5月21日(土)に茶会があったので4月後半から風炉に切り換え、風炉の長板の稽古を始めました。
5月に入り、風炉の基本点前に戻り、薄茶と濃茶の平点前や初炭をしっかり見させていただきました。
久しぶりに「茶道点前の三要素」を思い出しながら、柄杓の扱い、蓋置の扱い、茶碗の正面、茶碗を取る手などが気になり、何回も細かく注意が飛びました。
稽古も2回目に入り、桑小卓(くわこじょく)を出してみました。
卓として天板に香炉を置き中板に花を生けて、茶事に使ったこともある棚ですが、お稽古に使うのは本当に久しぶりです。
桑子卓は仙叟好みの二重棚です。本来は天板と中板には穴がたくさん空けられ、矢が点てられる様になっていた矢立をヒントに造られたもので、矢筈棚(やはずだな)とも呼ばれています。
木地は桑材、天板と中板の間が長く、四本柱が細く瀟洒なので、細目の高さのある水指がお似合いです。
中板と地板の間が短く外側に少し反った脚(聖脚と言う)があり、平建水を用いるのがこの棚の特徴で、そこにしまうようになっています。
(桑子卓で薄茶点前中です)
柄杓の飾り方は勝手付きの2本柱へ掛けるのでバランスが難しく、水次の時に一番下へ蓋置を仮置きし、最後に平建水の中へ入れるなど、いろいろ桑小卓の扱いがあって、初心者には難しい棚です。
いざ使ってみると、その扱いが新鮮で興味深かったらしく、皆さま、熱心にお稽古に励んでいました。
桑小卓を作った裏千家4代仙叟はこの棚を表千家4代江岑宗左に贈ったので、表千家で用いられるようになり、裏千家では(遠慮して?)永く用いられなかったそうです。
玄々斎が端午の節句に用い、以来裏千家でも使われるようなったと伝えられています。
5月になると5月人形と共に出したくなる桑子卓です。