柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

度胸

2010-10-14 08:13:36 | Weblog
皇后様、結膜下出血だそうで、公務を差し控えられるとの報道です。咳喘息だという報道もありました。あれこれ並べられると心配になりますが、結膜下出血というのは眼球の「白目」の部分に出血するもので(出血といっても、目玉からポタポタ血がこぼれ落ちるのではありません、充血のひどいやつ、派手なやつです)見た目痛そうなのですが実は痛くもなんともなく本人が鏡を見てびっくりするというパターンが殆どです。特に治療を要さないものです。それをつかまえて専門家達がまたあれこれ言ってます、ストレスだのへちまだの。いや、ハードスケジュールであちこち飛び回っておられるのでしょうし、御休養を、という意見には賛成しますが、この程度のもので新聞記事にするのはいかがなものかと思うわけです。結膜下出血はありふれた病態です。咳喘息の方がお辛かろうと思うことです。
 専門家といえば、チリの落盤事故、まるでSF映画のような救出劇が続いています。奇跡と賞讃します。うむ、奇跡でしょうね。17日間も地上と連絡取れなかった、つまり上では全員死亡と諦めていたあの期間を思うとやはり奇跡でしょう。二次災害を顧みず掘る掘る。「専門家」達の反対がさぞや多かったでしょうね、危険だ!なんてね。かっこで括るのは皮肉の意味です。事件が起こると、関連したこと、何々に詳しいどこどこ大学の教授や准教授が仰々しく出てくるあれです。極限のストレス下に、トイレと居住スペースが分離できていたのが大きい。坑道を歩くことができたのが大きい。リーダーシップをとれる人物がいたのが大きい。酸素の供給や食べ物の供給、何より家族との連絡が取り続けられた事が大きい。あれこれしたり顔で言ってますし、新聞にも載ってますが、そんなことなら私にでも想像できることです。誰でもそれくらいのことは言えます。一体どこが専門家なんだ?というおそまつさです。いえ、大弁は訥なるがごとし、大白は辱なるがごとしと言います、フナ釣りに始まりフナ釣りに終わるとも言います、つまり熟練の士はまるで初心者然としているという真理です、熟練は基本に近づくという真理ですが、それでもこういうコメント聞くと、嗚呼、専門家ってそんなもん?とがっかりします。あらゆる幸運が重なって今回の救出劇だ、なんてまとめても、何よそれ?ですからね。いえ、具体的な成因を探すより何よりも、こうやって穴掘って助ける!と決めたトップの決断が第一の賞讃事でしょう。きっとあれこれ反対があったはずですよ、専門家達から。二次災害って奴です。掘っていったはいいが、崩落を助長させたら一巻の終わりだとかね。でもああやって掘らねば、その地点まで掘って進まねば助けられませんからね。人命尊重の度合いというかどちらが大切かという肚を見せてもらったようにも思います。こんな決定、きっと仙石さんやら菅さんにはできぬと思いますよ。頭でっかちにはこんな肚がないでしょう。この度胸に拍手。です。
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