在宅・施設ももたない
訪問介護基本報酬引き下げ抗議
撤回へ院内集会
「報酬改定で崖っぷちから突き落とされる。在宅も施設ももたない」―。政府・厚生労働省が介護保険の訪問介護基本報酬を来年度から引き下げ、有料老人ホームの人員配置基準を緩和することに市民や女性・障害者団体、介護・障害サービス関係者が抗議、その撤回を求め8日、参院議員会館で院内集会を開きました。厚労省の担当者も出席した集会にはオンラインもあわせ1000人以上が参加、怒りの声をあげました。
主催団体を代表し、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワークの上野千鶴子理事長が「引き下げは中小零細の訪問介護事業所に退出を迫る。利用者がサービスを求めても得られない『保険契約違反』ともいえる状態が起きる」と訴えました。
厚労省の担当者が事前質問に回答しましたが、「処遇改善加算率は他のサービスより高くした」などの言い訳に終始しました。ヘルパー国賠訴訟原告の伊藤みどりさんは「介護報酬引き下げのニュース以来ベテランヘルパーが激減し、介護の質は悪くなっている」と告発しました。
NPO法人高齢社会をよくする女性の会の袖井孝子副理事長が、抗議声明を読み上げました。基本報酬が引き下げられれば地域の高齢者宅を回る訪問介護事業所の倒産や閉鎖が相次ぎ、独り暮らしの高齢者や老老世帯は「介護難民」になると指摘。「基本報酬引き下げは暴挙というほかない」とのべました。
日本共産党の宮本徹衆院議員があいさつし、倉林明子参院議員も出席しました。