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東アジア木簡学という大きな枠組みで、韓中日共同研究を本格化するつもりです。

2017-01-23 | 韓国ハンギョレ新聞

在日コリアン学者が初の韓国木簡学会会長に

登録 : 2017.01.09 01:26 修正 : 2017.01.09 10:55

イ・ソンシ早稲田大学教授 
脱民族史観を持つ朝鮮半島古代史研究者 
「韓中日の研究成果の共有で学会を国際化 
さまざまな専門家の学際間研究の活性化も」

4日、韓国木簡学会会長に就任したイ・ソンシ早稲田大学教授。国外の人物が韓国の学会の首長の座に就くのは初めてのことだ//ハンギョレ新聞社

 日本で生まれ学んだ在日(在日コリアン2世)の研究者が、韓国の歴史学界で初めて学会の会長になった。

 

 朝鮮半島の古代史と木簡・金石文研究が専攻の早稲田大学文学学術院のイ・ソンシ教授(65)は、4日に開かれた韓国木簡学会総会で会長に推戴された。名古屋出身で20年あまり韓日学界を行き来しながら研究活動を行ってきたイ教授に、チュ・ボドン前会長(慶北大学教授)をはじめとする学会関係者らが木簡学を伝える役割を担ってほしいとその椅子を任せた。学縁や地縁などが左右する韓国の学会の風土で、国外の人物が学会長を務めるのは前例のないことだ。

 

 2007年に創立された木簡学会は、木片の文書である木簡や古い石碑などに刻まれた古文字記録を解析、研究する歴史学術団体だ。特に、この日の総会に先立って開かれた学術発表会で公開された慶尚南道咸安郡(ハムアングン)の城山(ソンサン)山城から出土した赦免木簡が、6世紀の新羅が法治国家であったことを実証する韓国最古の地方行政文書として確認されメディアに報道されると、彼は鼓舞された表情をありありと見せた。

 

 「韓国木簡学会は韓国の学界で最も躍動的な学問活動を展開してきました。新羅、百済領域の遺跡から木簡史料が続々と出土し、中国や日本の木簡とも内容や形式がつながる手がかりが見つかっています。学会を東アジア木簡学会として国際化する目標を持っています。東アジア木簡学という大きな枠組みで、韓中日共同研究を本格化するつもりです」

 

 木簡とは木片に官庁の行政報告などを記録した古代の文字記録だ。日本では約3万点、中国では約2万点、韓国では約800点が今までに出土した。古代東アジア共通の漢字文化圏を示す文字遺産であり、その時代の具体像が込められたタイムカプセルともいわれている。イ教授は特に韓国・日本の木簡の親縁性に注目すべきだと指摘した。「これまで日本木簡学会に韓国側の発掘研究成果を紹介してきたが、最も大きな結果物として韓国の木簡が日本の木簡のルーツと密接だという点を取り上げるほど、両国の研究交流が重要な関心事になった」と話した。今回出てきた城山山城の出土木簡も「某の前に白(もう)す」という「白」の文字で文章が終わる「前白文書」形式だが、7世紀の日本の行政文書の木簡に見られる典型的な特徴だという。日本に文書の形式が伝わったと推定できるという見解だ。

 

 「昨年、ベトナム北部で漢字を刻んだ4世紀頃の石碑が出たが、満州・集安の高句麗碑と似ています。この石碑を含め、中国古代漢字文化が周辺にどのように受け入れられたのかについて、4月に国際学術大会を開きます。私が提案したのですが、学会会員たちの瞬発力と情熱のおかげで実現できます」。彼は国民国家の「一国史」の代わりに古代史料を客観的に再構成し、古代東アジア史を当代の立場から見るという脱民族主義史観を力説してきた。

 

 2001年の史論書「作られた古代」で、従来の韓中日の古代史が19世紀の国民国家の登場による近代的発明だという論旨を展開して反響を起こし、広開土王碑文や百済・新羅、楽浪系文字の遺物を詮索し、古代史研究の新しい道を拓いてきたという評価も受けている。2013年に創設された早稲田大学韓国学研究所で活動しながら、昨年、韓国国宝78号の半跏思惟像と日本の中宮寺の半跏思惟像の韓日巡回展を実現させるのにも一役買った。イ教授は、「国民国家で疎通していた20世紀の歴史学を超越するには、多様な分野の研究者と協力し学際間研究を活性化しなければならない」として「木簡学のグローバル化」を誓った。

 

文・写真ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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これまでの調査の結果、朴槿恵(パク・クネ)大統領とチェ・スンシル氏の間の利益共有関係についてかなり立証された。

2017-01-17 | 韓国ハンギョレ新聞

特検「国家経済よりも正義が重要…サムスン副会長に賄賂罪で令状請求」

登録 : 2017.01.17 00:19 修正 : 2017.01.17 06:57

440億ウォンの賄賂供与および横領・国会偽証の疑いを適用 
18日午前10時30分、ソウル中央地裁で拘束前被疑者尋問

パク・ヨンス特別検察官が16日午前、ソウル江南区大峙洞の特検事務所に出勤している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「国家経済に及ぼす状況も重要だが、正義の確立はさらに重要と判断した」

 

 パク・ヨンス特別検察官チームが16日、賄賂供与および特定経済犯罪加重処罰法の横領、国会証言・鑑定法の偽証の疑いでサムスン電子のイ・ジェヨン副会長に対する事前拘束令状を請求したと明らかにした。サムスン未来戦略室のチェ・ジソン室長、チャン・チュンギ次長、サムスン電子のパク・サンジン社長は書類送検された。

 

 イ・ギュチョル特別検察官補は、イ副会長の事前拘束令状の請求直後に定例会見で「国家経済も重要だが、正義を確立することはさらに重要と判断した」とし、「イ副会長には第三者賄賂供与と単純賄賂供与の疑いをいずれも適用した。朴大統領はまだ収賄容疑で立件していないが、第三者賄賂授受と賄賂の嫌疑がすべて可能だ」と明らかにした。特検チームは、イ副会長に適用されたそれぞれの賄賂供与金額は被疑事実であるため明らかにしないと述べた。

 

 イ特別検察官補は、単純賄賂供与の疑いを適用したことと関連し「これまでの調査の結果、朴槿恵(パク・クネ)大統領とチェ・スンシル氏の間の利益共有関係についてかなり立証された。二人の経済共謀関係は、我々が客観的物証を確保していると判断する」と説明した。

 

 イ副会長は、朴槿恵大統領に昨年7月、サムスン物産と第一毛織の合併過程で国民年金に賛成してほしいと要請し、その見返りにミル・Kスポーツ財団に204億ウォン(約20億円)の資金を拠出する一方、チェ・スンシル氏親子がドイツ現地に建てた「コレスポーツ」と220億ウォン(約21億7千万円)台の契約を結び、80億ウォンを送金した疑いを持たれている。また、チェ容疑者の姪のチャン・シホ氏が運営する韓国冬季スポーツ英才センターにも16億2800万ウォン(約1億6千万円)を後援した。特検チームは「約束」だけでも賄賂として認める判例により、コレスポーツとの契約金220億ウォン全体を令状に含めた。これによって、イ副会長に適用された賄賂供与金額合計は440億ウォンに上る。イ特別検察官補は「イ副会長の横領額は賄賂供与金額の一部だが、具体的には明らかにできない」と述べた。ソウル中央地裁はイ副会長の拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を18日午前10時30分に開くことにした。

 

 イ副会長の父親の李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長は、1996年の全斗煥(チョン・ドゥファン)・盧泰愚(ノ・テウ)秘密資金事件当時、盧泰愚元大統領の在職当時250億ウォン(公訴時効が適用され実際の起訴は100億ウォン)の賄賂を提供した疑いで起訴され、翌年懲役2年、執行猶予3年が確定したことがある。

 

 イ特別検察官補は「他の企業の財団拠出金についても不正請託の有無を調べている」と明らかにした。これによって財閥総帥の赦免と免税店特別許可などの企業懸案があるSK、ロッテ、CJも賄賂供与の疑いで捜査が行われる予定だ。

 

