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対米公約も、かえって遠のいた

2007-09-14 | 世界の変化はすすむ

 
     崩壊 安倍自公政権

  
        “自民党が壊れてきた”


              「読めぬ国民の意思」


 「しばらくは目先のことの処理で精いっぱいだろう。参院での野党の多数は変わらない。とにかく、(首相辞任で)国民の不信を増幅させてしまったことが一番大きな問題だ」(自民党麻生派関係者)。自民党内からも「唐突」「無責任」と批判が噴出した安倍晋三首相の辞任表明から一夜明けた十三日。同党は、十四日告示、二十三日投票に決まった総裁選に向けて走り出したものの、動揺がおさまりません。


 安倍首相の一番の辞任理由だった海上自衛隊のインド洋での補給活動継続という対米公約も、かえって遠のいた状況です。政府内には、海自艦の十一月撤収は避けられないとの見通しも出ており、「(撤収後の)年内の活動再開は困難」(防衛省幹部)との声すらあります。自民党関係者は「こういう混乱をつくった以上、一時撤収の責任は自民党にあるということになってしまう」と嘆きます。

 「参院選で国民の大きな批判が示されたにもかかわらず、続投したことがこの結果をもたらした」(幹事長経験者)、「辞めるべき時に辞めず、辞めてはいけない時に辞めた。むちゃくちゃだ」(閣僚経験者)。自民党内からはこんな声がやみません。

◆メルマガ

 安倍首相は十三日に配信した恐らく最後となるだろうメールマガジンで「改革を進めていく、その決意で続投し、内閣改造を行ったわけですが、今の状況で、国民の支持、信頼の上で、力強く政策を前に進めていくのは困難である。ここは、けじめをつけることによって、局面を打開しなければならない」と記しました。

 「局面打開」…。辞任表明会見でも何度も繰り返された言葉です。

 十三日、総裁選に真っ先に手を挙げたのは、額賀福志郎財務相でした。防衛庁長官を二度務めた改憲・「靖国」派で、消費税増税については、十一日に「私は、二〇〇七年度を目途に議論をしていく」べきだと語った増税派です。

 安倍後継の「本命」とされていた麻生太郎幹事長は、参院選の大敗後に続投宣言した安倍首相をいち早く支持したことで幹事長に抜てきされました。首相から事前に辞意を唯一聞かされた盟友で、筋金入りの改憲・「靖国」派です。「小泉改革」を支えてきた福田康夫元官房長官も出馬の意向を固めました。

◆同じ枠内

 相次ぎ名乗りを上げる安倍「改革」の後継者。しかし、首相を辞任に追い込んだ最大の要因は、参院選に示された、自公政治ノーの国民の声でした。打開しなければならないのは、路線そのものであり、「局面」などではないはずです。

 しかし、自民党内では改憲・「構造改革」路線の枠内での違いを競う程度の動きしかありません。国会関係者は、「安倍首相の続投を許したことも、根回しも引き継ぎもなしに政権を投げ出したことも、参院選での国民の意思を読み取れないことを含めて、自民党は壊れてきているんだなと思う」と語ります。

                                「しんぶん赤旗」より

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