みどりの野原

野原の便り

10月4日 万博セミナー コケ

2008年10月04日 | Weblog
「苔」を愛でる文化をもつのは日本人だけらしい。。

午前中は講義、午後は観察をした。
 
コケについての講義
まず10問のコケ問題が出た。
その後、回答を兼ねて関連した説明があった。
「今まで学生も全部できた人はいません。8問できたらすごいです」
と言われた。
「正解8問の人」で手をあげたら、「どこかでコケを専門にやって
おられるのですか?と聞かれた。「いえいえとんでもない」
まあ学生さんよりは「年の功」があるし、5択問題なので「どれに
しようかな?」であたったのもあるし威張れるようなものではない。

名が○○ゴケでもコケではない植物もあるし、藻類とも紛らわしい。
藻類や地衣類との違いは「緑色で葉がある」ことだそうだ。

細胞が単層なのでで光をよく通しみずみずしい。
水は体表から直接吸収する。
乾燥してもすぐには死なず、水を与えればまた生き返る。
10年目に水を得て活動を始めたものもあるとか。へえ~不死身
なやつ!
人も虫も食べないというのもちょっと不思議だ。
(ガの1種には食べるものもいるらしいが)
まだまだわからない物質が含まれているようだ。

「二酸化炭素を蓄積し地球温暖化の防止にも役立っている」とは
考えたこともなかったが、海以外の地球上のどこにでもあり、
世界中の熱帯雨林の蓄積する約2倍の量の二酸化炭素をコケが蓄積
しているときいて驚く。
もっとコケを大切にしましょう。

日本は多様な環境があるため180種のコケがあるという。
これは広大なアメリカと同じ種数だとか。まさに苔の国JAPAN

緑化などの利用も今後増えていきそうだし、医学的な利用の
可能性もあるという。コケに未来あれ!

一方大気汚染の影響も受けやすく、ヒートアイランド現象などの
影響で京都の苔庭のコケの衰退が心配されている。
大台ケ原のコケの減少も問題になっている。
木の芽生えの揺り籠となるコケの減少は森にも大きい影響を与え
る。

コケの観察
 
ルーペで見るとすごくきれい。葉っぱ状のもの、線状のもの・・

コンクリートや石敷きの隙間、川の中に頭を出している石、日の
差し込む場所。その眼で見ればいたることろコケだらけだ。

カサカサの苔にスプレイで水を吹きかけると、命が蘇ったように
みるみる起き上がり緑を増した。死んでいるわけではないんだ。

なんでもないところにかがみこんだり、木に顔をつけるように
観察しているところなど、他から見れば相当あやしいかも。

  
湿度の高い所・乾燥した所、酸性の強い所コケは巧みに住み分け
ている。日の当たらない裏側にはコケはついていない。

先生は慣れてくると離れた所からでもどのコケか区別がつきます
とおっしゃる。
先生のお話は楽しく「コケが好き~」というのが伝わってきた。
まだお若い先生に「どうしてコケの世界にはまったんですか?」
と失礼な聞き方をしてしまった。
「ランの美しさに似たような美しさがあるから」との答えだった
が、その言葉では表せない何かに魅入られたのであろう若い先生
のコケを見る目は幸せそうで見ている私もなんか頬が緩んでくる。


ベンチの近く 窒素などに焼けた状態 犬や猫のおしっこが原因?

コケの名前もたくさん聞いたが、帰ってきたら案の定どれがどれだ
かわからなくなっていた。
コバノチョウチンゴケとかギンゴケとかネズミノオゴケ・コツボ
ゴケとか印象に残ったものもいくつかあるので、また気をつけて見
てみよう。
ジャゴケは今まで匂いに気づかなかったので、今度は匂いも嗅いで
みようと思う。
コメント
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