拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

葛飾

2023-01-13 09:17:54 | 言葉

「英雄達の選択」で森鴎外を特集していた。森鴎外の人となりが分かるいい番組だったが、鴎外を追いかけて日本まで来たドイツ人の彼女のことが全く紹介されなかったことが悔やまれる。かように、「歴史」は客観でなく主観である。すなわち、数多ある歴史上の事実の取捨選択には編者の主観が入る。件のドイツ人彼女との件は、番組のディレクターにとっては不要な事実であり、視聴者のワタクシにとっては必須の事実である(「ドイツ人彼女」に類した話題は、合唱団の反省会においても、ワタクシにとって必須の事実である)。

本題に入る前に、前提として以下のことをおさえておきたい。プータローになる前、仕事で昔の戸籍を見ることが多かったが、本籍地の「○葛飾郡」の次に現在の千葉、茨城、埼玉の町村名が続く例をよく見た。そう、古く「葛飾」は、北総、常陸、武蔵の一部を包括していたのである。以下、「葛飾区」と書かずにただ「葛飾」と書いた場合は、包括的意味であると心得ておかれたい(なぜか、今回は文体が真面目。森鴎外が乗り移ったのだろうか。ふと宇能鴻一郎が湧いてきて「あたしったら」と書きたい虫がうずいてくるが封印しよう)。

ということで本題。私が、食べ物の「くず」(「くずきり」の「くず」)を「葛」と書くことを知ったのはつい最近である。そうか、葛飾ではくずがたくさんとれたんだな、と思う私は「浅知恵」の塊である。葛飾という地名の由来は、葛飾区のホームページに書いてあった。すなわち、「かつ」は丘や崖を指し「しか」は砂州などの低地を指すところ、旧葛飾郡を流れる利根川の左岸に台地が広がり右岸に低地が広がるところから「かつしか」と呼ばれるようになった、ということである。因みに、食べ物の「葛(くず)」の名前の由来は、もともとの日本語が「くず」であり、「葛」は中国名だそうだ。

そう言えば、ウチにくずきりがあった。

以前の朝ラーメンは、朝うどんに代わり、この年末年始は餅に代えて雑煮にしていたが、餅の代わりにくずきりを入れよう。

なかなかの弾力性。ほとんど歯でかみ切れない。後は胃酸に任せよう。因みに、くずきりを買ったきっかけは、P合唱団の練習後の反省会で、最初に必ずくずきりサラダを注文していて(最近、おじゃましているOという合唱団の反省会では、最後に必ず皿うどんを注文する)、それを家でも食してみたかったのである。ってことは、買ったのは30年前か。まあ、こんなものには賞味期限もへったくれもないから(ホントはあるらしいが)、へっちゃらである。

葛飾談義おまけその1。サラリーマンだった頃の私の住所は「葛飾区柴又」だった。かように、寅さんが口上で述べる「葛飾柴又」は架空の地名ではない。

葛飾談義おまけその2。え?もしかして葛飾北斎は葛飾出身?当たりであった。因みに、レオナルド・ダ・ヴィンチはヴィンチ村出身だし、ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナはパレストリーナ村出身だし、焼津の半次は焼津の出身である(だが、半次を演じた名優・品川隆二は、品川出身ではない(山梨出身である))。以上の例とは異なり、ジョスカン・デ・プレの「プレ」は特定の地名ではなく、「大草原(プレーリー)の小さな家」の「プレーリー」と同様、「草原」「牧場」の意味である。ジョスカン・デ・プレが「牧場のジョスカン」と呼ばれる所以である(ホントにそう呼ばれてたっけ?と思ってググってみた。ほら、ヒットしたぞ。と思ったら、当ブログだった)。


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