令和6年4月25日(木)に許状式をしました。
この度はIさんとAYさんが大円真と正引次の許状を目出度く拝受しました。
許状式では暁庵が坐忘斎お家元の代理として許状を差し上げるので、いつも緊張感を持って臨みます。
前日に許状を読み上げる練習をしますが、難しい字や言い回しがあり、何度も声を出して練習をします。当日、なんとか読み上げ、そして嬉しく、IさんとAYさんへ大円真と正引次の許状をお渡ししました。
誠におめでとうございます!
S先生の東京教室で共に研鑽に励んでいるIRさまと社中KRさんに立会人として参加して頂きました。
暁庵が大円真の点前をして引次をしなくてはならないのですが、今回は暁庵に代わりIRさまに是非お点前を・・・とお願いしました。
S先生の東京教室で拝見するIRさまのお点前が素晴らしくって、いつも感動しながら拝見しています。そのお点前を是非生徒さんに見てもらいたいと思いました・・・急なお願いにもかかわらず快諾して頂き、本当に有難かったです。
いつものように床に利休居士の画像の御軸を掛けました。今年4月19日に101才を迎えられた鵬雲斎大宗匠の素晴らしい賛があります。
今日親聞獅子吼
他時定作鳳凰兒 宗室(花押)
読み下しは、
今日(こんにち)親シク獅子吼(ししく)ヲ聞ク
他時(たじ)定メテ鳳凰ノ兒(ほうおうのこ)ト作(な)ル
大宗匠の賛の意味することは奥が深く、お話ししたいことが許状式のたびに違って来るのですが、今回は私の方からお二人にお尋ねしたいと思いました。
「今日、どのような獅子吼(仏の教え、つまり茶の教え)が聞こえましたか?」
「いつか(近い将来でも)、どのようなお茶の目標を持っていますか? またはお茶についてどんなことを考えていますか?」・・・と。
(鳴子百合と曙椿)
許状をお渡しした後に、立会人のIさまとKRさんからお祝いのお言葉やご自身の経験談を、IさんとAYさんから御礼や感想などをお話して頂きました。
許状を頂くことは生徒さんの茶の道の道しるべとなりますが、生徒さんのお話を聞きながら大円真などの奥伝をしっかりお教えしなくては・・・と、暁庵にとっても身が引き締まる許状式となりました。
許状式が終わり、台子初炭手前を社中KRさんがつとめました。
KRさんは入門して1年ですが、茶名をお持ちで准教授を目指して修練していらっしゃいます。きっと許状式での炭手前は緊張の中にも何かを得てくださったことでしょう・・・。
昼食後、IさんとAYさんが席入りし、まずは主菓子を食べて頂きました。
主菓子7種は、薯蕷「栗」、金団「春の海」、雪平「鼓(つづみ)」、練切「花水木」、餅「くるみゆべし」、「煮物」(ピリ辛蒟蒻)、水菓子(春イチゴ)です。
いよいよ襖が静かに開けられ総礼、大円真の点前が始まりました。
IRさまが緊張感に満ちた素晴らしい大円真のお点前で濃茶を天目茶碗に練ってくださり、IさんとAYさんで頂戴しました。
目出度き日の濃茶は「延年の昔」(星野園詰)です。
別室でIRさまとKRさんに主菓子と濃茶を2碗練って差し上げ、お点前の労をねぎらいます。ありがとうございました・・・
(薄茶は花月で・・・)
薄茶は全員参加で台子の花月です。
最初に月が当たり、ちょっぴり安堵しながら頂戴した薄茶がとても美味しく喉を潤してくれました。
こうして緊張の中にも許状式が無事に和やかに終わり安堵しています・・・。
後日、皆さまからメールを頂戴し、嬉しく拝読しました。AYさんのメールを記念に掲載させて頂きます。
AYさんより
25日はお忙しい中、許状式をお執り行い下さり、ありがとうございました。
皆様の大変貴重なお話をお聴きし、私の最初のお茶事に暁庵先生が「白珪尚可磨」の軸を選んでくださったことを思い出しました。
昨日、初めてトレイルランニングのレースに出ておりました。山あり谷あり、沢あり、靴は泥まみれでゴールを目指しておりました。とりあえずゴールはできましたが、練習不足と経験不足もありまして、とても速いとは言えないタイムでした。
山に例えるのも少し違うかもしれませんが、茶道の道もお稽古でも小習から始まり四ヶ伝、奥伝と難しいお稽古もあり、花月やお茶事と学ぶことはたくさんあり、茶道の道も山あり谷あり時には大変険しい道であり、努力に努力を重ねなければ次の許状には辿りつけないんだと思いました。
最近、袱紗の扱いについて先生に指導を頂く機会があり今だからこそ基本に戻り、今までの自分を見直し、綺麗なお点前を習得し体に染み込ませ、日々努力をしていきたいと思います。
I様のお点前を拝見させていただき、心のこもった、頭の先から手の先まで神経をとがらせた所作を見て、これまでの修練を重ねてきたことがみえる素晴らしいお点前でした。
私もI様のようなお点前ができる日が来るのかわかりませんが、「白珪尚可磨」の言葉を胸にお稽古に励みたいと思います。
今回、I様と許状式ができ、大変嬉しく思いました。一人ではなく切磋琢磨できるお仲間とご一緒させて頂き、今後も頑張れる気がします。
先生を始め皆様に支えられながらここまで頑張れたと思います。皆様の背中を追いかけながら追いつくことは難しいと思いますが、日々お稽古に励みたいと思います。
御礼が、大変遅くなり申し訳ありません。
今後とも宜しくお願い致します。 AYより