暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

畠山記念館・・・畠山即翁の大師会茶会へ

2015年05月19日 | 美術館・博物館
アップが遅くなりましたが、4月のある日、茶友Yさんと3年ぶりに会うことになり、畠山記念館で待ち合わせです。

                        
                                久しぶりの品川駅前にて

品川駅前から目黒駅行きのバスに乗り、高輪3丁目で降りて
「高輪台駅」前を経て畠山記念館を目指しました。
強い日差しを浴びながら庭先の晩春の花が咲き乱れる道を歩むと、
大樹が重なり合う記念館の門が見えてきました。
平日のせいもあり、静まりかえった木洩れ日の小道と大きな石灯籠のある庭の佇まいが懐かしく、心を揺さぶります。

                         
                         畠山記念館が近づいてきました・・・ 
                        
                              緑陰が恋しい日でした
                     
「畠山即翁の大師会茶会」が4月4日~6月14日まで開催中でした。
昭和12年4月21日に音羽護国寺で開催された大師会茶会で、即翁は初めて茶席を担当したのです。
その時の道具組をできる限り忠実に再現していました。
78年を経てなお、大師会茶会記が再現できることに記念館の心意気を感じ、
大師会創設者・益田鈍翁ゆかりの茶道具を併設しているのに敬意を表します。

大師会茶会記が畳のある展示ケースの片隅にありました。
Yさんと二人で展示品と照らし合わせて茶会の様子をあれこれ想像をめぐらし、
大師会へ参席した気分になったり、取り合わせを批評したり、メッチャ楽しいひと時でした。
特に花入(本席の「古銅象耳」と広間の「砧青磁 瓢 浮牡丹」)に自分だったらどんな花をどのように入れたいか・・・をそれぞれ熱く語り合いました。

茶会記のメモを見ながら薄れゆく記憶から茶道具をポツポツ思い出しています・・・
戦国武将(即翁)が戦陣の合間に束の間のやすらぎを得、戦友(茶友)との送別を表現した茶会のように私めには思われました。

                         
                          4月4日~6月14日まで開催
メモより
本席 
  床  国宝「南楚墨跡」 蒲生氏郷所持 雲州家伝来
  花入 名物「古銅象耳」 遠州箱   雲州家伝来
  花  侘助
  釜  芦屋 瓢   信長所持  紹鴎拝領
  炉縁 久以作  利休在判
  炭斗 竹紐丸  遠州所持
  水指 木地曲
  茶入 名物「瀧浪」 本箇 雲州家伝来
            袋  白地長楽寺金襴
  茶器 名物「信長井戸」  京極家伝来 
  茶杓 利休 銘「落曇」  豊公所持  庸軒箱 同写添
  建水 南蛮横縄
  蓋置 竹  利休在判  原叟箱  紀州家伝来
  御茶 初音 升半詰
  菓子 卯の花  越後屋製
               
熱き語り合いにのどが乾いたので、省庵でのんびり薄茶を頂きました。
床の花は薄雪芥子(たしか?)、竹筒にどこかはかなげです。
辻村史朗作の粉引茶碗で美味しく頂いた薄茶は池田市にある三丘園詰、
畠山即翁が能登の出身に因み、干菓子は金沢・諸江屋の落雁でした。

Yさんと佳い時間を過ごしました・・・またご一緒しましょうね!