さくら雨に煙る「私のサクラ」(左側です)
令和4年4月3日(日)にブログ400万頁記念「さくらの茶事」をしました。
その日はやわらかな雨が降っていてさくら雨でしょうか?
裏庭の公園に染井吉野が十数本あるのですが、
その一本に一際見事な枝振りの桜がありまして、
「私のサクラ」と名付けて愛でております。
大きく開口している台所の窓から洗い物や野菜を切りながら、
朝な夕なに「私のサクラ」を眺め暮らしています。
・・・平和を感謝し、胸キュンになるくらい幸せな一時です。(以前のブログより)
満開の「私のサクラ」も春雨の中で大地に足を踏ん張って、散るのを我慢しているようでした。
待合に和歌の書かれた色紙を掛けました。
いざけふは 春の山辺に まじりなむ
暮れなばなげの 花の陰かは 素性法師(古今集)
(さぁ今日は 春の山辺に出かけて皆で楽しみましょう
日が暮れたら 花(サクラ)の他には何もない 花の陰で宿りましょう)
英訳(お正客Rさまよりご披露して頂きました)
Come, just for today
Let us lose ourselves in wandering
Deep in spring hills—
If darkness falls, how can we fail to find
A place to sleep beneath those blossoming boughs?
(玄関前の蹲から公園の桜を見る)
12時の席入りです。板木が打たれ、いよいよ茶事のスタートです。水屋でスタッフ共々気を引き締めます。半東M氏が桜湯をお出しし、ご案内しました。
「玄関前の蹲をどうぞお使いください。その後、茶道口から席入りをお願いします」
修理したベランダの腰掛待合や露地の蹲は使えませんでしたが、これもまた良し!といたしましょう。
お正客Rさまから順番に次客IHさま、三客SKさま、四客EKさま、五客SEさま、詰YSさまと親しくご挨拶を交わしました。
「さくらの茶事」のお客さまは6名様、今までに暁庵の茶事や茶会などにいらしてくださった方ばかりで、三客SKさまは京都・灑雪庵で催した「ブログ100万頁記念茶会」へも馳せ参じてくださいました。
・・・それで、最初から「さくらの茶事」で皆様に再会できた喜びでいっぱいでした。
床の掛物は、北原白秋の「薔薇の詩」です。
薔薇の木に
薔薇の花咲く
なにごとの不思議なけれど
何度読んでも、なんて!さりげなく、生きることを後押ししてくれる「薔薇の詩」なのでしょうか。
季節がめぐって来ると、まるで何事の不思議も無いように薔薇の木に薔薇の花が咲きます。
当たり前のことのようですが、コロナウイルスやウクライナの戦争など思いがけないことが起っている昨今、薔薇の花が咲き、それを愛でることのなんと!素晴らしく、かけがえのないことか・・・としみじみ思います。
コロナウイルスの急速な蔓延で昨年の暁の茶事で掛けることが出来なかった「薔薇の詩」のお軸を「さくらの茶事」で掛け、皆で見ることができる幸せを思いました。
「さくらの茶事」・・・(2)へつづく (3)へつづく (4)へつづく