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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憲法裁は、「弾劾審判は刑事裁判ではない」と明らかにしたことが確認された。来週中には本格的な弁論手続きを開始

2016-12-27 | 韓国ハンギョレ新聞

憲法裁、

チェ・スンシル捜査記録を確保…「弾劾審判における証拠」認容に注目

登録 : 2016.12.26 23:58 修正 : 2016.12.27 06:06

検察、3万ページ以上の捜査記録を提出 
早ければ27日の第2回準備期日に提出 
証拠採択をめぐり、両代理人が力比べ 
証拠採択されれば迅速な弾劾審判が可能

チェ・スンシル国政壟断事件国政調査特別委のキム・ソンテ委員長らが26日夕方、ソウル拘置所で開かれた現場聴聞会にチェ・スンシル証人が出席せず、接見室で非公開聴聞を行い退出している=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾審判を審理中の憲法裁判所が、検察の「チェ・スンシル国政壟断」捜査記録を確保した。27日に開かれる予定の第2回準備手続きでは、捜査記録の証拠採択の可否が最大の争点に浮上するとみられる。

 

 憲法裁は26日ソウル中央地検で、チェ氏、アン・ジョンボム前大統領府政策調整首席秘書官、チョン・ホソン前大統領府付属秘書官などの捜査記録の認証謄本(原本と同一であると認定された写し)約3万ページの提出を受け取ったと明らかにした。憲法裁は15日には職権で、23日には国会訴追委員団と朴大統領の代理人団の申請を受け、ソウル中央地検などに捜査記録の提出を要請している。裁判官たちは捜査記録を受け取り次第証拠調査計画を議論し、今週中に準備手続きを終えた後、来週中には本格的な弁論手続きを開始する予定だ。

 

 朴大統領の弾劾訴追案が国会を通過して17日めに、憲法裁が核心資料である捜査記録を確保したことで、捜査記録の証拠採択の可否をめぐる両者の代理人団の力比べが弾劾審判のスピードの尺度となる見通しだ。両代理人団は捜査記録の提出をいずれも申請しただけに、閲覧・謄写の申請を通じて捜査記録を早期に確保するものとみられる。国会代理人団は、認証謄本の提出・申請などを通じて入手する証拠は随時提出すると明らかにしており、早ければ第2回準備手続き期日に捜査記録の一覧を証拠として提出する可能性もある。ただし、捜査記録が膨大であり、次の準備手続き期日や弁論期日に証拠として申請される可能性もある。訴追委員であるセヌリ党のクォン・ソンドン議員は「捜査記録が来て証拠の同意が円滑に行われれば、証人の数は大幅に減少するものと見ている」と言い、捜査記録の証拠採択の可否は証人の数にも影響を及ぼすものとみられる。捜査記録によって弾劾審判の証人尋問を代替することになれば、その分速やかな審理が可能になる。しかし、朴大統領の代理人団が証拠採択に同意しなかったり、証拠調査の名目で証人を大挙して申請した場合、その分弾劾審判は遅延する恐れもある。

 

 一方、法務部は23日、憲法裁に提出した弾劾審判に関する意見書で、朴大統領の代理人団の意見とは異なり「弾劾審判は刑事裁判ではない」と明らかにしたことが確認された。法務部は「弾劾審判の手続きで刑事訴訟に関する法令を無条件的に準用する場合、憲法裁判の固有な性質を毀損する可能性を排除できない」とし、「弾劾審判の本質が憲法守護にあるという点などをもとに、さまざまな立証責任の分配の原理を総合的に考慮することができる」と明らかにした。

 

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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大統領が国をいかに私有化したかを知りたいと思う人たちのため、 チェ・スンシル-朴槿惠ゲート分析した4冊 

2016-12-25 | 韓国ハンギョレ新聞

[書評]朴槿恵そのものがシンボル操作だった

登録 : 2016.12.23 01:34 修正 : 2016.12.25 07:55

チェ・スンシル-朴槿惠ゲート分析した4冊 
カン・ジュンマン「権力中毒の儀典大統領」 
チョン・ヨオク「チェ・スンシルプロダクションのアイドル」

左から『朴槿恵の権力中毒-“儀典大統領”の災い』(カン・ジュンマン著/人物と思想社)、『傲慢と無能-グッドバイ、朴の国』(チョン・ヨオク著/読書光)、『朴槿恵の言葉』(チェ・ジョンヒ著/ワンダーボックス)、『朴槿恵崩れる』(チョン・チョルウン著/メディチ)//ハンギョレ新聞社

 私たちは皆、朴槿恵(パク・クネ)について知りたいと思っている。チェ・スンシルの国政壟断が明らかになればなるほど、朴槿恵は“操り人形”と“王女”そして“独裁者”の間を右往左往する。みんな彼女から自分が見たいところだけを見出してきた。「指導者は俳優の役割さえうまくできればいいんだ。大統領はシステムに組み込めば、何とか機能するようになっています」。朴槿恵を大統領の座に押し上げたという大物重鎮議員の言葉だ。結局、自分たちの筋書き通りになるという自信がうかがえる。「チェ・スンシル(の存在)を知らなかった」という親朴の言い分は、「朴槿恵が操り人形になってくれると思っていた」と告白するようなものだ。結局、朴槿恵を知らなかったということだ。『朴槿恵の権力中毒』(カン・ジュンマン)、『朴槿恵崩れる』(チョン・チョルウン)、『朴槿恵の言葉』(チェ・ジョンヒ)、『傲慢と無能』(チョン・ヨオク)など、朴槿恵を取り上げた本が相次いで出版されている。大統領が国をいかに私有化したかを知りたいと思う人たちのための分析だ。

 

朴槿恵大統領を分析したカン・ジュンマン全北大学社会科学部新聞放送学科教授(左)とチョン・ヨオク元議員=カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社

 カン・ジュンマン全北大学教授(新聞放送学)は『朴槿恵の権力中毒』で、朴槿恵が「権力行使を通じて何をするのかという独自の議題とビジョンを持たず、権力の行使自体に意味」を置いたとして、外見資本を含めた優れた儀典能力で支持層を魅了した「儀典大統領」と命名した。「異性やみだらなことは考えたことすらなさそうな純粋に対する熱望や凶弾に両親を失ったか弱い女性に対する保護本能、歳を取ってもきれいで乱れることのない容姿に対する驚異感のようなものだ」。朴正煕(パク・チョンヒ)の七光りを纏って、陸英修(ユク・ヨンス、朴正煕元大統領夫人)の衣装を身に着けた朴槿恵は、自身が“シンボル操作”だった。「白玉注射」「プラセンタ注射」が登場する医療スキャンダルも、セウォル号事故が起きた日まで念入りにセットしたヘアスタイルも、「儀典資本」を守るためものだ。

 

 “シンボル”の実体を暴くことはタブーとされてきた。 「レーザー光線」に狙われるのはさておいて、大衆からもひどい目にあった。「朴槿恵は、朴正煕大統領のお嬢さんで高嶺の花のような政治家なんです。そんなに毒舌を浴びせたら浅はかな人に見えますよ」。ハンナラ党のスポークスマンとして当時朴代表の側近だったが、後に“裏切りのアイコン”となったチョン・ヨオク元議員が受けた非難の一つだ。彼女は『傲慢と無能』で、朴槿恵を「チェ・スンシルプロダクションのアイドル」と表現した。市場を訪れて拍手を受けることは好きだったが、学生たちの質問には(うまく答えられず)途方に暮れていたという。全国からおびただしい贈り物が届いた時は「ハウスキーパー」(家庭管理士)に消費期限が過ぎた牛肉をあげたこともあった。「侍女チェ・スンシル」に翻弄された「可憐な王女」ではなく、父から「権力意志」だけを譲り受けた、儀典を享受していたという暴露だ。

 

