(写真がないので・・・)
盛夏の候、正午の茶事へお招き頂きました。
祇園祭が終わり、茶友や息子たちが潮が引くように帰ってしまうと、
急に静かになり過ぎて、ちょっと気落ちしていました。
そんな折のYさんのお招きがとても嬉しく、元気がもらえそうです。
Yさんは小さな別宅をお茶が出来るように改装したそうで、
そのお宅を訪問できるのも楽しみでした。
玄関を入ると、まるで新築のよう・・・。
三畳間の待合は冷房で冷やされていて、何よりの歓迎を受けました。
墨で青松釣舟が描かれた色紙も涼しさを呼び込みます。
まもなく、正客のSさまが到着し、冷たい麦茶が運び出されました。
客4名、渇いた喉を潤してから、外の腰掛待合へ向かいました。

水色のカーテンで目隠しされた廊下(?)を通って外へ出ると、
緑あふれる小さな庭がありました。
スギコケなど数種の緑苔がキラキラ露をいっぱい含み、
ソヨギ、トクサ、ギボシも植えられ、目を楽しませてくれます。
ご亭主が水桶を持ち出し、蹲の水を撒きました。
いつもの見慣れた光景ですが、水の持つ清浄感に心が洗われ、
「ザッ~」と蹲踞にあけられる水音に滝の清音を連想するのは
盛夏の茶事ならではの醍醐味です。
席入すると、四畳半の茶室の床に、
「澗水湛如藍」(かんすいたたえ あいのごとし)
福本積応和尚の筆です。
禅語の意味は深いのでしょうが、そこはさらりと
「谷川の水の涼しさを感じて頂ければ・・・」


懐石の創意工夫が素晴らしく、美味しかったです。
炊きたての一文字に、汁は焼き茄子の赤だし、冷たく、山椒を利かせて。
向付は平目、お酒はえーと・・・コクのある東北産でした。
煮物椀は、鱧、ジュンサイ、管ゴボウ、輪スダチ(青柚子?)、清汁仕立。
ヒントと刺激がたくさん盛られた懐石を感謝しながら頂戴しました。
初炭手前が始まり、炭斗は涼やかな清風籠でした。
眉風炉に霰遠山の筒釜が掛かっています。
さらさらと炭が置かれ、香が焚かれます。
香合は「屋形船」、奈良浮見堂の古材で作られたものとか、
皆でこの舟に乗って川を下り、海まで・・・というご趣向かしら?
火相を気にしながら、ブルーに白い波模様の錦玉を頂きました。
ご亭主の手づくりで、銘「さざなみ」です。
「外腰掛は暑いので、合図があるまで待合で涼んでくださいませ」
・・・嬉しい気遣いでした。
銅鑼の音を聴き、席入すると、
尺八の花入に、ピンクの木槿と矢筈ススキがいけられていました。
夏の日差しの元、無心に花開く木槿は、はっとする可愛らしさです。

ご亭主の気持の入ったお点前で頂く濃茶は特別なものですが、
きりっとした渋みが程よく感じる濃茶を美味しく頂戴しました。
宇治茶園の在来種とか・・・茶銘がう~ん?です・・・。
後炭のあとに、風炉が真ん中へ寄せられ、薄茶は流し点です。
風炉の流し点は初めての経験ですが、
ご亭主と語り合いながら頂く薄茶にふさわしい、素敵な趣向でした。
京都在住の作家さんたちの茶碗が次々と登場し、これまた興味津々。
きっとご亭主の思い出がいっぱい詰まっていることでしょう・・・
いつか再び、ゆっくりお目にかかりたい・・・と思いました。
最後に、茶杓銘が「しおさい」と伺って、
一同なぜか「潮騒メロディーズ」を連想しながら、帰途につきました。

ご亭主のYさんは一人で全てをきちんとやり遂げられ、見事でした。
・・・が、お疲れいかばかりかと心配になり、後日電話すると、
「・・・疲れましたが、とても気持のよい疲れでした」
「良かった! 本当に素晴らしいお茶事をありがとうございます!」

