みどりの野原

野原の便り

(7) マダガスカル 11月21日④ ラヌヒラ・イサロ~チュレアールへ

2008年12月13日 | Weblog
ラヌヒラの朝。
モーニングコールを待つまでもなく、早く目が覚める。

 
5:15ちょうど岩山から朝日が昇るところだった。ホテルの横は岩山

 
    外壁も内装も石貼り          レストランもおしゃれ
ところどころに遊び心の模様が入っている

Hちゃんと二人で早朝散歩。周りは荒れ地だ。

そんな中よく見ると、ランや名前のわからない白い花・シマニシキソウ
のような花・ニオイバンマツリの低い木がある。
ホテル関係の人が「スカラベ」とカブトムシを見せてくれた。
どの木に付いていたんだろう。

きょろきょろ歩いていると、枯草の中に赤いものが・・
「トウアズキ見つけた!」
  
赤と黒に色分けされた小さな豆。   実かと思ったら虫の集団だった
アクセサリーに使うトウアズキは     ド派手な色柄
大好き。実がなっているのを初め     カメムシの仲間?
て見た。カンゲキしながら実を     この写真を見た娘は「ギャア!」
とった。実の付き方はタンキリマメ   と叫んで飛びのいた
などと似ている。
マメ科の羽状複葉の葉でツルが細い木に巻きついていた。
早起きは3文の得!
 
朝食の後、イサロ国立公園の入口ラヌヒラの事務所(ガイドの寄り場)
に立ち寄り、ガイドのオメガさんを乗せてイサロ国立公園に向かう。
イサロはマダガスカルのグランドキャニオンとも呼ばれているらしい。

 
        女王さまの岩          荒れ地にニチニチソウ
                        高山に咲くコマクサのよう
ニチニチソウはマダガスカル原産で、日本では1年草になるが、こちら
では宿根草だという。


事務所  国立公園といってもパンフレットひとつない。

 
ラヌヒラの町を抜けると、平原になる。      凸凹の地道
わずかに残るわだちの跡をとにかく前進。どこからが国立公園なのか?

ハプニング発生!
30分ほど走ったところで、あれれ・・わが車はエンストしてしま
った。まわりは荒野で行き交う車もない。

 
タイヤをはずして運転手は修理にあたる。    来た道

外に出て見ると、周りの地形は結構起伏がある。今は水などまったく
ないが、水にえぐられ谷になったところも。
雨季にはどうなるんだろう。想像できない。

しばらく格闘していたが、修理不可能のよう。どうする?

ガイドさんが携帯で連絡を取り、山のふもとまで客を送って行った
タクシーに救援を頼んだらしい。

しばらく待つとそのタクシーが来て、送ってくれるという。

 
フロントガラス見てびっくり。放射状にひび割れてる!
しかもまた前に3人乗り。ここには道路交通法もないようにみえる。

タクシーに乗って山にちかい広場に到着。
運転手がペットボトルを取り出したので見ていたら、なんと給油
したのだった。


青いマンゴーがたくさんなっている木の所から入り、タマリンドの
汁で黄色く顔を塗ったおばさんがバナナを売っているそばの小さい川
を渡る。

川の上に枝を張り出した木に屑が引っ掛かっていた。
雨季に増水して、そこまで水が来たという。へえ~!信じられない。

そこから山までは田んぼが多い。山に向かって日本の棚田に似た風景
が見られる。
ここにはカンニョンから流れ出る豊富な水がある。

 
遠くにスキのような農具を使って田んぼの仕事をしている人も見える。
耕すのはこぶ牛を使うらしく牛の落し物が時々あった。
小川にはミズスマシやアメンボが水面を走り、デンジソウ(写真右)や
アサザがあった。アサザは花が咲いていた。
田んぼにはチュウサギらしい鳥もいた。

 
 
