暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

いちねん会の初稽古(2) 茶カブキ

2012年01月21日 | 七事式&いちねん会
茶カブキは、室町時代に流行した「闘茶」がしのばれる七事式の課目です。
偈頌は「千古千今裁断舌頭始可知真味」。
(いにしえにいまに ぜっとうをさいだんして はじめてしんみをしるべし)

・・・いつも考え出すとあれこれ迷うので、
全身全霊で味わった最初の判断を大切にしようと心に決めました。
札を引き、正客Kさん、次客暁庵、三客Aさん、亭主はSさん、執筆者はIさんです。

試み茶が「竹田」「上林」の順で、亭主によって点てられました。
湯の量や練り方で微妙に味が違ってくるので、亭主はとても気を遣います。
それに少なくとも四服は濃茶を飲まなくてはならないので、
小服だと有難いのですが、流石でございました。
熱い濃茶を二口ほど、ゆっくり味わいました。

                  

亭主が茶巾を絞って畳み直し、水指の蓋をとり、帛紗を腰に付けると、
「何卒本茶を」
正客のKさんから声がかかり、
亭主は受けて、試み茶の棗を長盆へ戻し、棚正面で長盆を回し棚へ置き、
本茶の用意をします。
最初の本茶一服目が点てられ、味わって三客へ手渡しました。

一の折据がまわってきたので、私は「上林」と書かれた名乗り紙を入れました。
三客(末客)が名乗り紙を入れてから執筆者へ持っていきます。
執筆者Iさんが、客名の下に名乗り紙に書かれた茶師の名を記録します。

次に、二服目が点てられ、のみ終えるとすぐに二の折据、
少し間をとって三の折据がまわされます。
二の折据へ「竹田」、三の折据へ残りの名乗り紙(「客」でした)を入れ、三客へ。
三客も同様に名乗り紙を入れ、二と三を上下に重ね、執筆者へ持っていきます。
執筆者は前と同様に記録します。

二服目の茶碗が返ると
正客は「白湯を頂きたく・・・」と所望し、亭主は白湯を出します。
茶碗が返り、総礼。
亭主はどんどん仕舞つけをしていきます。
建水を引き、茶碗を引き、水次を持ち出し水指へ水を注ぎ、戻ります。

                  
                      ( こいつは新春から・・・  博多人形)

亭主は棚正面から棗の乗った長盆を持って執筆者前へ座り、
初服から順に棗の蓋裏を執筆者へ見せます。
執筆者は蓋裏に書かれた茶師の名を正客の名前の右下、初服の茶師の右肩に書きます。
順に、二服目、三服目を同様に記載します。

亭主は長盆を持って水屋へ下がり、執筆者は正解の人があれば最下段に全(ぜん)と書きます。
複数の全が出た場合には、上座の人が全、次からは叶(かなう)と書きます。

執筆者は奉書を巻いて、巻口の上を内側に少し折り込みます。
亭主が執筆者正面へ記録を取りに出ると、
「次客にお渡しください」と執筆者は挨拶して亭主へ渡しました。
 (ばんざーい! 久しぶりに正解でした・・・)

亭主から奉書が手渡されました。
執筆者は硯箱と文台を持って水屋へ下がり、亭主と互礼。
亭主のみ再び出て送り礼をします。
客は受けて、正客より順番に下がり、水屋で挨拶を交わしました。

初稽古の茶カブキで「全」と、水茎麗しく書かれた奉書を記念に頂戴し、
「こいつは新春から縁起がいいわいなぁ~ぁ」


    いちねん会の初稽古(1)へ        



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