暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

3人のお客様を迎えて

2015年05月09日 | 暁庵の裏千家茶道教室

    わが宿に咲けるふじなみ 
        立ち帰り過ぎがてにのみ 人の見るらむ   (古今和歌集 躬恒)


4月29日、若葉を渡る風が心地良い日に3人のお客様をお迎えしました。

暁庵の茶道教室の生徒さんで見学にみえられたFさんとAさん、
もう一人は京都の茶友Sさん、五島美術館の茶会後に寄ってくださったのです。
初炭手前をしてから薄茶一服差し上げたい・・・と思いました。



八畳の茶室(稽古場)の床に
「喜 無量」  (前大徳 教道書)
茶事や慶事の時に幾たびか掛けたお軸ですが、
初めての生徒さんを迎えた歓びは何とも言えず、感無量でした。

床の花は、庭に咲いていた鳴子百合と紫蘭をガラス花器に入れてみました。
唐銅道安風炉に二文字押切の灰形を整え、波文尻張り釜(畠春斎造)を掛け、
旅箪笥を出して、京焼の水指と絵唐津の薄器を合わせてみました。



風炉の茶事で一番悩ましいのは、炭手前の後、短時間で湯が沸くかどうかです。
何度も失敗をしているので、今回は次のことを試みました。
2時間前に下火を多めに入れ、湯を釜半量入れて掛けておきました。
こうすることで風炉も灰も十分温まり、釜を慣らすことができます。
お客様の来庵直前に釜の湯を捨て、湯に水を3分の1入れ、下火を整えました。

1年ぶりの初風炉・炭手前は清々しく、気持ちも新たに月形を切りました。
香合は淡々斎好みの鯉のぼり、ほのぼのとした味わいがある香合です。

初炭が終わってから洋間へ移動し、椅子席でいろいろお話をしました。
きっと緊張していたのでしょうね・・・何をお話ししたのか覚えていないのです。

丁度1時間経った頃に湯が沸いたので和室へ戻り、薄茶を差し上げました。
主菓子は銘「藤浪」、紫・ピンク・白の咲分けにし若葉の緑をのせたきんとん(暁庵製)、
茶は「松伯」(小山園)です。
干菓子は京土産の柚子琥珀(永楽堂)と、ハワイから飛んできた蝶々(雲平 by Sさん)

薄茶を飲んで頂いている頃にSさんが到着、4人でお茶談義が楽しく続きます。
Sさんは京都で奥伝の自主稽古を毎月共に励んだ茶友です。
久しぶりなのにずっーと逢っていたような親しみを感じ、京都がぐっと身近になり嬉しかった・・・。

  
 (2014年の葵祭り・・・川口美術さんの櫓にて見物)  

FさんとAさんが暁庵の茶道教室へ入門してくださって、感謝の気持ちで一杯です。
月2回のお稽古で、先ずは一番難しいと言われる平点前からしていただきますが、
茶名をお持ちなので、一回は小習または四ヶ伝、もう一回は奥伝としました。
とても良いお稽古になりそうで、喜んでおります。
「養之如春」(これを養う春の如し)
を心に銘じて、お稽古を積み重ねていきたいものです。

同席して応援のエールを送って下さったSさん、またどうぞいらしてくださいませ。お待ちしています。
もうじき「葵祭り」ですね・・・。                              
                           


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