拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ソーラ、アッバンドナータ

2012-04-20 23:55:45 | インポート
その第2回ウィーン国立歌劇場引越公演で、最高に良かったのがシノーポリが指揮したマノン・レスコー(プッチーニ)。前奏曲の出だしからして違いました((速く)ソドソソソーソファミファレミミミー。レソ(オクターブ下がって)ソソソーシドシドミソソソー)。オーケストラが躍動。端から端まで沸き立つように鳴ってました。それまでの三演目とは別のオーケストラみたいだった。ベルリン・フィルは指揮者がへぼでもそこそこの演奏をするが、ウィーン・フィルは指揮者がへぼだと(やる気なくして)めろめろになる、と誰かが言ってたっけ。逆に気合いが入るとすごいです。第2幕の幕じりもすごかった。デ・グリュー(歌ったのはドヴォルスキー)が「アーア、マーノンッ」と絶叫するとものすごいアッチェレランドがかかって急速に終わります。しかもマノンを歌ったのが絶頂期にあったミレッラ・フレーニ(パヴァロッティとは幼なじみで、男女のむにゃむにゃ以外は何でもやった仲だとか。で、二人とも、それぞれのパートで絶頂を極めました。)。フレーニが圧巻だったのは、第4幕。あてもなく砂漠をさまよいながら「ソーラ、アッバンドナータ」(一人、捨て去られた)と切々に歌いました。イタリア・オペラでは、椿姫でも「ソーラ、アッバンドナータ」が出てきます。が、椿姫が捨て去られたのはパリの都。マノンは砂漠です。私は、日本で「ソーラ、アッバンドナータ」とよくつぶやいてます。シノーポリのマノン・レスコーは、CDで聴くことができます。歌手はフレーニとドミンゴ。これは名盤!シノーポリのマノン・レスコーは映像もあって(私はレーザーディスクで持ってますが、DVDになってるんでしょうかね。)、ところがフレーニでなくてキリ・テ・カナワ。たいそう人気があった歌手ですが。私的にはどうも・・今大人気のルネ・フレミングはテ・カナワと似てるかな。クリーミー・ヴォイスということで。私、ポップやグルベローヴァのような声が好きなもんで。