宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

くちびるのかゆみ

2014年03月07日 21時09分47秒 | 診断と治療
夕方、雪が降っていて、びっくりしました

今年は、本当にたくさんの雪を見た気がします。

でも。
驚くことに、雪の日は湿度が低いんですね。
これは、皆さまも意外に思われるでしょう。
でも、考えてみてください。
今年の雪の日、室内がじめじめしていたことがありましたか?。
梅雨の時期は、室内はじめじめ、べたべたしていますが、冬の雪の日はけっしてじめじめしていないんです。
その証拠に。
今日、夕方、雪が降っていた時間のクリニックの湿度は26パーセントでした
雪が降っていても、空気はからからなんです。

さて。

このところ、くちびるのかゆみや湿疹の方が多く受診されます。
この原因は何でしょうか。

患者さんの多くが「ヘルペス」を心配されています。
ヘルペスは、くちびるの一部に大きめの水疱ができて痛みがあります。
抗ウィルス剤の内服が必要です。

くちびるに小さなぶつぶつや細かい水疱ができて、かゆみを伴う場合は、かぶれの可能性があります。
かぶれの原因は、口紅やリップクリームが多いです。
特に多いのが、メンソール入りのリップクリームによるかぶれです。
これは、塗ったとたんは潤うのでついつい塗ってしまいます。
でも、ぬればぬるほど、だんだんかぶれが悪化してくるので要注意です

また、この時期は、スギ花粉のかぶれでもくちびるにかゆみがおこります。
2月から4月にくちびるがかゆくなる方は、スギ花粉症を疑います。

そのほかに、なめ癖によるかぶれがあります。
これは、乾燥した唇をなめて、唾液でかぶれているのです。
暖房で乾燥した室内にいて、乾いたくちびるをくり返しなめているお子様に多く見られます。

このように、冬から春にかけてのこの時期には、こんなくちびるのトラブルが多いのです。

雪が降っても室内の湿度は低く、寒さで暖房を強くつけてしまいがちです。
そのため、特に今の時期は、要注意ですね。

まずはくちびるの湿疹をしっかりと治療します。
そして、安全なリップクリームを処方します。
このリップクリームをまめにぬることで、次第に回復していきます。

顔の中でも小さな部位ですが、トラブルは多く、くり返しやすいので、しっかりと治療しましょう


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