暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

水無月の教室だより・・・大円草

2016年06月23日 | 暁庵の裏千家茶道教室



その日は、YさんとFさんのお稽古でした。
Yさんに許状が届いたので、大円草の稽古をしました。

大円草と書いてだいえんのそうと読みます。
今まで大円之草と書いていましたが、許状を拝見して間違いに気が付きました。
大円真(だいえんのしん)も同様でして、謹んで訂正いたします。 

茶道大辞典(淡交社)より
大円草(だいえんのそう)
  裏千家の相伝種目の一課目。十三代圓能斎が考案。
  大円盆に名物の唐物茶入、和物名物茶入をのせ、天目茶碗に茶巾、茶筅、茶杓を
  仕組んで両種の濃茶を客に呈す式。格は行之行台子と同じ。

大円真(だいえんのしん)
  裏千家の相伝種目の一課目。十三代圓能斎が考案。
  台子の上に茶入をのせた大円盆・天目茶碗・茶杓を荘り付けてはじめる点前。
  格は真之行台子と同じであるが、奥秘十二段の外である。


山百合(神奈川県の県花、季節の花300)
6月30日の誕生花、花言葉は「威厳、甘美」

前にも書きましたが、大円草って他とはちょっと違う不思議な点前です。
何が不思議か(暁庵にとって)というと、
最初の建水の持ち出し方、柄杓を二度に引いて蓋置で構えるところ、
さらに風炉では蓋置と柄杓の仮置きがあります。
相伝種目の中で台子を使わず、大円盆を茶点盆として使うこと。
和物名物茶入を使う点前は大円草だけなこと。

それから、濃茶点前や四ヶ伝・唐物で学んできた唐物茶入と和物茶入の扱い、
台天目で学んだ天目茶碗や天目台の扱い、盆点で学んだ盆の扱いなどが含まれ、
今までの総集編として考えられた点前・・・と理解しています。

「先生、どうしてこのような点前が考案されたのでしょうか?」
と生徒さんに尋ねられても困りますが・・・
「それは考案された圓能斎にお尋ねするしかわからないのですが、
自分で一つずつ丁寧に点前の意味を考えながらお稽古していくと、
わからなかったことがだんだんわかってくる実感(快感)を覚える点前だと思いますよ」


翁草(花のあと、季節の花300)

初めて挑戦されたYさん、四ヶ伝の所作をきちんと習得されているのでスムースに出来たように思いました。
少しずつ名物の唐物茶入や和物茶入の名前や伝来を覚えて、それらを扱っている意識を持つと、
さらに大円草が愉しくなることでしょう。
暁庵も茶道点前の三要素が身につくよう、大円草をもっとお稽古しなくっちゃ・・・ですが、
先ずは29日の許状式(引次)のために行之行を頑張らねば・・・です。  


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