5月21日(土)に「第35回あさひ茶花道展」茶会へ出かけました。
あさひ茶花道協会の主催(横浜市旭区他が共催)で、お茶会(薄茶2席)、生け花展、区民が楽しめる体験花席があり、今年で35回を迎えるそうです。
この日は暁庵社中のN氏こと中野宗等氏が和室の薄茶席を担当し、もう一つ薄茶の立礼席(席主は石州流・村田玲月さん)がありました。N氏は2年前に薄茶席を持つ予定でしたが、コロナウイルス禍で2回も流会したので、待ちに待った茶会でした。
N氏さま、この度は「第35回あさひ茶花道展・茶会」を無事迎えられ、誠におめでとうございます!
集合の9時頃に急に一雨あり、心配しながら空を眺め、10時40分頃になると「今頃、最初のお席が終わった頃かしら?」と、家にいてもそわそわと落ち着きません。
茶友Wさまと待ち合わせ、いけばな展を拝見してから14時15分の席へ入りました。
和室は八畳(6名)、それをL字に囲むように椅子席(10名)があり、茶席スペースは広いのですがコロナウイルス対策で入場者数の制限がされていたようです。1席16名、全部で10席です。
茶友Wさまに正客をお願いできたら・・と思っていましたが、旭区・地域振興課の方々と同席になり、地域振興課の男性が正客を務めてくださり、これはこれで良かった・・と思いました。
壁床があり、古筆でしょうか? 優雅な百人一首切が掛けられていて、後ほど後見のIさんが分かり易く丁寧に説明してくださいました。和歌は三首、筆は二条中納言為相(冷泉為相)です。
百人一首切の一首を紹介すると
来ぬひとをまつほの浦の夕なぎに やくやもしほの身もこがれつつ
床の百人一首切のお軸、漆塗りの水次にいけられた菖蒲、そして雅な香合が茶席の雰囲気を優雅なものにし、颯々の5月を表わしていて、秘かに拍手を送りました。
点前座へ目を転じると、長板の二つ置きです。唐銅の平丸風炉に筒姥口糸目釜がかかり、堂々と力強い鍋島青磁の水指が置かれていました。
水指の深い青磁色と渦のような縞模様が水を連想させ、こちらも爽やかさを感じ、お点前が全員男性なので点前座は力強いものにしました・・・という意図にぴったりです。
社中Y氏の「薄茶一服差し上げます」の挨拶でお席が始まりました。
とても落ち着いてお点前をしていらして、所作も間合いも袴捌きも申し分ありません。何も心配せずにお茶席を楽しむことができ、嬉しいです。
間もなく後見Iさんが席へ入られ、正客様とお客様にご挨拶があり、お道具の説明に興味深く耳を傾けました。
やがてAさんとT氏がお菓子と薄茶を運んで来てくださって、喉が渇いていたのでたっぷりが嬉しく、お水屋の方々に感謝しながら美味しく頂戴しました。薄茶は「舞の白」(星野園詰)、菓子は「破れ饅頭」(虎彦製)です。
頂いた茶碗が面白い絵柄(暁庵のは若い小姓と鷹の図)で、一つ一つ物語のある大津絵だそうです。
「清風也」という鵬雲斎大宗匠の書が書かれた主茶碗(三輪休雪造)と半泥子の「水面」の替茶碗の趣きがそれぞれ素晴らしく、お客さまもきっと満足されたことでしょう。
茶杓の銘「忙中閑」(井口海仙作)が皆さまのお心に叶ったようで、しきりと頷いていたのが我が意を得たように嬉しく心に残っています。
スタッフの皆さまの茶会の随所での見事な働きぶりを垣間見て感無量でした。
ご苦労もお疲れも大変だったと思いますが、お稽古では得られない素晴らしい経験をされたと思うのです・・・。
そして、お客さまの前でお点前がしっかり美しく出来た、お客さまに喜んでもらえた、皆で力を合わせてやり遂げたという喜びは何物にも代えがたいものだと・・・。
とはいえ、お疲れいかばかりかと思い、一日も早いご回復を祈っております。