 ビジョンとコンテンツのない大統領は、何に向かって進んだのだろうか? カン・ジュンマン教授は、朴槿恵の「デフォルト値」(設定値)として権力中毒、父親、チェ・スンシルの三軸を挙げる。チェ・スンシルは朴槿惠政権の「未来」、「文化」、「創造」を担当した。朴槿恵氏が政治に入門する前に書いた日記を含めて、政治家として行った発言を分析した『朴槿恵の言葉』を見ると、この設定値と「権力の私有化」の糸口がすでに彼女の普段の言い方にあったことがわかる。著者のチェ・ジョンヒ氏は、朴大統領の言語習慣にチェ・テミンが及ぼした影響力などを分析した原稿を今年6月に脱稿した状態だったが、チェ・スンシルによる国政壟断が明るみになったことを受け、悩んだ末に新しい章を書き加えることなく、草稿の大きな枠組みをそのまま維持したという。それでも高尚かつ上品で(decent)、塵外孤標というその特有の“イメージ”とは裏腹に、俗物的な言葉を以前から時々使っていたことを統計で確認できる。

 

 メディア批評専門誌の「メディア今日」のチョン・チョルウン記者が発行した『朴槿恵崩れる』は、チェ・スンシルゲートの幕を開けた記者たちを前面に登場させた。「政府もメディアもグル」だと考える人から「朝中東(朝鮮日報、中央日報、東亜日報)までがなぜあのような報道をするのだろう」と思った人たちまで、好奇心を満足させるような内容だ。「蛍光灯100本をつけたようなオーラ」だと、朴大統領の輝く姿を賞賛していたある報道機関関係者が、大統領の足りない国語の実力を指摘しながら“赤ペン”を持ち出すまで、何が起こったのかを聞かせてくれる裏話が興味深い。

 

 どうすれば鬱のような“スンシル病”を克服できるだろうか? カン・ジュンマン教授は「命令服従の義務にしたがって『理解できない業務』を随行するしかなかったことを告白せよ」と話す。「あなたの上司が指示した『理解できない業務』の情報を提供してください。今も指示されている変な業務を拒否してください。もし拒否するのが難しいのなら、“サボタージュ”で抵抗してください」。政府の無責任を、海運会社の不正を恐れることなく告発できる世の中だったら、セウォル号の悲劇は起こらなかったかもしれない。

 

チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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朴大統領が、依然として自分の非を認めないからこそ、辞任しなければならない理由がないと信じるのは当然の帰結だ。

2016-11-30 | 韓国ハンギョレ新聞

登録 : 2016.11.30 02:22 修正 : 2016.11.30 07:45

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は率直でも正直でもなかった。自分の過ちを認めることも、責任を取る覚悟もなかった。むしろさらにずる賢くなり老獪になった。浅知恵で急場をしのぎ、反撃の機会を狙おうとする思惑だけが目立っていた。朴大統領が29日発表した3回目の国民向け談話は、国民の期待を再び裏切ると共に、さらに激しい失望と怒りをもたらした。

 

 朴大統領は談話で「大統領職の任期短縮を含めた進退問題を国会の決定に任せる」と述べた。自分の責任を巧みに回避してボールを政界に渡してしまった。表向きは「何もかも手放した」かのように超然としたふりをしたが、実際には大統領の座をつかんで離さないための執着と意地がひしひしと伝わってくる。辞任問題は、朴大統領自身が決断すれば済む問題だ。それでもボールを政界に渡した理由は明白である。朴大統領には辞任する気が爪の垢ほどもない。

 

朴槿恵大統領が29日午後、大統領府のブリーフィングルームで3回目の国民向け談話を発表している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴大統領が自分の「進退」問題を今になって取り上げた理由は明らかだ。国会の弾劾訴追案の発議が目前に迫り、焦っているのだ。朴大統領は当初国会の弾劾訴追案の発議・通過が困難であると判断し、終始「弾劾するならやってみなさい」と言わんばかりの態度だった。ところが、弾劾案の可決が既成事実化すると、政界の戦列かく乱に乗り出した。

 

「検察の事情聴取を拒否」したことについては全く触れず

 

 朴大統領の3回目の国民向け談話は結局、弾劾を阻止するためのずる賢い術策だ。セヌリ党のチョン・ジンソク院内代表が野党側に弾劾の日程を原点から再検討することを要求し、非朴系の中にも「即刻弾劾」を躊躇する雰囲気があらわれていることが、それを裏付けている。特に、朴大統領が自分の進退問題を国会の「合意」と結びつけたのは、実に狡猾だ。合意が行われるためには、野党だけでなく、セヌリ党までも同意しなければならないが、これは現実的にほとんど不可能だ。朴大統領は不可能なことを国会に求め、巧妙に抜け出そうとしているわけだ。

 

 朴大統領がこれまで必死に無視していた「秩序ある退陣論」を今になって取り上げたのも、見え透いた策だ。政界ではこれまで、国政の空白を最小化できる秩序ある政局収拾策をめぐり、様々な議論が活発に行われてきた。挙国中立内閣の構成後に大統領の辞任、大統領の任期短縮のためのワンポイント改憲など、様々な案が提示された。"メニュー"が多すぎるとかえって選びづらくなるものだ。朴大統領は、このような隙を狙って、餌をまくことで、政界を百家争鳴の争いに引きずり込んだ。政界が議論を戦わせるのに夢中になり、なかなか決定を下せない間、時間を稼ぎながら、戦列を整えるという思惑だ。特に、朴大統領が「任期の短縮」という表現を使ったのは、改憲を念頭に置いたものとみられる。野党の分裂まで狙った実に狡猾な術策と言わざるを得ない。

 

 今回の国民向け談話を通じて改めて確認された事実は、朴大統領は依然として自分の過ちを全く認めていないということだ。朴大統領はこの日も「チェ・スンシルゲート」について「自分にとっては国のための公的な事業だった」と強弁しつつ、「一瞬たりとも個人の利益を追求したことがない」とか「周りを管理しなかった過ち」など、従来の主張を繰り返した。チェ・スンシル氏とチャ・ウンテク氏らの起訴状で、朴大統領が彼らの利権確保を積極的に助けた「共犯」と名指しされた部分などは、気にも留めなかった。朴大統領が、依然として自分の非を認めないからこそ、辞任しなければならない理由がないと信じるのは当然の帰結だ。

 

進退をめぐる論議は弾劾の後にしても遅くない

 

 朴大統領の対国民談話はすでに"言葉の信頼"を失った。朴大統領は2回目の国民向け談話で「検察の捜査に誠実に臨む」と約束したが、実際、検察捜査が目の前に迫ると、「人格殺人」とか「時間がない」というとんでもない理由を挙げて拒否した。朴大統領の3回目の国民向け談話が最小限の真摯さを保つためには、このような"二枚舌"に対する説明と言い訳がなされるべきだった。しかし、朴大統領はその部分については口をつぐんだ。そのため、大統領の談話は感動を与えることができなかった。ひとまず、弾劾案の阻止と時間稼ぎの意図が実を結ぶと、朴大統領がまたどのように前言を翻すか、誰にも分からない。たとえ国会が合意しても、さまざまな理由を並べ立てて拒否する可能性も考えられる。朴大統領は自分の任期を全うするためなら、常識や良識、体面などはすでに脱ぎ捨てて久しい。

 

 朴大統領のこの日の国民向け談話で、政界が進むべき道は一層明らかになった。弾劾案をゆるぎなく推進しなければならない。朴大統領のかく乱策がすでにセヌリ党の中である程度効力を発揮している状況を考えると、より緻密なアプローチが求められる。朴大統領の進退問題に対する国会レベルの議論が必要なら、弾劾案の成立後にしても遅くない。憲法裁判所の決定が出る前に国会が合意案を導くこともあり得るし、朴大統領が自ら辞任することも一つの方法だ。結局、朴大統領の3回目の国民向け談話によって、弾劾案を圧倒的に通過させなければならない必要性はさらに高まった。もし朴大統領の姑息なやり方によって国会が混乱に陥ってしまったら、キャンドルはさらに大きく燃え上がることになるだろう。

 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr

 
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5回目の大規模キャンドル集会が中、米国、欧州など世界各国でも海外同胞たちを中心にキャンドル集会が開かれる。