       山に向かって歩く

 
白い粉をふいたようなハゴロモ   極彩色のバッタ

 
山の近くの森に入る。
今まで乾いた草原ばかり目にしてきたが、植生がまったく違う。
ここは水のおかげで高い木もある。ヤシやシダやつる草が茂る。

180㎞も続いているという山はところどころ切れ込んでいる。
深い裂け目になってそれを「カンニョン」というそうだ。
そこには滝もあり、深い穴になっていて危険なため近づけないが、
その付近にはワオキツネザルなどが住んでいるらしく、
「マキのカンニョン」というそうだ。(マキはキツネザルのこと)

カンニョンの深さは8㎞という。聞き違いではないかと聞きなおした。

私たちを谷の水辺に残してガイドのオメガさんはキツネザルを探しに
奥へ消えた。


きれいな水が迸るように流れる谷川 でも水は冷たくない。
         
谷川の近くの小川にはオタマジャクシやブルーの大きいトンボも
いた。
シキチョウ・アフリカバンケン・セッカ・チョウゲンボウ・Mオウ
チュウ声・カンムリカワセミも見た。

セミがジ~~~ンと響くような声で鳴いている。
ボルネオのと似ている。

木の上の実の落ちたさやはトゲトゲ。シロツグとのこと。
前にマレーシアだったか?ボルネオだったか?で拾ったビロードシン
ドラーと同じ仲間のよう。

オメガさんだいぶがんばってくれたけど、結局キツネザルは見つから
なかった。

さっきの広場に帰着 こどもが5.6人寄ってきた。
私たちの車はまだ治ってないらしい。別のタクシーが迎えに来た。

驚いたことに、この車もフロントガラスがクモの巣状にヒビが入って
いて、笑ってしまった。

帰り道、ちょうど野焼をしているところを通った。ちょろちょろと炎
が見えた。
この国では草刈りということはしないらしい。まああまりに広す
ぎることもあるが。
年1回草が枯れてくるころ、野焼をするそうだ。
小さい木は一緒に燃えてしまうことだろう。それがいいのかどうか。

それに、カンニョンのある山、ホテルの近くに続く岩山。
なんかどんどん崩壊しているように見える。いずれ崩れてなくなって
しまわないかと心配になる。

ヤツガシラも見たりしながら事務所まで戻った。店で水を補給する。

ホテルへ戻り昼食後、チェックアウトしてやっと元気になった元の車
に乗り換えて昨日来たR7をチュレアールへ向けて出発

ところが10分ほどは快調に走っていた車が「プスッ」と止まってし
まった。またまたエンスト?
何回もエンジンをふかせ、少し動く。ぶす・ぶす・と今にも止まりそう。
私たちも腰を浮かせて・・も効果なく・・降りて押さねばあかんかと
・・・

ガイドのジョゼさんが言うには、宝石の町まで行けば修理工場がある
とのこと。
祈るような気持ちでなんとか宝石の町の入口にある修理工場へたどり
ついた。

修理工場
 
工場の人や運転手たちがフロントカバーを開けてなにやら話している。

 
「大丈夫かいな」修理工場と言っても、屋根の下に部品がいくつか転が
っているだけで、機械らしいものもなく、心配。

修理は男たちに任せて、私たちはその辺をうろうろ。

工場の横では奥さんが洗濯。すでに満艦飾の干しものが竿に掛かって
いる。縄跳びで遊んでいた子どもたちが珍しそうに私たちを見ている。
ニワトリが走り回って、横にはキャッサバの畑。

 
蓋をしてあるのは井戸か?と見ていたら、おじさんが来て蓋をあけて
見せてくれた。すごく深かった。
上に、水の汲む容器を引き上げるらしい木の棒と綱が取り付けてあって、
ぐるぐる回す身振りをしたら、そうだという。

飲み水としてこの井戸は大切にされているに違いない。
洗濯の水は他から汲んでくるんだろうか?

ずっと向こうには集落らしいものがあった。途中で見た草葺き屋根
よりは、少し立派な家が並んでいた。このあたりの中流?

