ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

マカオでポルトガル料理とマカオ料理を楽しみたい

2017-05-31 00:00:00 | 旅(香港・マカオ・広州・深圳)

マカオが好きだというと、だいたい次のような顔をされるでしょう。

「ギャンブル依存症だろう」

いや、そんなことはありませんよ。私はギャンブルはしません。

すると、なまじマカオに詳しい人間は、なら夜遊び目的だろうくらいに考えるので始末に負えません。たしかにマカオの夜遊びというのはかなりのものですが(ただ昨今健全な街への移行を目指しているとかで、昔と比べるとおとなしくなってきている模様)、私は最近マカオでは泊まっていません。もちろん昼間でも遊べなくはないですが、それも目的ではない。

私がこの街を好きなのは、街の雰囲気が好きなのだというのは確かですが、そればかりでもありません。ずばり食い物です。

マカオは1999年12月までポルトガルが支配していました。ポルトガルは16世紀からマカオで利権を持っていましたが、1887年、正式にマカオを領土としたわけです。その後中華民国から中華人民共和国への移行を経て、1974年にポルトガルで左翼系のクーデターがあり、植民地解放が進められました。アフリカのアンゴラやモザンビーク、そして東南アジアの東ティモールなどもポルトガルの手から離れたわけです。当然ポルトガルは中国に対して「マカオを返還する」と申し出ましたが、中国側は「ちょっと待ってほしい」と回答しました。当時香港を英国から返してもらうために、中国はいろいろ作戦を練っている時期でしたから、マカオが前例となることを嫌ったのだと思われます。けっきょくとりあえずマカオは、ポルトガルが行政権を持つ地区という扱いになりました。中国領だがポルトガルが実効支配をしている地域というわけです。

1999年にマカオは中国に正式に返還されましたが、香港とくらべてろくに発展しなかったせいもあり、マカオは世界的に見てもかなり特異な文化の交差点みたいな地域になりました。これが現在、観光地として非常に役立っているわけです。世の中何が幸いするか分かりません。

話がくだくだしくなりましたが、このような歴史がマカオの食文化にも大きな影響を与えたわけです。つまりポルトガル料理に中国料理の影響は当然として、ほかにもアフリカやインド(ゴアは、196年までポルトガル領でした)の香辛料その他が影響を与え、75年に東ティモールがポルトガルの手を離れてからは、インドネシア方面の影響も大きく受けたわけです。もちろんそれ以前からも東南アジア方面からいろいろな影響がありました。これが「マカオ料理」というものです。

上で書いた75年の植民地解放の際、植民地に在住していたポルトガル人の中には、本国に帰還せず、マカオに行くことを選択した人たちもいたとのことです。彼(女)らがマカオにたどり着くことにより、さらにマカオ料理はさまざまな食文化や食材が重層に積み重なったということでしょう。

マカオ料理というのは、いわばフュージョン料理といえるでしょう。日本のようにカツレツをカツ丼やとんかつ定食のような日本料理に昇華させる国もありますが、マカオはポルトガル料理の味をかなり強くしていった過程かもと考えます。味はかなり濃いので、あっさり目の味が好きな方はちょっと・・・かもですが、しかしレベルは中華圏なので基本的に高いわけです。そしてありがたいことに、マカオが大観光地になったことで、ポルトガルからもまた商売になると本格的なポルトガル料理の店が進出してきたということです。ポルトガルから中国に返還されてすでに18年目ですが、しかしやはりポルトガルの雰囲気や文化を楽しめるのがマカオのとりえなわけで、これで本格的なポルトガル料理を楽しめればこんなにいい話はないわけです。もっともマカオでは、ポルトガル料理の看板をしょっていても、実際にはかなりマカオ料理の影響を受けた料理、あるいはマカオ料理のメニューが出されるといいます。商売をしていれば、そういう風になるのでしょう。

では当方がマカオで食べたことのある料理で、写真が残っているものをいくつか読者の皆様にご紹介します。

写真が悪くてすみません。以上2006年の旅行より。

「ソルマー」で食べた2009年のアフリカン・チキンです。

2009年の違う旅行で食べたチキンカレーです。

タラのコロッケです。

前にも食べた「ソルマー」のミンチと目玉焼きとご飯です。2015年の旅より。

どれも味が濃厚そうですね。

下川裕治氏の本

週末香港 マカオでちょっとエキゾチック (朝日文庫)

(個人的には、この本は大変面白く読めました)によると、マカオが大変経済的によいので、香港の優秀な料理人がマカオに移るという傾向があるとのこと。個人的には、現段階マカオで中国料理を食べたいとは思いませんが、これからはそんなことも言っていられなくなるかもです。

実は仕事を完全リタイアしたら、ミャンマーに数年暮らして、それ以降は世界を3か月ごとに移り住むという計画を立てています。ラストがライプツィヒで、そこの生活を切り上げたら日本に帰国して、このブログも終了します。まだ先の話です。マカオにも、しばらく暮らしたいと考えます。

そういうわけで、今回のマカオ滞在は半日でしかありませんが、マカオ料理と(マカオ風?)ポルトガル料理を楽しんできます。写真をご紹介しますのでお楽しみに。

コメント
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