2016-11-26 | 韓国ハンギョレ新聞

世界23カ国67都市でも「朴槿恵退陣」要求するキャンドル集会

登録 : 2016.11.26 01:19 修正 : 2016.11.26 06:49

「在外同胞行動」26日に時局集会

今月26日、世界各国で開かれる予定の「朴槿恵退陣」のキャンドル集会を知らせるポスター//ハンギョレ新聞社

 26日、ソウル光化門(クァンファムン)で、朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を要求する5回目の大規模キャンドル集会が予定されている中、米国、欧州など世界各国でも海外同胞たちを中心にキャンドル集会が開かれる。

 

 「朴槿恵退陣と民主主義回復に向けた在外同胞行動」は26日、全世界23カ国67都市で在外同胞が、時局集会を開くと発表した。集会が開かれる場所は、米ワシントンのホワイトハウス前とフランス・パリのエッフェル塔付近をはじめ、米国のニューヨークやロサンゼルス、ヒューストン、ドイツのベルリンとフランクフルト、英国のロンドンとフランスのストラスブール、イタリアのローマ、ベルギーのブリュッセル、インドのデリー、日本の福岡、中国の深セン、カナダのオタワとトロント、オーストラリアのブリスベンとシドニーなどだ。海外同胞たちは同日発表した「朴槿恵ゲートに対する正しく迅速な審判を求める」との声明書で、朴大統領の辞任▽セウォル号事故当時の朴大統領の7時間を捜査できる独立した特別検事の保障▽セウォル号特別調査委員会の活動の再開▽朴大統領の拘束捜査を要求した。

 

今月26日、世界各国で開かれる予定の「朴槿恵退陣」のキャンドル集会を知らせるポスター//ハンギョレ新聞社

 これとともに、海外で活動している1006人の教授や学者たちも同日、朴大統領の即時辞任と国会による弾劾手続きの開始、朴大統領及び「共犯」に対する厳重な処罰を求める声明を発表した。

 

今月26日、世界23カ国67都市で「朴槿恵退陣」を求めるキャンドル集会を開く在外同胞行動のポスター//ハンギョレ新聞社

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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11月25日、淑明女子大学を皮切りに、  30日ソウル大学が同盟休校参加宣言  「講義室を蹴って街頭に出ます」

2016-11-23 | 韓国ハンギョレ新聞

「朴槿恵大統領退陣に向け、講義室を蹴って街頭へ」各大学で同盟休校宣言

登録 : 2016.11.23 00:17 修正 : 2016.11.23 05:57

 

 

 

 大学街では朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求める時局宣言が一気に吹き出したのに続き、ソウル大学と淑明女子大学の総学生会が同盟休校を決定した。25日の淑明女子大の同盟休校を皮切りに、30日にはソウル大が一緒に行う。一部の大学でも同盟休校を論議中であり、大学街の同盟休校が広がる見通しだ。

 

 

ソウル大学総学生会が22日午後、ソウル冠岳区にあるソウル大学本館前で記者会見を開き、30日の同盟休校を発表した//ハンギョレ新聞社

 ソウル大学総学生会は22日午後、ソウル冠岳区(クァンアクク)のソウル大学本館前で「朴槿恵政権の退陣に向けたソウル大学同盟休校宣言」記者会見を開き、「11月30日、同盟休校に参加する」と宣言した。

 

 ソウル大学総学生会は記者会見で「国政運営に対する5%の支持率と100万のキャンドル集会、朴槿恵の退陣を叫ぶ声があちこちで出てきているが、大統領はびくともしない」とし、「朴槿恵が自ら大統領職を手放さないと宣言した以上、朴槿恵を引きずりおろすことはもはや全ての民衆のただ一つの課題となった」と述べた。さらに、「ソウル大の学生も日常を止める動きに参加し、朴槿恵退陣を実践する」と宣言した。彼らは「ソウル大の教授会に30日に一緒に街頭に出ることを提案し、教授協議会と『民主化のための教授協議会』に同盟休校への参加を求める公文書を発送した」と付け加えた。同盟休校当日の30日、ソウル大学の学生たちは学内行進と同盟休校大会を行った後、学外行進などに合流する予定だ。

 

 ソウル大学総学生会は先月18日から同盟休校を発議するための署名運動を行い、約330人が参加したと伝えられた。ソウル大学の学生たちが同盟休校を決定したのは、2011年ソウル大学法人化法の破棄を要求する同盟休校宣言から5年ぶりだ。

 

 淑明女子大総学生会非常対策委員会(以下、淑明女子大非対委)も、25日に同盟休校に参加することを決定した。淑明女子大非対委は18日から21日まで在学生9401人を対象に同盟休校に対する賛否投票を実施した。投票には計4763人が参加し、4285人(91%)が賛成して同盟休校が決定された。淑明女子大非対委は「(朴槿恵大統領が)大韓民国の政治体系を自ら破壊し統治権を放棄した行為は、絶対に黙認されてはならず、糾弾を受けて当然だ」とし、「同盟休校を通じて、大韓民国の長い歴史が成し遂げた民主主義を取り戻す結果をもたらす」と話した。

 

 21日、全国110あまりの大学総学生会や大学生団体が集まった「全国大学生時局会議」が、ソウル鍾路区(チョンノグ)光化門(クァンファムン)広場で「全国大学生同盟休校提案!大学生総決起宣告式」を開き、25日の全国大学生総決起を予告している。学生たちは25日の同盟休校後、各学校のキャンパスで学内集会を開き、光化門広場で大学生総決起を進める計画だ。現在、同盟休校を論議中の大学は、高麗大学、国民大学、東国大学、釜山大学、聖公会大学、延世大学、韓国外語大学など9大学と伝えられている。

 

パク・スジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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これはひどい!「権力」とは、こういうものなのです。朴大統領が自ら辞退する意思がないことを明らかにした。

2016-11-21 | 韓国ハンギョレ新聞

大統領府「いっそのこと憲法手続きで議論に決着つけよう」…弾劾を要求

登録 : 2016.11.21 01:19 修正 : 2016.11.21 06:06

検察の発表を否定…「大統領の責任を判断できる手続き踏むべき」と逆攻勢

チョン・ヨングク大統領府報道官が今月20日午後、春秋館で「チェ・スンシルゲート」に対する検察の中間捜査結果発表と関連して立場を明らかにしている/聯合ニュース

 大統領府は20日、「チェ・スンシル国政壟断」事件に朴槿恵(パク・クネ)大統領が共謀したという検察の中間捜査結果発表と関連して、「特別捜査本部がまるで大統領が重大な犯罪でも犯したかのように主張した。検察の発表は甚だ遺憾である」と反発した。

 

 チョン・ヨングク大統領府報道官は同日午後のブリーフィングで、「捜査チームの発表は事実無根であり、客観的証拠を無視して、想像と推測で塗り固めた砂上の楼閣にすぎない」として、このように主張した。チョン報道官は特に「現段階での捜査チームの偏った主張だけにもとづいて不当な政治的攻勢が続くならば、国政の混乱が加重され、その被害は結局、私たち皆に降りかかることになる」としたうえで、「そうなった場合は、いっそのこと大統領の責任の有無を明確に判断する合法的な手続きによって一日も早くこの議論に決着がつくことを望む」と述べた。憲法に規定されたとおり、国会が大統領に対する弾劾訴追手続きを踏むことを求めているものと思われる。チョン報道官は「大統領はこれからも国政がおろそかにならないように、謙虚な姿勢で、力の限りを尽くす」と明らかにして、朴大統領が自ら辞退する意思がないことを重ねて明らかにした。

 

チェ・ヘジョン記者(お問い合わせ (お問い合わせ japan@hani.co.k)

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朴大統領のこのような態度は今月4日「必要なら、特検捜査も受け入れる」と公言したのとはかけ離れたものだ。

