暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

山家花月香-1  水無月のいちねん会

2015年06月27日 | 七事式&いちねん会

水無月のいちねん会は6月21日にIさん宅でひらかれました。
Iさんが香席を設けてくださって、一同いそいそと出掛けました。

香席に縁遠い私たちに、用意してくださったのは「山家花月香」(さんがかげつこう)。
漂泊の詩人、西行法師の歌集「山河花月集(または心中集とも)」より和歌五首を選び、
これらが風流かつ優雅な香席の案内人となります。

                    

最初にIさんが「香道と六国五味(りっこくごみ)」と「山家花月香」についてレクチャーをしてくださいました。
何回聞いても覚えが悪い生徒で、申し訳ないです・・・しっかりと書いておきます。

香道と六国五味について

 香道では、香木(沈水香)の分類がいろいろ考えられました。
沈水香の木所(きどころ、品質のこと)によって、伽羅(キャラ、産地はベトナムの奥地)、羅国(ラコク、タイ東南部)、真那賀(マナカ、マレーシア)、真南蛮(マナバン、カンボジア)の四種でしたが、
後に、佐曽羅(サソラ、インド南部)、寸門多羅(スモンダラ、スマトラやボルネオ)の二種を加えて、六種とし、これが香の「六国(りっこく)」といいます。
 六国名は香木の産地に由来すると伝えられていますが、実際には広い地域で産出されています。

 匂いの性質を味の感じ(味位)に置き換える分類方法も考えられました。
「五味」と称し、「酸」は梅のすっぱさ、「甘」は蜜のあまみ、「辛」は丁子のからみ、「苦」は黄壁のにがみ、「鹹(カン)」は塩のからみと伝えられています。
これらを併せて「六国五味」と称します。


実際には、香りの特徴を聞き分けるのも、表現するのも複雑で難しいですが、
余り深くは考えずに、最初の印象を大切にする・・・ことにしました。

                    

Iさんが凛とした香道の所作で、香たどんを香炉へ入れ、
灰を美しく調えていくのを、いつものように一同固唾を呑んで見つめます。
ぴりっとした空気が漂い、お香で一番好きな時間です。

山のように盛られた灰山が灰匙や小羽根で綺麗に整えられ、さらに灰山を五つに分け、
それぞれ10の灰筋が火箸でつけられていきます。
最後に聞き筋がつけられ、頂上に空気穴があけられました。
この穴の大きさで火加減を調節します。

あとで伺うと、これは真の灰形だそうです。
家に帰ってから、見よう見まねで香炉の灰を作ってみました・・・(2へつづく)。


       山家花月香-2 水無月のいちねん会へつづく


             

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