拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

楽友協会、フライパン、ヴァイオリン

2012-04-27 21:15:28 | インポート
以前、ウィーン楽友協会の原語である「Wiener Musikverein」を直訳すると、「ウィーン音楽協会」になる、という記事をアップしましたが、同協会の正式名称は、「Die Gesellschaft der Musikfreunde in Wien」だそうで、これだと、なるほど、ウィーンの音楽の友(雑誌の名前みたい)の協会、となり、「音楽の友」=「楽友」であれば(これは確立した短縮語だろうか?)、楽友協会となります。話は代わって。テレビで、ダイアモンドコーティングのフライパンの宣伝をしてて、タレントの皆さんが金属ベラでがしがしやって(これ、すごいインパクトあった)、で、大丈夫だって私、結構、調理器具にそそられる。で、ネットで調べてみたら、あれーーー?発売元さんは金属ベラを使うなと言ってるぞじゃあ、現物見て確かめようとホームセンターに行ったら、やれセラブリッドだあ、やれマーブルコーティングだあ、みんなよさそう。結局購買意欲減退して何も買わずに帰りました。選択肢が多すぎるとこうなる。これってぇのが一つだけだと迷いません。「吾輩は猫である」で、吾輩の飼い主のくしゃみ先生の弟子が、店につるしてあったヴァイオリンがどうしても欲しくなって、でも明治時代の田舎でヴァイオリンを買うのはものすごく勇気がいる、ある日一念発起して買いに行った、って話をするくだりがあります。この場合、店につるしてある一丁のヴァイオリンということで他に選択肢がなく、気持ちがそれに集中したのでしょう。

ストゥーダーと中年の星

2012-04-27 18:07:11 | インポート
で、ロッシーニのランスへの旅のDVDを引っ張り出してきて視聴。随分前にWOWOWで放送したアバド=ベルリン・フィルの演奏会形式のやつ(1992年)。いつ見てもおもろい!マテウッツィのハイEは、今更ながらすごいですが、やっぱり舞台で存在感があるのがチェリル・ストゥーダー(ドイツ語読みだとシュトゥーダーですが、アメリカ人だから。だけど、ご本人はドイツ語が好きらしく、日本ではインタビューの時、ドイツ語をリクエストしたらしい。かのバルツァもギリシャ人だからバルトザが正しいんだけど、ご本人が「バルツァ」を気に入っていたとか。)。ストゥーダーがブレイクしたのはこの舞台の約10年前。バイロイトの代役でした。1980年台の前半、タンホイザーで、当初、かのルネ・コロとベニャチコヴァーが予定されていたのが、二人ともキャンセルして、で、グルベローヴァと同じスロバキア・ヴォイス(つまり、いい声)のベニャチコヴァーの代わりに歌ったのがストゥーダーだったのでした。FMで聴いたのですが、ビブラートのないまっすぐな透き通った声で、高音もよく響いてとても良かった。ヤノヴィッツの声を柔らかくしたような感じで。ドイツオペラもイタリアオペラも歌えるんでいろんな指揮者から引っ張りだこになって。この人がジークリンデを歌ってるハイティンク指揮のヴァルキューレのCDは、私のおきにの一つです。どっかで、そのバイロイトのタンホイザーの練習風景のビデオをみたとき、普通、舞台で見る以上に体格がご立派だったのが印象的でした。で、ルネ・コロ(コロは、このキャンセル以降、バイロイトとは決別した模様。)の代役に立ったのがリチャード・ヴァーサル。ビジネスマンを経て、かなりお年を召してからオペラ歌手になったという中年の星!細くて(悪い意味じゃない)よく通る声で、高音も無理がなく、とっても良かった。バイロイトの日本での引越公演のとき、シノーポリ指揮でこのコンビでしたが、それとは別に二期会がタンホイザーやったときも、ヴァーサルがタイトルロールを歌いました。