4月28日に五葉会で初めて五事式をしました。
昨年は私の体調不良でご迷惑をかけ、「今年こそ・・」と密かに思うところがありました。
五事式は茶事ゆえに大好きなのですが、2年ぶりでしょうか。
3月の五葉会で廻り炭を修練し、五事式の役を札で決めました。
東はその日欠席した宗悦さん、正客・宗里さん、次客・宗智さん、三客・宗厚さん、詰・宗真さん、半東は暁庵です。
10時半の席入です。
3月の廻り炭では不首尾だった埋火(うずみび)、五事式では成功させたいと思いました。
それで、2時間以上前に炉底の灰を深く掻き上げて空気を十二分に入れてから(前回はここが足りないように思われたので)、炭火を置き、灰をしっかりあたためておきました。
巴半田と筋半田、花づもり、煙草盆は宗悦さん、茶や点前の準備などは宗厚さんに手伝ってもらいました。
そうこうしているうちにお客さまがいらっしゃいました。
板木が打たれ、白湯をお持ちし、腰掛待合へご案内しました。
釜は一燈好の又隠口釜(菊地政光造)、濡れ釜の風情を楽しんで頂けたかしら?
待合の掛物は「杜若」、竹内栖風画です。
床には「七事式の偈頌」、両忘庵・拙翁(大木宗玄)師筆を掛けました。
時々、「七事式の偈頌」を大きな声を出して読むのですが、いつも身が引き締まる思いがします。
一番お気に入りは、廻り花 色即是空凝思量即背(しきそくぜくう しりょうこらせばすなわちそむく)。
挨拶が和やかに交わされ、廻り炭が始まりました。
この後、昼食(別室で弁当、煮物椀、八寸、一献)になるので、席中を気にしながらそちらの準備にかかります。
そろそろ埋火を掘出す頃かしら? 時計を見ると予定より進行が早いので
「もう一回廻り炭を・・・」とお願いしに顔を出すと
「もう埋火を掘出して炭を置いています。埋火が大成功ですよ」
「あらっ・・・ヨカッタ!です」(ヤッタね)
後座になって、廻り花と且座になりました。
廻り炭と同様に廻り花も早く済みそうなので、早目に香炉の用意をしましたが、
火味が今一つで反省しきりです。
濃茶となり、暁庵も参席させて頂きました。
宗悦さんが心を込めて練ってくださった濃茶を皆で嬉しく、美味しく頂戴しました。
茶碗は明るい飴釉の楽茶碗、桧垣佳山造です。
濃茶は「錦上の昔」柳桜園詰、前席の主菓子はグラーデーションが絶妙な「藤ころも」、打出庵大黒屋製です。
主菓子「藤ころも」 打出庵大黒屋製
何度やってもわかりにくいのが、濃茶から薄茶へ変わる時なので記しておきます。
いつ帛紗を付け、四畳半へ入り、いつ四畳半から八畳へ戻り、帛紗を懐中するのか・・・・??
詰の喫みきりで、東は中仕舞をとき、水をさして帛紗を腰に付けます。
正客から茶碗を拝見し、詰は茶碗を返し、東は茶碗を取り込み、主客総礼。
東は茶碗を湯ですすいでから、下に置き、
「薄茶は花月でいたします」と挨拶し、茶巾茶筅を入れ、建水とともに持って水屋へ下がります。
「薄茶は花月でいたします」の挨拶で、連客一同帛紗を付け、四畳半に入ります。
東は折据をのせた菓子器を正客前に持ち出します。
次に茶碗、建水を持ち出し、敷き合せに置き、三歩退き、仮座に着きます・・・(中略)・・・。
菓子付(茶巾で折据を回す)で全員が薄茶を飲むまで隅かけにせず、「互換機鋒看子細」ながら和やかな時間が流れました。
最後の薄茶が点つと月は服し、菓子器を手送りで正客へ戻し、茶碗を返します。
茶碗を取り込み、主客総礼で座変わりします。正客は折据を菓子器にのせておきます。
東が拝見物を取りに出て、挨拶を交わし、薄器を棚に荘り、拝見物を引くと同時に客は八畳へ戻り(正客は菓子器を持って)、帛紗を懐中します。
正客は菓子器を回し、下座へ置きます。
丹波焼の肩衝茶入は石田陶春造、茶杓は銘「颯々」前田宗源和尚作、仕覆は笹蔓緞子です。
棗は鵬雲斎好・三景棗、竹内幸斎造でした。
干菓子「蝶(煎餅)と若みどり」 打出庵大黒屋製
最後の一二三之式となりました。
水屋で長盆の札を拝見すると、月の二、月の三、花の一、花の二だったような・・・。
皆さま、過分な評価をありがとうございます。
こうして五葉会の第1回五事式が無事終わりました。
懐石ではなくお弁当だったこともありますが、約4時間で終了したのにもびっくり!です。
疲れたけれど来年もまた五事式を頑張りたい・・・と懲りずに思っています。
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