盛夏の候、正午の茶事へお招き頂きました。
祇園祭が終わり、茶友や息子たちが潮が引くように帰ってしまうと、
急に静かになり過ぎて、ちょっと気落ちしていました。
そんな折のYさんのお招きがとても嬉しく、元気がもらえそうです。
Yさんは小さな別宅をお茶が出来るように改装したそうで、
そのお宅を訪問できるのも楽しみでした。
玄関を入ると、まるで新築のよう・・・。
三畳間の待合は冷房で冷やされていて、何よりの歓迎を受けました。
墨で青松釣舟が描かれた色紙も涼しさを呼び込みます。
まもなく、正客のSさまが到着し、冷たい麦茶が運び出されました。
客4名、渇いた喉を潤してから、外の腰掛待合へ向かいました。

水色のカーテンで目隠しされた廊下(?)を通って外へ出ると、
緑あふれる小さな庭がありました。
スギコケなど数種の緑苔がキラキラ露をいっぱい含み、
ソヨギ、トクサ、ギボシも植えられ、目を楽しませてくれます。
ご亭主が水桶を持ち出し、蹲の水を撒きました。
いつもの見慣れた光景ですが、水の持つ清浄感に心が洗われ、
「ザッ~」と蹲踞にあけられる水音に滝の清音を連想するのは
盛夏の茶事ならではの醍醐味です。
席入すると、四畳半の茶室の床に、
「澗水湛如藍」(かんすいたたえ あいのごとし)
福本積応和尚の筆です。
禅語の意味は深いのでしょうが、そこはさらりと
「谷川の水の涼しさを感じて頂ければ・・・」


懐石の創意工夫が素晴らしく、美味しかったです。
炊きたての一文字に、汁は焼き茄子の赤だし、冷たく、山椒を利かせて。
向付は平目、お酒はえーと・・・コクのある東北産でした。
煮物椀は、鱧、ジュンサイ、管ゴボウ、輪スダチ(青柚子?)、清汁仕立。
ヒントと刺激がたくさん盛られた懐石を感謝しながら頂戴しました。
初炭手前が始まり、炭斗は涼やかな清風籠でした。
眉風炉に霰遠山の筒釜が掛かっています。
さらさらと炭が置かれ、香が焚かれます。
香合は「屋形船」、奈良浮見堂の古材で作られたものとか、
皆でこの舟に乗って川を下り、海まで・・・というご趣向かしら?
火相を気にしながら、ブルーに白い波模様の錦玉を頂きました。
ご亭主の手づくりで、銘「さざなみ」です。
「外腰掛は暑いので、合図があるまで待合で涼んでくださいませ」
・・・嬉しい気遣いでした。
銅鑼の音を聴き、席入すると、
尺八の花入に、ピンクの木槿と矢筈ススキがいけられていました。
夏の日差しの元、無心に花開く木槿は、はっとする可愛らしさです。

ご亭主の気持の入ったお点前で頂く濃茶は特別なものですが、
きりっとした渋みが程よく感じる濃茶を美味しく頂戴しました。
宇治茶園の在来種とか・・・茶銘がう~ん?です・・・。
後炭のあとに、風炉が真ん中へ寄せられ、薄茶は流し点です。
風炉の流し点は初めての経験ですが、
ご亭主と語り合いながら頂く薄茶にふさわしい、素敵な趣向でした。
京都在住の作家さんたちの茶碗が次々と登場し、これまた興味津々。
きっとご亭主の思い出がいっぱい詰まっていることでしょう・・・
いつか再び、ゆっくりお目にかかりたい・・・と思いました。
最後に、茶杓銘が「しおさい」と伺って、
一同なぜか「潮騒メロディーズ」を連想しながら、帰途につきました。

ご亭主のYさんは一人で全てをきちんとやり遂げられ、見事でした。
・・・が、お疲れいかばかりかと心配になり、後日電話すると、
「・・・疲れましたが、とても気持のよい疲れでした」
「良かった! 本当に素晴らしいお茶事をありがとうございます!」

