師走に入り、なんとなく気ぜわしく過ごしています。
皆で楽しみにしている令和6年初釜の濃茶席が台目席なので、台目の濃茶や炭手前に取り組んでいます。八畳に風炉先屏風や障子の結界で囲み、台目出炉の茶席をにわか作りです。
(にわか作りの出炉台目席)
「いよいよ今年最後のお稽古ですね・・・」という御挨拶が続きましたが、いよいよ稽古もあと2日を残すところとなりました。
急に寒くなった12月21日(木)にF氏が袴姿にダウンジャケットを着込んでやって来て、初炭と台目の濃茶を稽古しました。
残念ながらF氏は仕事の都合で初釜に出れませんが、それでも台目の濃茶に熱心に取り組んでくださって、嬉しくご指導しました。
濃茶2碗を練って、後の1碗は自服です。各服点の濃茶を美味しく練るのは難しいですが、上手になるには自服してもらうのが一番と思っています。
中仕舞いをしてから席へ入って、菓子と濃茶を賞味してもらいました。
「お服加減はいかがでしょうか? 練り加減、濃さ、量は??」と私。
「自分で言うのもなんですが、丁度好いように思いますし美味しいです」とF氏。
いつも味わい深い茶杓銘を考えてきてくれるので楽しみにしています。
この日の茶杓銘は「魚行けば水濁る」でした。そして、何故この銘にしたのか、この銘が意味するところをご自分の体験をまじえて話してくれました。私は・・・と言えば、我が体験と重ね合わせて、ウンウン頷きながら感心して拝聴しました。
「いつもステキな銘と刺激をありがとう。来年もお茶を楽しみながら頑張りましょうね!」・・と心の中で話しかけていました。
(葉が落ちてしまいましたが、これも好しかな)
12月23日(土)がオオトリでM氏の後炭と行之行台子でした。
12月半ばから御軸は「喫茶去」(足立泰道師の御筆)が掛かっていましたが、「灑雪庵」を掛けたくなって急遽取り変えました。
折しも大雪の報道が続き、土間の隙間から雪が降り込んできそうな京都「灑雪庵」の暮らしを思い出したせいかもしれません・・・。
最初に風炉先屏風や障子で囲んだ台目席で後炭をしていただきました。後炭は釜を上げた後の炉中の風情がご馳走です。その日はつい消し炭を入れすぎてしまい、残り火の整理が熱そうでした・・・。
来年の初釜でM氏が後炭手前をするので、その時の残り火の様子をあれこれ想像しながら後炭をして頂きました・・・どんな炉中の風情になるのか、どんな炭の継ぎ方をするのか、今から楽しみです。
次いで行之行台子です。縁高で菓子2人前を運び出し、濃茶2碗をお願いしました。
最初の1碗を暁庵が頂きました。油滴天目茶碗に良く練られた緑色の抹茶が美しく映え、練り加減、量、濃さもほど好く、とても美味しかったです。
茶銘は「蓬左の昔」(名古屋の松柏園詰)、徳川茶会で使われた濃茶で、しばし徳川茶会の思い出話に花が咲きました。
茶杓(竹の元節)をお尋ねすると、「4代仙叟作ですが、11代玄々斎の銘で「閑」とあり、追筒がございます」とM氏。
1対1のお稽古でしたが、静寂の中にも温かな時間が流れていきます。
師走にふさわしく「忙中閑」の一服でございました。
これからしばらく冬ごもり(冬休み)に入ります。
皆さま、くれぐれもお体に気を付けて、良い年をお迎えください。
追伸)今日はクリスマス。でも、大人になって時が経ちすぎて、サンタクロースは来てくれそうもありません。
こんな記事はいかがでしょうか? 「他力本願のすすめ」
読んでみて、来年の示唆をいただいた気持ちになりました。