2024年8月27日(火)
追悼文拒否 小池都知事に抗議
朝鮮人犠牲者追悼式典 実行委、声明提出
関東大震災時のデマにより虐殺された朝鮮人犠牲者への追悼文について、東京都の小池百合子知事が今年も送付を拒否した問題で、追悼式典の実行委員会は26日、都庁を訪れ、都知事あての抗議声明を提出しました。歴史的事実を「なかったことにしたい、との思いがあるのではないか」と批判し、都知事に再考を求めました。
1923年の大震災後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言が広がり、数千人といわれる朝鮮人が軍隊や民衆によって虐殺されました。追悼式典は毎年9月1日、東京都墨田区の横網町公園で行われています。74年以降、歴代知事が追悼文を送っていましたが、小池知事は2017年から拒否しています。
26日、都庁で会見した式典実行委員会の宮川泰彦実行委員長は「大地震という自然災害により命を失った被災者への追悼と、人の手によって命を奪われた被害者への追悼は意味合いが異なる」として、小池都知事が送付を拒否した理由について批判。「人として恥ずかしかった歴史に目を向けず逃げまわる。その姿こそが恥ずかしい」「事実に向き合い、二度とこのような過ちを起こさないよう、自治体の長としての態度を明確にすべきである」と述べました。
声明を受け取った都の担当者は「都知事、関係者にすみやかに伝えたい」と答えました。