2016-11-16 | 韓国ハンギョレ新聞

誠実に調査受けると言っていた朴大統領「捜査サボタージュ」

登録 :  修正 : 2016.11.16

ユ・ヨンハ弁護士、16日の調査を拒否「捜査最小化して書面調査行うべき」 
20日に拘束満了する「チェ・スンシルの起訴状」に容疑の明示を阻止するためと見られる

朴槿恵大統領の弁護人のユ・ヨンハ弁護士が今月15日午後、ソウル瑞草洞のソウル高検前で記者団の質問を受けている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 大統領府が15日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弁護人に代表的な「院外朴槿惠派」として知られるユ・ヨンハ弁護士(54)を選任し、調査日程や方法、場所などを検察と原点から協議する方針を明らかにした。調査に向けた準備を理由に日程を最大限遅らせて、調査方式も可能な限り書面調査に制限するということだ。朴大統領が「検察の調査に誠実に臨む」と公言したにもかかわらず、検察調査を事実上無力化し、「時間稼ぎ」に乗り出したという批判の声があがっている。

 

 ユ・ヨンハ弁護士は同日、ソウル瑞草洞(ソチョドン)の検察庁社前で記者会見を開き、「大統領に対する明日(16日)の調査は不可能だ」と明らかにした。彼は「疑惑を整理して弁論を準備するに最小限の時間が必要だ」としたうえで、「今後、検察と調査日程と方法を協議して合理的に調査日程が調整されることを望む」と述べた。朴大統領に対する調査を遅らせて、今月20日に拘束期限が満了するチェ・スンシル氏の起訴状に朴大統領の容疑内容が明記されることを阻止するための「小細工」とみられる。

 

 ユ弁護士は大統領に対する調査そのものに否定的な姿勢を示した。彼は「大統領が任期中に捜査・裁判を受ければ、国政がマヒして国論が分裂するため、最小限の保護装置が必要だ」としながら、「原則的に大統領に対する捜査は不適切であり、本人同意の下に捜査を行うとしても、最小化する方法で調査すべきだと考える」と明らかにした。調査方法については「原則的に書面調査が望ましく、やむを得ず対面調査をしなければならない場合は、当然その回数を最小化すべきだ」と述べた。調査の時期も「チョン・ホソン元秘書官など関係者の調査を通じて事実関係をほとんど確定した後に大統領を調査するのが合理的だ」と主張した。朴大統領に対する調査に「最大限遅く、それもできるだけ書面で」協力するということだ。

 

 ユ弁護士の発表は、大統領府との調整を経たものとみられる。大統領府は、朴大統領の容疑が検察の調査を通じて公式化され、「朴大統領の退陣要求」が法的正当性を得られる状況を懸念している。検察の調査を最小化し、弾劾を進める政界の動きを可能な限り先延ばししようとする意図とみられる。しかし、朴大統領のこのような態度は今月4日「必要なら、私も検察調査に誠実に臨み、特検捜査も受け入れる」と公言したのとはかけ離れたものだ。

 

 野党は「調査を回避してチェ・スンシルとドアノブ3人衆など側近を守ろうとしている」(キ・ドンミン共に民主党院内報道官)、「証拠隠滅のための時間稼ぎと小細工」(ソン・クムジュ国民の党首席広報担当)と批判した。

 

 キム・スナム検察総長は同日、記者団に「現在の捜査状況に照らしてみれば、大統領に対する直接調査は避けられない。速やかに調査が行われるように最善を尽くす」としながらも、具体的な時期は言及しなかった。

 

チェ・ヘジョン、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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私が望む次の大統領。 政治、できなくてもいい。常識さえ守ってくれればいい。 で、 はじまる詩

2016-10-15 | 韓国ハンギョレ新聞

「次の大統領、人でありさえすればいい」…「ホームレス人文学者」の文が話題に

登録 : 2016.10.15 00:28 修正 : 2016.10.15 07:00

チェ・ジュンヨン作家=フェイスブックよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 「私が望む次の大統領、立派な大統領でなくてもいい。ただ、人であればいい。本当に、人でありさえすればいい」

 

 社会から疎外された弱者を対象に人文学の講義を行い「路傍の人文学者」、「乞食教授」、「ホームレス文学者」と呼ばれる作家のチェ・ジュンヨン氏が「私が望む次の大統領」というタイトルの文を掲載し、ネチズンの間で話題になっている。

 

 チェ・ジュンヨン氏は13日、自分のフェイスブックに「私が望む次の大統領、政治ができなくてもいい。常識さえ守ってくれればいい」、「農民の暮らしを保証しなくてもいい。殺したりさえしなければいい」、「側近の不正、根絶までは望んでもいない。独断専行と横暴さえ防げるならいい」という形が繰り返される詩の文体の書き込みを掲載した。

 

 チェ・ジュンヨン氏は雇用、教育、歴史などにも言及し、革新は望んでもいないから、どうかあるものだけでもいじらないでほしいという望みも書いた。さらに「結論は、立派な大統領でなくてもいい。ただ、人であればいい。本当に、人でありさえすればいい」という文章でまとめた。

 

 書き込みを読んだネチズンらは「(チェ氏が描写する)このような指導者を望む」、「人でありさえすればいいという、このような現実をどう理解すべきか」、「能力がちょっと劣っても正直で正道を歩むことを知る人、そうすれば良い人が集まります。大統領があれやこれや全部するわけでもないのに…」などの反応を示している。

 

 チェ・ジュンヨン氏は2000年に文化日報の新春文芸に登場した。2005年にホームレスの人々を対象に人文学講座を始めて以来、刑務所や大学、図書館、企業などで招待1位に選ばれる大衆の講演家だ。「チェ・ジュンヨンの本こだわり」、「欠乏を楽しめ」などの本も書いた。政府が政治的検閲をし創作支援対象から排除した文化・芸術人名簿である別名「大統領府ブラックリスト」の9473人にも含まれている。

 

以下は文章全文

 

私が望む次の大統領。

政治、できなくてもいい。常識さえ守ってくれればいい。

経済、わからなくてもいい。邪魔にさえならなければいい。

安保、わからなくてもいい。悪用さえしなければいい。

文化、隆盛しなくてもいい。いじりさえしなければいい。

外交、できなくてもいい。恥さらしの行いさえしなければいい。

 

雇用、増やさなくてもいい。あるものだけを守ればいい。

企業、支援しなくてもいい。「タカリ」さえしなければいい。

税金、削減してくれなくてもいい。無駄なところに使いさえしなければいい。

歴史、よくわからなくてもいい。画一化さえしなければいい。

科学、ノーベル賞取れなくてもいい。干渉さえしなければいい。

 

人権、伸ばそうとしなくてもいい。蹂躙さえしなければいい。

教育、革新できなくてもいい。差別なくご飯を食べさせてくれさえすればいい。

慰安婦、解決できなくてもいい。屈辱の合意などしなければいい。

市民社会、理解できなくてもいい。利敵団体とさえ見なければいい。

労働、関心なくてもいい。不法解雇などしなければいい。

農民、暮らしを保証しなくてもいい。殺しさえしなければいい。

 

公職綱紀、正しくできなくてもいい。引っ掻き回しさえさえしなければいい。

親戚姻戚の管理、ゆるくてもいい。横行さえしなければいい。

側近の不正、根絶までは望んでもいない。独断専行と横暴さえ防げたらいい。

人事、公平でなくてもいい。不正の百貨店でさえなければいい。

弁舌、流麗でなくてもいい。わかるように喋りさえすればいい。

 

結論。

立派な大統領でなくてもいい。ただ、人であればいい。本当に、人でありさえすればいい。

 


カン・ミンジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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全国的に通信量が増え、カカオトークのメッセンジャーも一時不通になった。

2016-09-13 | 韓国ハンギョレ新聞

韓国全土を揺るがせた「地震の恐怖」…月城原発は稼動中断

登録 : 2016.09.13 02:15 修正 : 2016.09.13 08:46

 

原発密集地の慶州で史上最大規模5.8の地震 

月城原発27キロ・古里原発50キロの距離 
済州からソウルまで揺れを感知 
驚いた市民ら、マンションから飛び出す 
ガラス窓割れ、携帯電話一時不通

12日、慶尚北道慶州で発生した地震で浦項迎日台海水浴場の海上楼閣の迎日台の入口の地面が3メートルほど裂けている。前日までなかった亀裂が生じていることが分かった/聯合ニュース

