暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

茶籠  茶碗の仕覆

2011年03月23日 | 茶道具
茶籠に入れる茶碗(豊楽焼)の仕覆がやっと出来上がりました。
東北関東大震災の前日のことでした。

仕覆を三つ作ってみたところで(初めての仕覆づくり茶入の仕覆
仕覆づくりは裂(きれ)との出会いが重要だとわかりました。
これといった裂の持ち合わせがないので、古布屋さんで購入した
白と緑の絣が入っている着物の裂(つむぎ)で作りました。
裏地は絹で滑りの良いものが好いそうで、
最初に使った裏地は針が通りにくい堅いものでした。

「その裏地は縫うのが大変なので、これを使ってみてください」
先生が奥から取り出してきた裂は、江戸時代の武士が着用していた
裃の下に着る着物の、さらに下に着る着物(二枚重ね?)でした。

表地と同じ色合いですが、時代を経てとても薄い裂です。
すいすいと縫えて(・・といっても縫うところは少ないのですが)
最初の布とは進み具合が違います。
紐の色は絣模様の緑に合わせて、組紐で編みました。

                  

つがりに紐を通して仕上げた頃に、お客さんが見えました。
以前、仕覆教室へ習いに来てらしたというF氏です。
骨董が趣味で、今は酒杯に夢中なご様子で、
先生に注文した仕覆を取りにみえたのでした。

傍らから拝見していると、中身の酒杯は見えませんが、
それぞれの酒杯に合せて素敵な仕覆をまとっています。
趣味で集めた裂を持込みで依頼されたそうです

一つはインド更紗で、とても手に入らないような更紗とのことでした。
もう一つは苺緞子のような裂地でした。
F氏は月に一回、地方の出張先から東京へ出ていらして
好きな骨董と裂地を骨董市で探すのを楽しみにしているようです。

さて、私は次の仕覆に取り掛かっています。
豊楽焼の振り出しは編み袋の仕覆にしようと、
そのための糸を二十本、ミツクリという道具を使って撚っています。

一つ、また、一つ、茶籠の茶道具の仕覆が完成するのを愉しみに
少しずつ前へ進んでいます・・・たぶん。

                            

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