拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

バラの騎士の歌手の組合せ 2×2×2

2012-04-19 18:18:54 | インポート
ギネス・ジョーンズがイゾルデを歌ったウィーン国立歌劇場の第2回の引越公演のトリスタン以外の演目は、バラの騎士、フィガロの結婚、それにマノン・レスコー。フィガロの結婚はダブル・キャストで、伯爵夫人はヤノヴィッツとモルトヴェアヌ、スザンナは、バーバラ・ヘンドリクスとヨアンナ・ボロウスカ。で、私が聴きに行った公演(知り合いのオペラ愛好家が飛車角落ちと称した)は、モルトヴェアヌとボロウスカで、二重唱がユニゾンになったという(考えようによっちゃ)貴重な演奏。飛車角が揃った方は、NHKが録画して放送しました。前回も同じ演目を放送してまたかいな(しかも、今回はさほどのものではないのに。)。二匹目のどじょうを狙ったか。そんでいて、数年後の空前絶後のミュンヘンオペラのマイスタージンガーは放送せず。某評論家が、公共放送の役割を放棄した、と怒ってました(でも、ポップのアラベラは放送した。)。ウィーン国立歌劇場の第2回の引越公演の話に戻って。バラの騎士、私、超期待していきました。なんてったって、ウィーンが舞台のお話をウィーンのオペラハウスがやるってんだから。指揮はペーター・シュナイダー。この方も期待できた。その当時、バイロイトで指輪を振ってた方だから(そのプロダクション、最初の年はショルティだったんだけど、降りちゃって。2年目以降はシュナイダーで。ジークフリート以外はとてもよい、という評価でした。ブリュンヒルデはかのベーレンス!)。ところが、最初の前奏曲が始まって(例の、17歳の男の子が32歳の元帥夫人に挑む(何を?)様を音楽が表現する。シー#ソ・#ド・シー、ミ#ファ#ソーとホルンが咆哮して始まる。)、あれえー。なんだか官能的でない・・ゾフィー(パトリシア・ワイズ)の声も暗いなー・・となんとなく消化不良で迎えた最後の三重唱、泣けました。かの吉田秀和大先生が、この時の評で、演奏は最上級ではないけれど、お行きなさいと奨める。音楽が極上だから。天啓を受けたような音楽・・と書いてらしたとおり。このキャストもダブル・キャスト。元帥夫人はヤノヴィッツとヨハンナ・マイヤー(ジョーンズとダブルキャストでイゾルデを歌った。)。オクタヴィアンはウーテ・ヴァルターとトゥルデリーゼ・シュミット。ゾフィーはパトリシア・ワイズとヘンドリクス。組合せは、2×2×2で8通り。私、ヘンドリクスとシュミットが聴きたくて、結局3回行った。1回目(初日)は、ヤノヴィッツ、ヴァルター、ワイズ(上記の公演)。2回目はマイヤー、ヴァルター、ヘンドリクス(マイヤーの声はさすがにイゾルデを歌うだけあってでかく、逆にヘンドリクスのゾフィーは全然聞こえなかった。)。3回目はヤノヴィッツ、シュミット、ワイズでこれがベストでした。ちなみに、こんときのバラの騎士の出演者が写真週刊誌フォーカスに載って。その中に端役で出演された若き佐々木典子さんがいて、ヤノヴィッツ等の横綱、大関にまざって写ってるみたいな文章が付いてました。その佐々木典子さん、いまや大御所。NHKのニュー・イヤー・オペラにも出演されてます。