柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

目標

2012-11-23 10:25:09 | Weblog
インフレターゲットを3%に設定しろ、建設国債を日銀が買って金融緩和しろ(貨幣を市場に出して、金回りをよくしろ)と安倍総裁のぶち上げです。日銀総裁はとんでもない!と目を三角にしています。戦後のあのインフレの時も1%程度だったのだと。この比較が正しいのかどうか知りませんがしかし、先に1%という目標を出して金融緩和して見せても株価や円高に全く影響与えず何の効果もなかったじゃないですか。ここのところの基準、線引きがよくわかりません。デフレとはお金が世間に回ってない、端々に届いてない(つまり私達の給料が増えるどころか減って行く)、だからモノを買わない、すると売れないから安売り合戦になる、安売り合戦になると同じ製品がコスト安く出来上がる外国製(中国韓国インドネシアバングラディシュ)に勝てない、日本企業が潰れていく、給料が下がる、職をなくすという悪循環をいう(デフレスパイラル)と理解してます。だから景気回復するには金回りをよくしなければならない、政府に金を貸して公共事業でテコ入れしろ、震災復興という大義があるじゃないかという理屈もわかり易いと思うのです。こんなデフレの時に増税なんてのは愚策中の愚策だという指摘は当たってると思うのです。モノを買うなと言ってるようなもんです。いよいよ安売り合戦に拍車がかかります。給料が上がる筈がないです。国の大借金をどうするんだ?という脅迫セリフはもう耳タコなのですが、これが狼少年の謂いにならねばいいがと一抹の不安がないではないですが、あれだけ多くの専門家が言い募ることであれば間違いでもないのでしょうがしかし、連中の言うようにはなかなか破綻しません。何故?という素朴且つ単純な疑問です。国債を日銀が買うなんてのはさらに借金を増やせと言ってることだ、どういう了見だ?とは野田さんやちびっこギャング安住さんの反論です。入るを図(量)りて、出るを抑える。経営の鉄則とは知ってます。プライマリーバランスをとれ、単純に歳入歳出の均衡をとれ、つまり歳入分だけの歳出にとどめよという理屈もわかっているつもりです。が、こんなデフレの不景気の極みの時期に、さらに歳出を減らしていけば(金を使わないでいれば)縮んでいくだけでしょうに。円高ですから外国製品は安く買えるんでしょうがそれは国民の給料には跳ね返りにくいですね、輸入業者貿易関係者は別にして。一億総中流という時代が確かにありました。今の中国のような怒涛の右肩上がりの時期が日本にもあったのです。働いたら働いただけ給料が増えて、家庭用電化製品が次々に現れてそれがそれぞれの家庭に収まって行く、需要と供給がマッチしている時代があったのです。それはそれより前が貧乏だったからの現象です。もちろん日本の(日本人の)技術力の高さがあればこその貿易立国だったのですが、国全体が貧乏であったという莫大な内需の潜在力(自慢できることではないのでしょうが)あらばこそのジャストマッチだったのも確かです。ですからあの時代のようにはいきません。あの大供給の末の現代なのです。供給しても供給しても尚もっともっとと需要が高まって行った時代の結果としての、過供給による購買意欲の減退、これが資本主義の最終形というか成熟形なのだと思います。子供が増えないのもこの流れだと思ってます。携帯に始まってスマホのタブレットのと、人の購買欲刺激法が今後どうなって行くのかは私のような凡には想像もつきませんが、資本主義が世界中の{弱い所」を食いつくして行くように(ユニクロの世界展開が象徴的と思います。「弱い所」で製品を安く作って、足りぬところに売りに行く、足りている所には次々に目先を変えていく。佐藤優がよく言うように、これは新帝国主義なんだと思います。昔の植民地政策と同根のもの)どこにもかしこにもモノが足りて、やがて止まりましょう。するとマルクスが予言したような終末がやってくるのでしょうか。えらく話が大きくなってすみません。日銀の総裁を決める際に、よく覚えてますが自民党の推薦した者をあの小沢さんが妙にしつこく反対して今の白川さんになったのでしたね。つまりはこの人は反公共事業派と言うべきか。反真水じゃぶじゃぶ派と言うべきか。言い方変えれば堅実、頑固。でももう10年20年も経済停滞が続いていること、デフレが一向に解消されないこと、ギリシャやイタリアのような経済破綻が起こらないこと(起こっちゃならぬのですが、そっち勢力の専門家達がいつも脅しますから)を鑑みれば、別の手だてを講ずる時ではないのでしょうか。いかがですか。
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