みどりの野原

野原の便り

10月8日 南紀白浜から潮岬②―2 橋杭岩 紀伊大島

2017年10月08日 | Weblog
串本に向かって出発。


海に浮かぶ丸いいかだはマグロの生け簀だそうだ。

橋杭岩に到着。
橋杭岩は1400万年?前の火山活動により泥岩層の中に嵌入した流紋岩が、その後柔らかい泥岩部が浸食され、硬い石英斑岩が杭のように残ったもの。
吉野熊野国立公園に属し、国の天然記念物に指定される観光名所となっている。

その形から『昔、鬼が弘法大師と大島まで橋を架ける競争をした。負けそうになった鬼が夜中に鶏の鳴きまねをし、弘法大師が朝になったと思って逃げた。橋杭岩はその時に残った橋の杭だ』との伝説がある。

 
 
大小約40個の岩が立ち並ぶ。800mに及ぶという長さにカメラには収まらない。 
干潮で岩のそばまで行けた。岩の向こうは外洋。波は荒い。

橋杭岩の手前陸側に転がっている巨礫。これは「津波石」と言われているらしい。
岩は橋杭岩の近くには巨大なもの、岸に近づくにつれて小さいものが散らばる。

この巨岩、台風程度では動かないらしい。昭和南海地震時の津波でも岩の位置に大きい変化が見られなかったそうで、それよりも規模の大きい津波(宝永地震クラス)の時に移動すると考えられるとか。

紀伊大島へ。

 
      潮岬観光タワー      苗我島ループ橋~串本大橋を渡れば紀伊大島。
歌に歌われた「中を取り持つ巡行船」は橋の完成と共に廃止になった。

次に日米修好館周辺で観察。
1853年ペリー来航より62年前、ここ前の浜にアメリカの商船2隻が来て貿易を申し込んだというアメリカの文献が明らかになったという。

近くには雷公(なるかみ)神社もあった。

 
     タイミンタチバナ              フウトウカズラ

 
   青い実をつけたアオノクマタケラン       折れた果実は赤く色づいていた。

 
クサスギカズラ 葉に見えるものは葉状枝、葉はトゲに変化しているとおしえてもらった。
              右)ツバキの葉についていたオオキンカメムシ 大きい。
すっかり忘れていたが、帰って調べたら、h24年岩清水八幡宮の近くで、H26年長居公園で、h28年舞洲で見ていた。

上記の他にもウバメガシ・ハマヒサカキ・ツバキ・トベラ・カクレミノ・サカキカズラ・ヤブニッケイ・タブノキ・ツワブキ・イヌマキ・・・分厚く硬くつやつやの葉をもつ海岸の環境に適応した植物。

 
  道なき道を海岸へ降りる。       ゴロゴロ石の海岸 歩きにくい。

オオヘビガイやツタノハガイの貝殻があった。

生き物は、潮間帯(潮が満ち干する間の高さ)で棲み分けている。

潮間帯上部では干上がる時間が長く、下部では海水に使っている時間が長い。
アラレタマキビは乾燥に耐えられる体のつくりを持っているらしい。むしろ海水から逃げているように見える。

潮間帯下部になればなるほど乾燥しにくく多くの生き物にとっては過ごしやすい環境。半面生き物通しの競争が激しくなり捕食者も多い。
餌の問題、固着性の生き物は体をくっつける場所の確保も必要。
下部では乾燥しにくく 住みやすいが生き物同士の競争が激しくなる。
潮間帯上部?下部?どちらが住みやすいかは一長一短がある。

海岸の岸近くや打ちあがったものが集まっているところには植物も生えやすい。
ハマゴウ・ハマボウフウ・ハマヒルガオ・ハマエノコロ・ツルナ・ハマエンドウ・ハマナデシコなどがあった。

今日は早めに宿に戻ったので、教えてもらった温泉へ。


日置川温泉 渚の湯 源泉はアルカリ泉質のかけ流し。トロっとした湯が肌にまとわる。 
せめて1週間、このお肌のつるつる感が維持できたらいいのになあ・・
露天風呂からきれいな夕焼が見えた。「夕日が沈むのを見れるね」と言っていたのに、いろいろしてる間に日が沈んじゃった。あ~残念。

今日も夕食の後 ミーティングでは地質・昆虫・植物・海辺の生き物など各分野のお話を聞く。

 
今日拾われた貝にも名前がついていた。いつも『タカラガイ』で済ませているが、コモンダカラ・ハナビラダカラ・カモンダカラ・ハナマルユキなど種類が多い。「タカラガイだけでも図鑑が何冊にも分かれているよ」と聞いた。
初めて聞くものも多く覚えられないが多様な生き物が海に住んでいるんだなあと感心。

真冬でも18℃もあるという暖流黒潮の影響をうけて年中温暖な紀伊大島の森から海岸に至る植物の変化や、「魚つき林」の話も聞いた。「健全な海のためには健全な森が必要」というのは聞いたことがある。
現在、海岸線の森のいくつかを「魚つき保安林」に指定して伐採などの規制もしているそうだ。

絶えず砂が移動する最前線の海岸線にはコウボウシバやコウボウムギなど深く寝を伸ばして生育する植物が。
その後ろには様々な海浜植物が。海から遠ざかるにつれ丈の高い植物がひろがる。その後ろは小さい林から豊かな照葉樹林へとつながっていく。

参加者の中に打ち上げられた種子を持ってきている方がいて、モダマの種子を見せていただいた。モダマ・ヒメモダマ・ ワニグチモダマ・マルミワニグチモダマ。アツミモダマ  モダマにこんなに種類があるとは知らなかった。すご~い。全部各地の海岸で拾ったものだという。
私も機会がある時に探してみよう。俄然やる気が出てきた。

2日目も終了。 お休み。      ③-1に続く。
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10月8日 南紀白浜から潮岬②―1 朝散歩 オゴクダの浜でビーチコーミング サカキカズラ カルエボシ

2017年10月08日 | Weblog

朝食までの時間に近くの山裾を歩く。

 
       カンコノキ        果実がついていた。

 
        サカキカズラ     開脚したような2個1セットの果実が2つついていた。


      ホウロクイチゴ  

突き当りは広場?畑の跡にしては小石だらけ。
 
丈の低いエビスグサがいっぱい生えていた。
          右)サトクダマキモドキ 鎌形の産卵管で木の若枝に傷をつけて産卵するらしい。
 
バスで潮岬・オゴクダの浜へ。


ヒルガオ科  これは何でしょう?
底紅の色合いはホシアサガオに似る。花茎も長い。でも花は大きい(4~5㎝)


 
    草の斜面を下る。       浜 向こうに見えるのは潮岬灯台

この浜でビーチコーミング

 
さっそくハリセンボンの皮?を見つけた子がいた。     カイメン

 
   岩についたカルエボシの殻   
 右)ヤシ殻・タカラ貝いろいろ・タツノオトシゴ・セミエビの脱皮殻・ハコフグ・海藻・軽石・いろいろ集まった。


漂着ごみ ペットボトルや歯ブラシ・ライター・浮き 台湾や中国のものもあるが、大半は日本のもの。 
茶色い樹脂板はケンケン漁の漁具と教えてくれた人がいた。

 
ハマゴウ群落 乾燥がひどいのか葉は枯れ枯れ。     ハマヒルガオ

 
    ハマナタマメ 大きい鞘が出来ていた。    ラセイタソウ 葉には硬い毛がありざらざら

潮岬へ。   南紀白浜から潮岬②―2へ続く。          
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