土星の200倍の環をもつ天体発見
(CNN) 地球から約400光年の距離に、土星の200倍の大きさの環をもつ天体が見つかったとして、米国とオランダの天文学研究チームが発表した。
この天体「J1407b」は2012年に発見されていたが、データを詳しく分析した結果がこのほどまとまった。「もし土星の環をJ1407bの環に入れ替えたとしたら、夜空で簡単に見つけることができ、満月の何倍もの大きさに見えるはず」。オランダ・ライデン天文台のマシュー・ケンワーシー氏はそう解説する。
研究チームはJ1407bが恒星「J1407」の手前を通過する際に、環が恒星の光を遮って起きる日食の現象を観測。環の大きさが巨大なことからこの日食は56日間も続いた。
ただ、この間ずっと恒星の光が遮られていたわけではない。30個ある環の中には密度が濃く光をほとんど遮ってしまうものもあれば、密度が薄く光を通しやすいものもあった。
また、輪と輪の間に隙間があることから、土星のような衛星がここで形成されていると研究チームは推測する。科学者の間では大型惑星の周りにある衛星は環から形成されるとの説があったが、土星以外でそうした現象が観測されるのは初めてだという。
米航空宇宙局(NASA)によれば、土星には少なくとも60個の衛星がある。
J1407bは惑星と恒星の間に位置付けられる褐色矮星という天体で、大きさは土星よりもはるかに大きい。「いわば超土星と考えてもいい」と専門家は指摘している。