 12日、慶尚北道慶州(キョンジュ)の近くで気象庁観測以来最大規模のM5.8の地震が発生した。ソウルをはじめ大田(テジョ ン)、江原道の山間地域、済州(チェジュ)など韓国全土で揺れが感知された。慶州周辺は世界最大の原子力発電所密集地域であるため、住民の不安は一層大き い。韓国水力原子力は同日夜12時頃、マニュアルに従い慶州に近い月城(ウォルソン)原発1~4号機を手動停止したと明らかにした。しかし、新月城1~2 号機は月城1~4号機と敷地の特性が異なるため、手動停止せず正常稼動中だ。

 

 気象庁は12日「午後7時44分に規模5.1の地震が慶尚北道慶州市の南南西9キロの地点で発生したのに続き、午後8時32分に最初の震源から北西に1 キロ離れた場所で再び規模5.8の地震が発生した」と発表した。規模5.8の地震は、1978年から気象庁で公式に地震観測を開始して以来、最も大きな地 震だ。1978年の俗離山(ソクリサン)地震(5.2)と洪城(ホンソン)地震(5.0)が韓国の陸上で起きたそれぞれ2番目、3番目に大きな地震であ り、五臺山(オデサン)地震(2007年・規模4.8)、寧越(ヨンウォル)地震(1996年・規模4.5)が後に続く。

 

 今回の地震の震源地とされている慶州市内南(ネナム)面鳧池(ブジ)里は月城原発から27キロ、古里(コリ)原発から50キロの距離だ。最初の震源と2 度目の震源の距離は直線でわずか1.4キロ、震源の深さは15キロと把握された。最も強い地震の前後に夜12時現在、91回の余震が発生した。

 

12日午後、慶州で発生した地震で蔚山市中区のある住宅の瓦が崩れ、駐車中の車の上や道端に瓦の破片が落ちている=蔚山/聯合ニュース

 この日、慶州では住民がマンションの外に大勢飛び出し、携帯電話が不通となるなど混乱が続いた。この日の地震で東西発電所属の蔚山(ウルサン)LNG複 合火力4号機の稼動が自動停止し、5時間後に再稼動した。慶州市皇城(ファンソン)洞のあるマンションでは貯水タンクが破損し、城東(ソンドン)洞のマン ション団地などで商店街の建物の瓦が落ち、屋根や窓ガラスが破損されるなどの被害届けが相次いで寄せられた。釜山(プサン)地下鉄は1回目の地震時に5 分、2回目の地震時には2分間、運転が中断された。全国的に通信量が増え、カカオトークのメッセンジャーも一時不通になった。

 

 慶州、釜山、蔚山など震源地から近い大都市住民は、7月に発生した蔚山沖地震(規模5.0)に比べ、今回の振動が1~2秒ほど長く感じたと言い、不安に 震えた。イさん(38・釜山市金井(クムジョン)区長箭(チャンジョン)洞)は「5階建ての家に住んでいるが、家が揺れるのを感じて子どもを抱いてあわてて家の外へ出ようとした。7月に感じた揺れとそっくりに感じられてびっくりした」と話した。自営業のナムさん(39・釜山市南(ナム)区大淵(デヨン) 洞)も「マンションの38階に住んでいるが、頭の中が真っ白になり、子ども3人を抱きかかえて床にじっと伏せていた」と話した。中央災難安全対策本部はこ の日夜9時30分現在、地震の振動を感じたなどの119通報が3万7267件寄せられ、負傷者2人が発生したと明らかにした。一部の建物の軽い亀裂やテレ ビが倒れたなど34件が報告されたが、追加確認が必要な状況だと対策本部は付け加えた。

 

 気象庁はこの日のブリーフィングで「現在としては地震による津波の可能性は少なく、正確に予測するのは難しいが、さらに大きな規模の地震が発生する可能性は少ない」と述べた。今年に入り原発の密集地帯付近の地震は、7月5日夜の蔚山東方海域52キロの地点で起きた地震に次いで2度目だ。

 

 

イ・グンヨン先任記者、釜山/キム・ヨンドン、ウォン・ナクヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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米国との協調問題や韓国の情報レベルから  専門家、実現可能性を疑問視 軍事緊張を招くだけ

2016-09-12 | 韓国ハンギョレ新聞

韓国軍、「大量反撃報復」概念を電撃公開…実際の効果には疑問

登録 : 2016.09.11 23:35 修正 : 2016.09.12 06:51

 

指揮部直接狙い特殊部隊を運営するなど 
「兆候を捉えたら先制攻撃」概念を盛り込む 

米国との協調問題や韓国の情報レベルから 
専門家、実現可能性を疑問視 
「徒に北朝鮮を刺激し軍事緊張を招くだけ」

黄教安首相が11日午後、仁川広域市江華郡の海兵2師団砲兵中隊「自主砲隊」を訪問し、部隊を視察している/聯合ニュース

 韓国軍が北朝鮮の5回目の核実験に対する軍事的対応として「韓国型大量反撃報復作戦」(KMPR)を掲げたが、北朝鮮の核に対する抑止力としてどれほどの実効性を持つかについては、疑問視する声が多い。

 

 イム・ホヨン合同参謀本部戦略企画本部長が9日、記者団に直接説明した大量反撃報復とは「北朝鮮が核兵器で危害を加えた場合、北朝鮮の戦争指導本部を含 む指揮部を直接狙って反撃・報復する体系」だ。多量で精密打撃が可能なミサイルなどの攻撃戦力と同時に精鋭特殊作戦部隊なども運営される。この作戦概念は 「兆候」が捉えられ次第、攻撃を敢行するということから、「先制攻撃」概念が盛り込まれている。この大量反撃報復は「キルチェーン」(韓米連合先制打撃防 衛システム)型ミサイル防衛(KAMD)と共に、対北朝鮮抑止力の「3本柱」の一つとして紹介された。これは核兵器使用の兆候が捉えられた場合、金正恩 (キムジョンウン)労働党委員長をはじめとする北朝鮮指導部のある区域を直接狙い、ヒョンム(玄武)2(弾道ミサイル)、ヒョンム3(巡航ミサイル)ミサ イルで焦土化すると共に、専門特殊部隊を動員するという意味だ。

 

 これに対し、国防安保フォーラムのヤン・ウク首席研究委員は11日、「軍が公式に大量反撃報復作戦に言及したのは今回が初めて」として、「これまでの作 戦概念が守勢的なものに近かったとすれば、これは攻勢的な内容が含まれたものとみられる」と話した。さらに、「ただし、作戦概念が実効性を持つためには、 特殊戦司令部が陸軍だけに設置されているため、陸・海・空合同特殊戦組織を作る必要があり、浸透過程で利用する戦略資産を米軍に依存している限界も乗り越 えなければならない」と指摘した。

 

 しかし、この作戦概念が、昨年軍関係者が言及して波紋を呼んだいわゆる「斬首作戦」とあまり変わらないという指摘もある。北朝鮮を感情的に刺激し、南北間の軍事的緊張が高まる恐れがあるということだ。

 

 自主国防ネットワークのシン・インギュン代表は「北朝鮮指導部を目標とするという点で、韓国軍の意志を明確にすると同時に、国民の不安を解消する側面が ある」としながらも、「感情的な争いが相乗作用を起こし、軍事的緊張が高まる可能性もある」と指摘した。 さらに、「ただし、恐怖の均衡レベルからして、実際に衝突する可能性が高まるとは考えにくい」と付け加えた。

 

 作戦概念の設計における欠陥も指摘されている。軍事専門家のキム・ジョンデ正義党議員は「大量反撃報復という概念は、米国のアイゼンハワー時代からある もので、目新しいものではない。ただし、韓国型大量反撃報復の概念は、大量報復という目的と指導部を直接攻撃するという目標が矛盾する概念」だとして、 「指導部に対する報復が究極の目標なら『大量』ではなく『正確性』や『精密性』に重点が置かれなければならない」と話した。彼は「核実験の動向すら把握で きない韓国軍のレベルから見て、有事の際に指導部の位置の把握など、作戦が実行可能かどうかも疑わしい」と指摘した。

 

ハ・オヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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中米双方が互いのステップ車を:オバマ大統領は機体の下の非常用格納式ステップで降りました。

