拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

感謝の言葉をバラの騎士の歌詞で

2016-07-04 10:01:41 | 音楽
一週間前に音源をアップした私の「ジークリンデ」をほめていただいて夢のような私の気持ちをゾフィーの歌詞で表すと「Ist ein Traum,kann nicht wirklich sein」(夢のよう、ほんとかしらん)。ほめて下さった方への感謝の気持ちをオクタヴィアンの歌詞で表すと「Wie gut Sie ist」(なんていい人なんだろう)。この「Sie ist」、「Du bist」でも「Sie sind」でもない三人称単数は、しかしここでは二人称だ。日本語でも目の前の相手を呼ぶとき「かのじょー」「かれしー」と言うことがある。え?そんなの聞いたことがないって?40年前、職場の課長さんがよく言ってた。ちなみに、当時は、「コピーをとる」を「ゼロックス」をとるとも言ってた。代表的な商品名がそのまま全体を表す言葉になった例で、「亀の子たわし」がたわし全般を表すようになったのと同じ。で、「かのじょー」「かれしー」はバラの騎士のテキストの至る所に登場する。因みに、先に引用した「Wie gut Sie ist」は、年上の元帥夫人(って言うくらいだから亭主持ち)とティーンエイジャーのゾフィーの間で、「ぼくちんどうしていいか分からない」と立ち往生するオクタヴィアンを見かねて、夫人がゾフィーと話をつけてくれたんで感謝して言う台詞。元帥夫人とオクタヴィアンは最初から「彼女」「彼」で話していたわけではない。オペラの冒頭、情事が終わった直後のシーンでは「Wie du warst!wie du bist!Das weiss niemand」(君がどんなだったか、で、今どんなか、(僕以外は)誰も知らない」と言ってるように「Du」を使ってる。それが、新しい彼女ができたんで「Sie」になるあたりはなんとも節操がないが、でもいいのだ。元帥夫人にだってすぐ別の若いツバメが現れるんだろうから(実際、上記の情事の後の会話のなかで、「einmal」(以前)と口走り、逆上したオクタヴィアンは「Was war einmal?」(「以前」ってなんのことさっ?)と詰め寄ったものだ)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