そうこうしているうちに、修理ができたという。ほんとに大丈夫?
ガソリンを送るパイプが駄目になっていたらしくて取り替えたという。

半分心配しながら乗り込んだが、言われたとおり順調に走った。

途中くちばしの長いハチクイやムナジロガラスを見た。

途中検問もあったが無事通過。昨日の変化のある景色を復唱するよ
うに見ながら走るうち日が暮れた。



雨が降ったらしく濡れた道路を走り、無事チュレアールの今夜の宿 
「ホテル カプリコーン}に到着したのは夜7時半になっていた。

今夜は夕食は止めておくというSさんを部屋に残し、運転手さんを
誘いこんで3人で食事。
連日量の多い食事でちょっと胃も疲れてきた。

部屋に戻って私のお風呂の番。
髪を洗いかけたら。あらっ。停電。真っ暗だあ。
手探りで洗っているとSさんが懐中電灯を持ってきてくれた。
やれやれ。

愉快な一日がこうして終わった。
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(6) マダガスカル 11月20日③-3 チュレアール~ラヌヒラ~イサロ国立公園へ

2008年12月13日 | Weblog
チュレアールのアンツカイ植物園を見た後、
午後はマダガスカル南西部の町チュレアールを後に、R7で、
イサロ国立公園のあるラヌヒラの町まで5時間のドライブ
次々と変わる景色は退屈する間がなかった。

 
半砂漠のサバンナが続いたと思ったら、突然一面アリ塚の原っぱが続き、
マンゴーの木が点々とあるかと思えば、遠くにバオバブが群生する。

 
車を降りて近くのバオバブのところまで歩く。 バオバブとSさん


   バオバブの花が落ちていた

しばらく行くと、まったくその姿は消え、
 
炭や木を売る村が現れる。木は家を作るときや垣根に使用。
町でも急ぐ時はプロパンを使うが、急がない時は炭を使用すると
いう。

 
   草葺き屋根の家          壁がないのは共同で使う場所?

 
   草屋根だけの家               作りかけの家

 
      焼かれた跡              何か植えられたところ

人気のない半砂漠地が延々と続く。

 
どこまで行くのか牛車が水のタンクや荷物を運んでいるのにあったり、
村のそばの道端に野菜や果物を並べたところもある。

  
こぶ牛が放牧されていたところもあったが、食べる草も水もなさそう
なところで、こぶも小さく痩せていた。雨季になるまでの辛抱?
道は延々と続く。
 
これまたどこまで行くのか道路を歩いている人や自転車の人も見かけた。
ここには時間はないのかもしれない。

 
ユーカリ並木 ユーカリは炭の材料にもなる。ちょっとした町も通った

宝石の町というにぎわった町を過ぎると、岩山が周りに迫ってきた。
 
上を切り取ったような山が遠くを取り巻くようにに見え始め、そのうち
ごつごつした岩山がたくさん見えてきた。

 
  岩山へ向かって道は続く

もうすぐホテルだというが、町も家もなく、周りはすごい岩山ばかり。

右に岩山の近くを回り込んでしばらく・・突然岩山の中からホテルが
現れた。

    
ラヌヒラ ホテルジャルダン・デュロイ   車で石窓の夕日を見に行く
岩山に埋もれるように立つ

 
   石窓(フェネトロ)    岩に開いた窓から夕日が見える観光地 
100人ぐらい?の観光客が夕日を見に来ていた。
旅行中、観光地という感じがしたのはここだけだ。
     
 
こんな荒地にランの花 目立たない   アリ塚と私

ラヌヒラ ホテルジャルダン・デュロイは石張りのとてもおしゃれな
ホテルだった。
欧米人の老夫婦がプールサイトでくつろいでおられた。

食事はフランス料理風
フォアグラのゼリー寄せ・メインは猪肉・デザートは緑胡椒を使った
クレープを揚げたようなものの中に果物の細切りソース
グレーワインは冷えていておいしかった。

1棟をいくつかの部屋に使ってある。
ロッジ形式になっていて2階ロフト付きの広い部屋だった。
ロフトに蚊帳付きシングルが2つ、1階に蚊帳付きダブルベッドが1つ 

3日目の終わり お休み ZZZ 
コメント (2)
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