暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

師走の五葉会・・・麗しき香付花月

2019年12月27日 | 暁庵の裏千家茶道教室
 
 
12月13日(金)は令和元年・師走の五葉会でした。
この日の科目は、法磨之式、軸莊花月、香付花月です。
 
前日から必要な道具類を用意しておくのですが、
法磨之式・・・花台一式、炭道具、濃茶(包み帛紗にて)、菓子器(菓子)、折据、十種香札と長盆
軸莊花月・・・折据、軸、袱紗、白菊扇、薄茶(花月)
香付花月・・・折据 香道具一式、香包3つ、文台、奉書、硯箱、薄茶(花月)
 
こんなにいろいろな道具を揃えるのは久しぶりです。
3科目のいずれもお勉強することがいっぱいあり、それぞれやりがいがありますが、一番印象深かったのは香付花月でした。
 
 
 
 
折据を乗せた香盆が正客へ運び出され、折据を回し、月(香元)と花(花月の初花)が名乗ります。
香元は重香合に入っている3種の香包から一包を選んで、香を焚き、一同香を聞き、香包に書かれた香銘を拝見します。
香が終わると、花月になり、薄茶を点てて飲んでいる間に香銘にちなむ和歌を考えます。
 
和歌の初心者である私たちにはその場で和歌を詠む・・・というのは少し無理があり、前もってメールで香銘をお知らせしておきます。
この日は、「枯野」「初雪」「埋火」より「初雪」としました。
(丁度、数日前に横浜で初雪のたよりがありました)
 
花月が終わり、亭主が水次を持って立つと同時に八畳へ戻ります。正客は折据を持って、八畳上座七目に置きます。
 
 
 
亭主は水屋から硯箱と奉書を乗せた文台を持ち出します。この日は重硯箱ではなく硯箱を使いました。
すぐに硯箱を上座縁内におろし、両手で蓋を取って縁内下座に置きます。
墨をすって記録紙を作り、奉書を二つ折りにし、硯箱の蓋を閉め、文台の上にのせます。
 
 
文台の正面を正し、文台を正客の前に運びます。
亭主は座に戻ると、「どうぞ文台おまわしを」と正客に言います。
正客から順に、奉書の自分の名前の上に和歌をしたため、次客に回します。
亭主も和歌をしたため、奉書をひろげたまま正面を向こうにし、文台を正客の前に持っていきます。
 
正客から順に歌を拝見していくのですが、五葉会では唱和之式のように2回ずつ唱和していただきます。
麗しき声が朗々と響きます・・・
すると、心を込めて詠んだ和歌が一段と輝きを増し、ストーンと頭と心に入って来ました。
 
それに、和歌を奉書にしたため、皆で唱和する・・・この瞬間、この時間が大好きです。
きっと皆様も、「和歌を作るのは大変だけれど、この優雅な時間を同好の士と過ごす喜びは何とも代えがたい・・・」
と思っていてくださって、素晴らしい五葉会のお仲間に感謝です。
 
 
 
 
     香付花月之式

     二   宗曉
     一   宗貞   二
   月     宗里   三
     三   宗陽
        主 宗悦   一
 
 
     香付花月之記
   
   初雪のたより舞い込む朝の苑
      落ちる葉残る葉ルノワールの秋   宗曉

   初雪の積もりし庭の生垣に
      紅き山茶花さむざむ咲けり     宗貞

   紅葉の映えたる木々に
      初雪のふりそそぎて心凍てつく   宗里

   張りつめし稽古納めの静寂に
      初雪見舞う障子真白く       宗陽

   忙しなき街も我が家も静めたる
       しんしんと降る初雪の朝      宗悦
 
 
  
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