犬山城(国宝、白帝城)天守閣からの眺め
(つづき)
濃茶席(如庵)のお道具を紹介するにあたり、
茶会の順番に従ってすすめていくことにします。
よろしかったら、お付き合いください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/89/700b1c94f5614df251b8ad18953482c2.jpg)
如庵の躙り口
有楽窓から秋の陽射しが柔らかく、点前座を包み込んでいます。
釜は雲龍(小)、初代寒雉造。
風炉は雲龍土風炉、天下一宗四郎造です。
艶のある黒い肌、雲龍のように湧き上がる雲を連想させる曲線の美しさ、
小振りながら雲龍釜にぴったりの大きさです。
S先生のお稽古で名前だけ伺っていた天下一宗四郎、
初めてのお出会いですが、ものすごいインパクトでした。
これでやっとイメージを持って名前が覚えられそうです。
水指は、南蛮縄簾丸壷笹耳付(柳沢堯山箱、半蔵庵伝来)で、
雲龍釜や土風呂と並んで目立たずに治まっているのですが、
土の持つ素朴な魅力とエネルギーをさりげなく発揮していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/49/d8b3a810d667e80a12b0cc8c73ab21d0.jpg)
有楽井筒
「お炭を置かせていただきます」とご亭主。
時代藤組透椀形(北尾春倫箱、寺村家伝来)の炭斗、つづいて
灰匙(青銅 竜頭)を入れた灰器(雲華焼、上田宗品造)が運ばれました。
羽根は鷹(小津家伝来)、鐶は鉄糸目(紀宗直造)、火箸はかね打、
釜敷は時代藤組七宝透(孤篷庵伝来)で、遠州お好みでしょうか。
香合は推黒笹蟹、香は「しら菊」(細川家伝来)とします。
床の花(屋久島芒と吹上菊)や鉈鞘籠花入のお話をしているうちに
火相、湯相がととのい、濃茶点前がはじまりました。
黒楽の茶碗が運ばれ、茶入と置きあわされました。
木地曲の建水が運び出され、茶道口の襖が締まり、
蓋置(北村幽庵古竹)に柄杓が引かれ、総礼です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/45/9493f3514cdf59b7d02801afd69f3642.jpg)
旧正伝院書院を庭から見る
茶入は、常叟黒中棗(不見斎箱、関戸家伝来)、
蓋裏に常叟の在判がありました。
袋は望月間道と両面文海気が添っていますが、望月間道とします。
黒楽茶碗に濃茶が点てられました。
手に取ると思いの外軽く、薄づくりです。
黒楽によく練られた濃茶の艶やかな緑が映えていました。
「香佳く美味しく頂戴いたしました・・・」
(如庵で頂く濃茶を想像するだけで感激しております・・)
茶碗を拝見すると、たっぷり釉薬が二重に掛けられた堂々とした姿、
黒い胴に大小二か所の四角い焼ぬきがあるのが特徴的で、
重厚な中にも現代に通じるモダンを感じます。
作者は楽三代道入(ノンコウ)、銘「寿老人」(覚々斎箱)です。
鴻池善右衛門所持、馬越家伝来とあるので、青磁桃花香合とともに
馬越恭平(化生)がかつての主家・鴻池家から入手したのでしょう。
・・・そんなことを思いながら
もう一度手に取ると見込みに桔梗のような文様があり、
いろいろな楽しみ方が味わえる黒楽でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/c7/f1eeab719f4795946661f311fabb9c72.jpg)
萱門を通って弘庵(薄茶席)へ
最後に席を締めくくる茶杓ですが
仙叟共筒、銘「教外別傳不立文字」(一燈箱、玄々斎外箱、天埜家伝来)
常叟(裏千家二代)黒中棗に父の仙叟(裏千家初代)の茶杓、
親子の情愛と茶の道の厳しさを感じさせる、金沢世話人会ならではの
取り合わせと感心しました。
如庵の半畳に座って、熱心かつ丁寧に説明してくださった
金沢世話人会の方に感謝いたします・・・心に残る如庵茶会となりました。
