院暮らしの末に亡くなる。ちなみに、この自伝は、韓国のスポーツ紙に掲載されたものの翻訳である。

「密入国→力道山道場での地獄の特訓→スター街道まっしぐら→韓国での活躍→没落」というドラマティックな人生を歩む大木さんだが、「オレは元祖韓流スターだ」と豪語する茶目っけがかわいい。

「大木金太郎といえば頭突き」というオリジナリティと、それによって人々に勇気と感動を与えた大木さんの人生が輝いて見えた。

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