柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

効率

2020-06-07 09:55:28 | Weblog
効率おばけ、という表現を見たことがあります。費用対効果です端的には、数字に変えて比較して非難するあれです。効率至上主義です。効率のよくない(良い悪いではなく、あくまで比較対照して数字の低い)ことを排除する。私の業界で顕著です。予防予防と頻りに叫ぶでしょう?あれも費用対効果の産物なのです。例えば脳梗塞、病を得てからかかる医療費と予防(できたとしての仮定ですよあくまで。できはしない理想事です)に係る医療費、血圧や血中コレステロール値、糖尿病の管理や生活習慣の是正に係る費用とを比べるのです。すると後者の方が安くて済んだ。だから予防対策に舵を切ったのです。単純にかかった金額の差です。その人の経過や生活背景やそんな個人差は全く無視です。しかも比べる対象が向こうはかかった実費、こちらはあくまで仮定の費用。予防できなかったら重ねて支出することになるのにそういう想定は無視する。こんな比較です。コロナ禍のおかげで、現在進行中である医療資源(介護も含めて)削減施策への批判が今更のように沸き起こっています。つまり病床の削減、医療費の削減、それは看護婦はじめとした医療スタッフの削減です、医療自体が通常の業務でギリギリなのです。そこに今次のような災禍が降りかかるとすぐにパンクするわけです。病床に余裕がない、スタッフにも余裕がないから一人二人と抜けるだけですぐにパンクする。余分(の資金)をくれと言うているのではないのですが、平時にはじわじわ絞られても現場はそれに合わせて縮小していくかないわけです。百田尚樹が言う「茹で蛙」です。ベッドに余裕がないなんてどの口が言う?です我々から言わせれば。いざという時の為にベッドを空けておく、なんて余裕をもてるような収入ではないのですどの病院も。満床にしておかねば給料が払えない。そういう状況にさしてこの災害です。疑わしい人を特別の部屋やせめて個室に収容する余裕もない、空いている部屋に入れて院内感染起こす。東京大阪が実例を見せてくれてます。ここ何年かどんどん病床を減らしていこうとしているのが厚労省です。無駄をなくせ、社会的入院を減らせ、医療費の天井化を防げ。介護離職や孤独死やそういう社会問題を見て見ぬ振りしながら、現場はそういう会議ばかりです。先のことではなく、今現在介護を要する年寄りを抱えた中高年世代や彼らの扶養者やの暮らしを助ける方が大事でしょうに。と言うても、現場の役人たちはお上の施策を推し進めるのみです。
 効率の追求だけが方策ではないとは誰もが知るところです。物事のほんの一側面を採り上げて数字に表しているだけですがそれだけで科学・客観の衣をまとうのです、だから人は黙ってしまう。人の暮らしは数字にできないことの方が多いですし、物事は遊びを持たせて滑に回るのですが、感情論で物事は解決しないなんて反論が待ってます。一見無駄に見えるモノと本当に無駄なこととの見極めは確かに困難でしょうが、だからといって味噌糞に一緒くたにして断ずるは間違いでしょう。思えば小泉改革に緒を切られた社会保障費削減の流れです、「官から民へ」がいかに間違いだったか。やっとわかったか?天の声が聞こえそうですが、これが新自由主義、強欲資本主義、グローバリズムの弊害です。小さな政府指向の自己責任風潮。コロナ後の社会、と盛んに言われますが本当にグローバリズムから脱却できるならまだ長生きする楽しみもあるかなと思いますが。どうでしょうねぇ。
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