柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

シンボル

2008-12-23 08:28:32 | Weblog
トヨタの減益が話題です。世界一の自動車会社になったのがついこの前でしたから、このコントラストは確かに記事用の好餌ではあります。マスコミの常で、うまく行かなくなったら叩きます。拡張路線の誤りだとか思い上がりだとか。何~にを言うか、です。右肩あがりにガンガン行っているときには拍手の嵐、これでもかと褒めそやして、事実日本はトヨタはじめ自動車の輸出拡大で十分に潤っていたわけです、確かに予想もしない急ブレーキでしたが、落ちれば落ちたで誰の責任だ?って話になってます。アメリカ発の金融危機が実体経済に大きな影響を及ぼしている。しばらくどのTVでもこの話題に入る前に枕として振っていた文句です。つまり金融と(実体)経済とは別物なんですね、金融危機というものは普通は直接には実体経済には、つまり一般社会の景気やらには波及しないというのが業界の常識なんでしょうか。サブプライムローンの破綻した頃には、どの経済評論家達も日本は大丈夫って言ってました。基盤がしっかりしている、外貨はしっかり持っている、貯蓄額は半端じゃない等々、待てばいいんだ、どっしり構えていればいいなんてね。つまり景気が悪くなったりはしないだろう、一時的には落ち込むこともあるだろうが今までの日本の経験を生かせば(証券会社がいくつも倒れたり、保険会社や銀行が危なくなった際に公的資金の注ぎ込みしてきた経験です)対応できるはずだって。あくまで金融危機のレベルの話なんですね。それがあれよあれよという間に百年に一度の大恐慌って話になってます。派遣切りで象徴される解雇の嵐。正社員まで整理される事態です。大不況。実体経済が直撃されてます。経営建て直しには首切りが一番という、太古からの大原則は現代にもその第一条であると証明されています。資本主義が勃興して経営者の横暴が罷り通る、労働者はまさに使い捨てられていく、それに対する思想であったはずの(これは単に私の理解です、違っていたらすみません)マルクス主義であり、労働組合ですが、給料くれる会社がありゃこその組合です、ここの順番の歯がゆさはこれも古来の関係で、余程の大企業相手でなければ「抵抗」のしようがないところでしょう。派遣切りと正社員切りとはこれレベルが違いますね。もともと派遣社員というのはそういうことができる(都合が悪くなれば解雇できる)条件の立場です。役人が答えていたように違法じゃないんです、理由薄く解雇しても。正社員なら話は違います、労働者は法律でがっちり守られていますから。一緒くたにはできません。麻生さんが首切られた派遣社員に向かってしっかりやれなんて話してる報道がありました、しっかりやれじゃなくてこういう立場の人の今日の生活を守ってやれなんて非難が続いてました。確かにそういう人達を掬い上げる防護網、いわゆるところのセーフティーネットが文明国家福祉国家を名乗る以上は備えられねばなりませぬ。が、麻生さんが意図したかどうかはわかりませんが、労使関係というのは所詮そういうものでしょう、労働者がいなければ仕事は回りませぬが経営する側の段取りあればこその話です。経営者の事情に左右されるものです。セーフティーネットに乗っかる人が多すぎるような社会がおかしい、そういう制度自体がおかしいということにもなっていきますが、現況への具体的な対応と制度変更は必ず迅速に同時進行すべきことではあります。早く速くと麻生さん言っていたのになかなか前に進みません。だから落ちます支持率。景気浮揚策なんて簡単なものがあれば苦労しません、それはその通り。でも国民みんなが財布の紐締めました。金が世の中に回りません。こういうときに各自にばらまくが得策なのか、同額を市町村に回して医療介護含めたセーフティーネットの強化に回すが優先なのか。そういえば日曜朝の討論番組で民主党の藤井さんと公明党のバーコード坂口さんが言い合ってました、金のない人に一万何千円配っても人は使わない、財布にしまい込むのだそれが常識だと藤井さん、坂口さんは金がない人こそ使ってくれると譲りません。どちらでしょうね。どちらも間違いですよね、一万いくらもらっても何にもなりませぬ、日々の生活費ですわね。デパート行きましょうか、車買い換えましょうかなんて話じゃないです。二兆円です。分母大きく割るより、単価大きくすべきでしょうね。でも、それもこれもパパッとやってしまわないからあれこれ掣肘されるんです。配ってしまえばそれなりに結果が出たことなんです。やらない限り評価もできません。安物の会議に成り下がってます、正論に負けてます。急場の英断は平時の正論に優先する筈ですが、考える時間を与えると正論が必ず勝ちます。今がまさにその状態。何もできていません。と言ってる間にどんどん景気が悪くなる。誰もモノを買わなくなる。忘年会の中止はこんな片田舎でも普通の出来事です。トヨタをシンボルにして拡張路線を咎めたり、遡っての非難するのも「反省」という意味で認めもしましょうが、政府を叩いて先行きを嘆いて読み手の心を挫くような書き方ばかりでは景気は発揚しませぬ。大本営発表しなさいなんては言いませんが、もっと読み手がその気になるような言い方ないですかね。与謝野さんの、辛抱して我慢するのだというこれ以上暗くできないコメントで十分ですわ。そう思うことです。
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