2016-09-08 | 韓国ハンギョレ新聞

中国G20、「オバマ冷遇」の真相は

登録 : 2016.09.07 02:05 修正 : 2016.09.07 07:54

 

儀式や警護、事前準備で整理がつかず混乱 
習近平、肝心の首脳会談ではオバマ「歓待」 
良い印象与えるため、杭州の交通状態など整え 

3日、主要20カ国(G20)首脳会議に向け中国杭州に到着したバラク・オバマ米大統領が飛行機から降りている=杭州/新華社、聯合ニュース

 中国・杭州で開かれた主要20カ国首脳会議(G20)2日目の5日、北京では外交部報道官の定例ブリーフィングがありました。毎日行われる行事ですが、この日最も多くの時間が割かれたテーマは、欧米メディアがすでに数多く報道した「オバマ冷遇」問題でした。

 

 華春瑩報道官の言葉です。「この2日間、米メディアがバラク・オバマ大統領の杭州空港到着当時、(中米)双方の実務者間で発生したエピソードを歪曲し、 さらに若干の推測と連想まで加えた。私が思うには、各メディアは「ファクト」を明確に知っていながらニュースを編集し、推測や連想を付け加える方法は職業 的でない。欧米の各メディアが傲慢で独善的という印象を与えるだけだ」

 

 振り返ってみます。オバマ大統領が搭乗した米国の「エアフォースワン」機が3日午後(現地時間)、杭州空港に到着しました。しかし、他国の首脳や首脳ク ラスに提供された移動式ステップがありませんでした。周知のとおり、オバマ大統領は機体の下の非常用格納式ステップで降りました。

 

 別途に車で運び飛行機につけるステップは、いわゆる「レッドカーペット」が敷かれていますが、機体付属のステップはただの鉄の塊です。機体のステップは 胴体の下側に付いているので、地面までの距離も短いのです。そのため、オバマ大統領は飛行機のドアから出て手を振り、レッドカーペットを踏んでゆっくり降 り、それを下にいる人々がじっくり見守るというプロセスがありませんでした。

 

 一方、他の首脳はすべて移動式ステップで杭州の地を踏みました。尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題や歴史問題、南シナ海問題などで衝突を繰り返している日 本の安倍晋三首相も、最近、高高度ミサイル防衛(THAAD)配備で緊張関係が形成された韓国の朴槿恵(パククネ)大統領も、中国が参加する原発建設計画 の取り消しにより関係がぎこちなくなった英国のテリーザ・メイ首相も、みなレッドカーペットの上を歩きました。米共和党大統領選候補のドナルド・トランプ 氏は、自分がそのような待遇を受けたら「友よ、私もあなたたちをとても尊重するが、ドアを閉めてください。早く出発しましょう」と言うだろうと述べまし た。

 

 その詳しい事情について、ニューヨークタイムズと香港のサウスチャイナ・モーニングポストが、それぞれ米国と中国当局者の話を引用して報道した記事が目 立ちます。まず米国側の話です。米国は大統領の外国歴訪時、常に自主的に専用の移動式ステップ車を持ち運ぶとのことです。今回の杭州でもこのステップ車を 使用する予定であり中国側も同意していたのですが、後に中国が態度を変え空港に用意されたステップ車を使うようにと指示したとのことです。しかし、米国側 はステップ車の中国人運転手が英語ができなかったため、ホワイトハウス関係者と基本的な意思疎通ができなかったとし、このような状況で車がエアフォースワ ンに接近することに難色を示しました。英語が可能な運転者を要求しましたが、中国は拒否したといいます。そこへエアフォースワンが着陸し、中国は一歩引い て米国にいつも持ち運んでいるステップ車を使うよう言いました。しかし米国側は計画を転換する時間が足りなかったとのことです。

 

 今度は中国側の話です。中国当局は、今回の首脳会議出席のために杭州を訪問したすべての首脳と首脳クラスの要人に移動式ステップ車を提供したと強調しま す。ただ米国だけが運転手に対する不満を示し、中国は運転手の横に通訳士を座らせると言いましたが、米国がそれすらも断ったということです。双方の話を総 合して整理すると、「オバマ大統領の杭州訪問を控え、儀式や警護など事前準備の段階で中米双方が互いのステップ車を使わなければならないと主張し、いざこ ざの途中でエアーフォースワンが到着し、議論が整理できていない状況で機体に付いている自分の階段を使った」といえるようです。

 

 実際考えてみれば、中国があえてあからさまにオバマ大統領を冷遇する理由はありません。オバマ大統領は到着後、習近平国家主席と首脳会談を持ち、そのと きの習主席の表情は、今回の首脳会議期間に会った他の誰との会談よりも明るく見えました。華春瑩報道官が言うとおり「来た方々はみな客人」だが、オバマ大 統領はその中でも特別な客人であることが明確になりました。

 

 中国はまた、今回の首脳会議を通じて、全世界に良い印象を与えるために非常に気を遣いました。当局は1~7日に休暇を実施し、杭州市内は閑散としてお り、普段は北京とともに全国1、2位を争う交通渋滞は完全に解消されました。近隣地域の工場稼動も中断し、空気もきれいにしました。新しい道路や歩道、よ く見える建物、貧困層の住居地域など都市のあちこちをきれいに新しく整えました。こんなにも美しく準備を整えたのに、全世界が注目する米大統領にわざと恥 をかかせたというのも説得力がないように思えます。

 

 オバマ大統領本人は、問題がこれ以上拡大解釈されないことを願うという立場を明らかにしましたが、全世界的に影響力の大きい欧米メディアがこの問題を集 中して報道し、首脳会議そのものよりは「ハプニング」に近いこの事件がさらに注目を浴びることになります。国際関係の専門家である時殷弘・人民大学教授は このように言います。「米国が大統領の外国訪問に関するすべてのセキュリティ問題を管理しようとするならば、それは正常な外交行為から外れている。そうし たとしても、中国現地の事情にはそぐわず、最善の結果を生み出すことはできないだろう」

 

 今回の事件を見ると、大きな行事を控えた中国も間違いなく緊張したようです。オバマ大統領の到着前、中国側のセキュリティ要員が空港で米国記者団や当局 者と衝突を起こしたとのこと。逆に欧米メディアも浮上する中国を見て常に敏感になっています。欧米メディアの見解にはいつもそのような緊張感がにじみ出て いるという話も時折出ます。中国と欧米がこのように緊張した状況で、中国を眺める私たちの見方ははたしてどうなのか、いろいろ考えさせられます。

 

杭州/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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韓国原発事情、「大田市民社会団体連帯会議」と「核のない社会のための大田共同行動」が要求!

2016-06-29 | 韓国ハンギョレ新聞

大都市で高レベル放射性廃棄物の実験 大田市民の不安高まる

登録 : 2016.06.28 23:01 修正 : 2016.06.29 06:35

使用済み核燃料使った実験 
大田原子力研究院が来年から実施 
地域NGO「大田市民の命を担保にした実験を中断せよ」 
原子力研究院「爆発などの危険性は高くない」

韓国原子力研究院の中にあるパイロプロセシング(乾式処理)の実験施設の様子=聯合ニュース

 来年から大田(テジョン)で高レベル放射性廃棄物の使用済み核燃料を用いた実験が行われることが知られ、市民の不安が高まっている。使用済み核燃料は、原子力発電などで使われた後に残った燃料を原子炉から取り出したもので、強い放射線と高い熱を放出しており、生命にも致命的な影響を及ぼす。大田地域の市民団体は、放射能漏れと爆発の危険性がある実験を都心で行うことに大きく反発している。

 

 「大田市民社会団体連帯会議」と「核のない社会のための大田共同行動」は28日、「安全性が問題視されている技術の研究が、最小限の検証もなく進められるのは問題だ。大田市民の命を担保にする使用済み核燃料の再処理実験とナトリウム冷却高速炉の開発を中断すること」を要求した。

 

