宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

帯状疱疹

2014年02月03日 19時43分00秒 | 診断と治療
春の訪れを感じる暖かい風がふいています。

それなのに・・・。
まだ、一日中暖房をつけている患者さんがいますよ
全く、信じられません。
皮膚だけでなく、鼻の粘膜や目までかさかさに乾きます。
そのせいで、花粉症になりやすくもなるのです。
現に。
今日も、花粉症が発症している方が、どんどん増加しているのを感じました。
皆さま。
暖房はいい加減、消してくださいね

さて。

先週から、急増している病気に、帯状疱疹があります。
これは、水疱瘡のウイルスが原因の皮膚病で、身体のどこかの神経にウィルスが増殖し、神経痛や筋肉痛をひきおこすものです。

発症の仕方には、特徴があります。
それは。
まず、皮膚の一部にちくちくとしたあるいはひりひりとした違和感や痛みがでます。
その数日後、その痛かった部分に、虫さされのような赤みやふくらみがでます。
これを、ダニにさされたと勘違いする方が、少なくありません。
しかし。
ダニ刺されと異なり、かゆみより痛みが強いのが普通です。

その後、痛みがだんだん強くなるので、湿布をはるかたが多いですが。
ぶつぶつが増えてくると、湿布にかぶれたと思い込む場合があります。
こうして、どんどん日にちがたってしまうと、神経痛や筋肉痛が増強してしまいます。

このぶつぶつや痛みは、すべて水疱瘡のウィルスのなせる技です。
ですから、一刻もこのウィルスを撃退すべきなんです。

従って。
治療は、一刻も早めに皮膚科を受診し、抗ウィルス剤の投与を始めることが必要なんですね。

治療は、早ければ早いほど有効です

たとえるならば、帯状疱疹は皮膚と神経の火事です。
一刻も早い消火活動が有効なのは、言うまでもありません。
皮膚や神経、筋肉が燃えてしまう前に、炎症の火を消してしまわなくてはいけません。

早くに治療を開始すれば、後遺症は残りません。
しかし、治療をぐずぐずと遅らせると、火が燃え広がってしまい、神経痛を長期間残すことになるのです
万が一、後遺症を残してしまいそうな重症例は、麻酔科の治療が必要になります。

急に暖かくなったり、また寒さがぶり返したりするこの季節は、免疫力が低下しがちで、帯状疱疹が発症しやすいようです。
怪しいな・・・・・と感じたら、早めに受診ください


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