如庵茶会へ-1 へ戻る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/drink_hottea.gif)
(つづき)
濃茶席(如庵)のお道具を紹介するにあたり、
茶会の順番に従ってすすめていくことにします。
よろしかったら、お付き合いください。
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如庵の躙り口
有楽窓から秋の陽射しが柔らかく、点前座を包み込んでいます。
釜は雲龍(小)、初代寒雉造。
風炉は雲龍土風炉、天下一宗四郎造です。
艶のある黒い肌、雲龍のように湧き上がる雲を連想させる曲線の美しさ、
小振りながら雲龍釜にぴったりの大きさです。
S先生のお稽古で名前だけ伺っていた天下一宗四郎、
初めてのお出会いですが、ものすごいインパクトでした。
これでやっとイメージを持って名前が覚えられそうです。
水指は、南蛮縄簾丸壷笹耳付(柳沢堯山箱、半蔵庵伝来)で、
雲龍釜や土風呂と並んで目立たずに治まっているのですが、
土の持つ素朴な魅力とエネルギーをさりげなく発揮していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/49/d8b3a810d667e80a12b0cc8c73ab21d0.jpg)
有楽井筒
「お炭を置かせていただきます」とご亭主。
時代藤組透椀形(北尾春倫箱、寺村家伝来)の炭斗、つづいて
灰匙(青銅 竜頭)を入れた灰器(雲華焼、上田宗品造)が運ばれました。
羽根は鷹(小津家伝来)、鐶は鉄糸目(紀宗直造)、火箸はかね打、
釜敷は時代藤組七宝透(孤篷庵伝来)で、遠州お好みでしょうか。
香合は推黒笹蟹、香は「しら菊」(細川家伝来)とします。
床の花(屋久島芒と吹上菊)や鉈鞘籠花入のお話をしているうちに
火相、湯相がととのい、濃茶点前がはじまりました。
黒楽の茶碗が運ばれ、茶入と置きあわされました。
木地曲の建水が運び出され、茶道口の襖が締まり、
蓋置(北村幽庵古竹)に柄杓が引かれ、総礼です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/45/9493f3514cdf59b7d02801afd69f3642.jpg)
旧正伝院書院を庭から見る
茶入は、常叟黒中棗(不見斎箱、関戸家伝来)、
蓋裏に常叟の在判がありました。
袋は望月間道と両面文海気が添っていますが、望月間道とします。
黒楽茶碗に濃茶が点てられました。
手に取ると思いの外軽く、薄づくりです。
黒楽によく練られた濃茶の艶やかな緑が映えていました。
「香佳く美味しく頂戴いたしました・・・」
(如庵で頂く濃茶を想像するだけで感激しております・・)
茶碗を拝見すると、たっぷり釉薬が二重に掛けられた堂々とした姿、
黒い胴に大小二か所の四角い焼ぬきがあるのが特徴的で、
重厚な中にも現代に通じるモダンを感じます。
作者は楽三代道入(ノンコウ)、銘「寿老人」(覚々斎箱)です。
鴻池善右衛門所持、馬越家伝来とあるので、青磁桃花香合とともに
馬越恭平(化生)がかつての主家・鴻池家から入手したのでしょう。
・・・そんなことを思いながら
もう一度手に取ると見込みに桔梗のような文様があり、
いろいろな楽しみ方が味わえる黒楽でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/c7/f1eeab719f4795946661f311fabb9c72.jpg)
萱門を通って弘庵(薄茶席)へ
最後に席を締めくくる茶杓ですが
仙叟共筒、銘「教外別傳不立文字」(一燈箱、玄々斎外箱、天埜家伝来)
常叟(裏千家二代)黒中棗に父の仙叟(裏千家初代)の茶杓、
親子の情愛と茶の道の厳しさを感じさせる、金沢世話人会ならではの
取り合わせと感心しました。
如庵の半畳に座って、熱心かつ丁寧に説明してくださった
金沢世話人会の方に感謝いたします・・・心に残る如庵茶会となりました。
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