 大田市儒城(ユソン)区徳津(トクジン)洞にある韓国原子力研究院は、来年から使用済み核燃料を再処理するためのパイロプロセシング(乾式再処理)の実験を行うと共に、再処理された核燃料を活用するナトリウム冷却高速炉の試験設備の開発も進める計画だ。この実験と開発は、使用済み核燃料の量を減らすこと を目的としている。

 

 パイロプロセシングは電気化学的な処理を通じて使用済み核燃料からウランを抽出する技術だ。使用済み核燃料の再処理に利用される通常の湿式再処理とは異なり、核兵器の主原料になる純粋なプルトニウムを抽出する可能性が低い。昨年11月25日に米国と締結した「韓米原子力新協定」で、使用済み核燃料を利用したパイロプロセシングの実験の前半過程を韓国で実行することが認められたことを受け、原子力研究院は来年から使用済み核燃料を利用したパイロプロセシングの実験を進める計画だ。原子力研究院は、2007年から模擬使用済み核燃料を使用して、パイロプロセシングの予行実験を行ってきた。

 

 現在、原子力研究院は地域の原子力発電所から運ばれてきた3トンほどの使用済み核燃料を保有しており、これを利用し、来年から実験を行う計画だ。

 

 大田市民社会団体連帯会議などは、「使用済み核燃料を直接使用するパイロプロセッシングの実験過程で、予期しない事故が発生した場合、都市全体に多大な危険をもたらしかねない」と警告した。

 

 しかし、原子力研究院側は、使用済み核燃料を使用して実験しても安定性には問題がないと主張している。原子力研究院核サイクルプロセス開発部のアン・ドヒ部長は、「使用済み核燃料は、最初は熱くても、10年ほど経過すると、放射性は高いものの発熱量が大幅に減った状態になる。一般的に思われているほど爆発の危険性が高くなく、完全に密閉された空間での実験するため、放射能漏れのリスクもほとんどない」と説明した。

 

 原子力研究院が進めているナトリウム冷却高速炉の開発も、安全性の問題を抱えている。ナトリウム冷却高速炉は、来年、特定設計認可手続きを経て2028 年に建設完了を目指している。大田市民社会団体連帯会議は「冷却材として使われるソディウム(ナトリウム)は、水や空気中の酸素と触れると爆発する性質があるため、『核災害』の潜在的な原因に挙げられている」と懸念を示した。

 

 これに対して原子力研究院ナトリウム冷却高速炉開発事業団のパク・ウォンソク団長は「ナトリウム冷却高速炉の最大の課題は、運転中に空気や水と触れないようにすることだ。この問題を解決するために、原子炉にナトリウムが入ると、周辺にコンパートメント構造を作成し、アルゴンで埋めてしまう。施設の開発が成功すれば、技術的にナトリウムが酸素に触れる確率はほとんどない」と説明した。

 

チェ・イェリン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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韓国では、このような報道が行われている。北朝鮮「中長距離戦略弾道ロケット火星10号成功」

2016-06-24 | 韓国ハンギョレ新聞

ムスダン、頂点高度1413.6キロ・飛翔400キロ

登録 : 2016.06.23 23:38 修正 : 2016.06.24 07:31

 

グアム米軍基地も射程内

北朝鮮が23日「中長距離戦略弾道ロケット火星10号」(ムスダンミサイル)の試 験発射写真を公開した。労働新聞は同日、「金正恩同志が地対地中長距離戦略弾道ロケット火星10号の試験発射を現地で指導した」として関連写真数十枚を公 開した。写真はミサイル発射の様子=聯合ニュース

北朝鮮「中長距離戦略弾道ロケット火星10号成功」
高角発射は弾頭再進入技術の保有を主張し

日本の反発を鎮める意図
金正恩が3月に指示した

「核弾頭爆発試験」には言及せず
韓国軍「エンジン技術は進展
再進入技術は未保有」と評価

 

 北朝鮮が23日、4月から失敗を続けてきた「中長距離戦略弾道ロケット火星10号」(ムスダンミサイルと推定)の試験発射に成功したと発表した。北朝鮮 の複数のメディアが6回目に「成功」した試験発射の結果を大々的に発表したことにより、これまで積み重ねられた疑問が一部解けた。北朝鮮の発表どおり、実 際に「発射成功」したのか韓米日各政府の暫定評価内容が微妙に食い違っている。

 

 まず北朝鮮は、試験発射に成功した対象を「地対地中長距離戦略弾道ロケット火星10号」と明らかにした。「ムスダンミサイル」を指すものと推定される。 ムスダンは米国の情報衛星が北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクド)舞水端里(ムスダンリ)でこのミサイルを初めて識別したことに由来するもので、北朝鮮が 定めた名称ではない。

 

 北朝鮮は「弾道ロケットの最大射程距離をシミュレートして、高角発射体制で進行」したとし、「頂点高度1413.6キロメートルまで上昇し、400キロ メートル前方の予定された目標水域に落弾」したと説明した。「高角発射」とは、正常軌道より高い角度でロケットと弾頭を分離させる方式だ。北朝鮮が頂点高 度を明らかにしたのは今回が初めてだが、高度1400キロメートル以上までミサイルが上がったなら、正常角度(45度)での射程距離3000~4000キ ロメートルのムスダンミサイルに見合うエンジン出力と専門家らは判断している。

 

 

朝鮮中央テレビは23日、前日の中長距離戦略弾道ロケット火星10号(ムスダン)の試験発射成功を主張し、関連した様々な場面を公開した。写真は金正恩労働党委員長がリ・ビョンチョル党中央委第1副部長と抱き合う様子=連合ニュース

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は「太平洋作戦地帯内の米軍を攻撃できる確実な能力を持つことになった」として、太平 洋のグアム米軍基地に対する打撃能力を確保したと主張した。グアムは火星10号が発射された江原道元山(ウォンサン)から3500キロメートル離れてい る。グアムの米軍基地は、沖縄の在日米軍基地とともに有事の際に朝鮮半島に増援戦力を展開する任務を遂行する。

 

 北朝鮮があえて技術的難易度の高い「高角発射」を選択した理由は、2通りあると思われる。第一に、「弾頭部の大気圏再進入技術確保」主張の実証が目的 だ。北朝鮮は「(ミサイル)再進入区間での弾頭部の耐熱特性と飛行安定性も検証」したと主張した。しかし、韓国の合同参謀本部関係者は「我々は北朝鮮が再 進入技術は保有できていないと判断している」として「弾道再進入の問題は追加的な分析と検証が必要だ」と述べた。第二に、「周辺国の安全」を考慮したとい う北朝鮮の主張に対する技術的根拠の提示だ。北朝鮮は「周辺国家の安全に些少な影響も与えずに成果的に進行」したと強調した。「日本の安全」を考慮したと いう主張だ。

 

 ただし、金正恩委員長が3月15日の「弾道ロケット大気圏再進入環境模擬試験」で指示した「核弾頭爆発試験と核弾頭の装着が可能な各種の弾道ロケット試 験発射」のうち「核弾頭爆発試験」は今回の発表では言及されなかった。慶南大極東問題研究所のキム・ドンヨプ教授は「『目標水域に落弾』という北朝鮮の発 表内容から見て、今回の発射では核弾頭爆発試験をしなかったか、あるいはしたが失敗した可能性がある」と指摘した。

 

 北朝鮮の「火星10号試験発射成功」の主張に対する韓米日政府の反応は微妙に食い違った。韓国軍当局は「エンジン性能の面で技術的進展があったと評価す る」としつつ、成功とは見難いと暫定評価した。合同参謀本部関係者はこの日、国防部定例ブリーフィングで「成功とは断言しがたい。最小射程距離(500キ ロメートル)以上を正常軌跡で飛翔するなど、実戦飛行能力が検証されなければならない」と述べた。反面、日本の萩生田光一・官房副長官はこの日、定例記者 会見で「(北朝鮮のミサイル)技術開発が進歩しているということは否定できない事実と見る。中距離弾道ミサイルとして一定の機能が見られたことは、日本の 安全保障に深刻な憂慮」と述べた。また米国のアシュトン・カーター国防長官は22日(現地時間)、「(成功可否を)評価できない」とし、ひとまず留保する 態度を見せた。

 

キム・ジンチョル、イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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