暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

「転勤族 水無月の茶事」・・・(2)花と後炭と会記

2021年07月13日 | 社中の茶事(2018年~)

      後入りの床の花(茶事後に撮影しました・・・

(つづき)

銅鑼が七つ打たれ、後座の席入りです。

中立の間に床の中釘に花が飾られました。

「花は苦手で困っています・・・」とお手上げ状態のM氏。

「とにかく花屋さんを時々覗いてみて、どんな茶花があるかチェックしてね」と私。

花屋さんで購入したという「桔梗、紅葉唐松草、利休草」が竹尺八に生けられ、とても好い雰囲気です。

詰のN氏からも「桔梗以外がよく見つかったね」と言われたそうですが、「直前に手に入るという、何とも不思議なものです・・・」とM氏。(花に出会うまできっとハラハラしていたことでしょう)

お花も生け方もご亭主の好みを活かしたものが一番・・・と思いました。つい手助けをしたくなりますが、じっと我慢することも大事ですね。

 

    (紅葉唐松草、桔梗、利休草です)

「転勤族 水無月の茶事」では続き薄茶ではなく、後炭をしました。

転勤先で購入した思い出の水指を2つ使いたいという理由からですが、後炭は風炉中拝見もあり、いつも大歓迎です。

茶事の数日前にS先生の東京教室のお稽古があり、後炭のご指導がありました。

「風炉では初炭から後炭までの時間が短く、後炭で輪胴やその他の炭を継ぐ必要がない場合が多いのですが、初炭の胴炭を細いものに変えてみてください。そうすると、炉みたいに胴炭を割ることが出来ますし、輪胴も入ります」

早速、M氏に細い胴炭(丸管の太いもの)を選んでもらうと、後炭で胴炭がきれいに割れ、輪胴が入ったそうです。「ヤッタネ!・・・

・・・こうして、いろいろありましたが、M氏が気合を入れて準備し、席中でお話してくださったお道具の会記を記します。時間が経つと忘れてしまいますが、書いておくとまた思い出す楽しみが出来ます。

 

 

「転勤族 水無月の茶事」会記   令和3年6月27日(日)    

待合床  色紙 「瀧直下三千丈」  橋本紹尚和尚筆

本席

床    「洗心」    藤田寛道和尚筆

風炉   唐銅道安風炉  一ノ瀬宗和造

釜    桐文車軸釜   長野 新造

炭斗   淡々斎好み 螢籠炭斗

羽箒   シマフクロウ

火箸   岡山城大手門古釘を鋳造

灰器   琉球焼

香合   埋木 桐絵   道場宗廣造

 

     (水指  萩 耳付 11代 坂高麗左衛門造) 

濃茶席

水指 萩 耳付 11代 坂高麗左衛門造

茶入 古高取写 11代 高取八仙造  

  仕覆 花鳥紋うんげん錦

茶杓  銘「養老」  閑翠斎作

茶碗  黒      加藤雅康造

替   古唐津 

替   御本三嶋 

替   飴釉     大樋年郎造

替   呉器御本  久祐和尚 銘「 富久音」 加藤錦雄造

建水  曲

蓋置  竹

主菓子 銘「せせらぎ」 美濃忠製(名古屋市)     

器        縁高

濃茶  愛知県西尾市 西条園詰 芳香昔 大宗匠好

 (水指の末家焼(ばっけやき)は仙台伊達藩のお庭焼だそうです)

薄茶席

床  花   紅葉唐松草  桔梗  利休草

   花入  尺八 (吐月峯の竹にて)

水指  末家焼(ばっけやき) 束ね熨斗  加藤ひろ子造 

薄器  木地曲  七福蒔絵   3代萬象造

御茶  銘「青松の白」 大正園詰(宮城県仙台市)

茶杓  銘「養老」    閑翠斎作

主茶碗  竹絵 銘「清風」 鵬雲斎絵   即全造

替   祥瑞写 捻丸文十牛  林淡幽造

替   日の出鶴   妙全造

替   乾漆茶碗 染付山水九谷呼継  吉田華正造

蓋置  竹

建水  京焼

 

(水屋にて相伴しました・・・干菓子も薄茶「青松の白」も美味しかった!)

 

干菓子 「みちのく煎餅」  賣茶翁(仙台市)

    「折節に」     森の香本舗(仙台市)

菓子器  紅銅敷松葉四方盆  浄益造

薄茶  「青松の白」大宗匠好  大正園詰(仙台市)

 

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