暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

初弘法さん

2013年01月25日 | 京暮らし 年中行事
1月21日は初弘法さん、
6日のガラクタ・手づくり市に続いて東寺(教王護国寺)へ繰り出しました。

弘法大師空海の命日(旧3月21日)に因んで毎月21日に
東寺で行われる縁日の中、年頭の縁日(市)を初弘法と言います。
その昔、お詣りに集まる人々を目当てに市が立ったのでしょうが、
昨今は逆転気味と思うのは私だけでしょうか?

              

11時ごろバス停へ着くと、そこから凄い人でした。
観光バスが何台も止まっていて、遠くからも1年の無事息災を願い、
お大師様へお詣りにいらしてました。
境内に入ると、お遍路さん、お坊さま、遍路用品を売る店に会い、
弘法さんの本来の意味や四国遍路の日々を懐かしく思い出させてくれます。
見物の途中、二人揃って本堂でお詣りしました。

初弘法の出店は数も多く、いつも以上に賑やかで活気に溢れています。
特にお目当ての物がないので、どんな出会いが待っているのか、
それも楽しみです。

骨董品、古道具、着物や古裂、アクセサリー・縮緬細工の手づくり品、
植木、竹製品、陶器、漬物・乾物の食料品、うどん・たこ焼・・・など。
他の市では見れない店を探して飛び込んだり・・・。

              

衝立、小箪笥など指物細工の出店がありました。
製品だけでなく木切れもいろいろ並べてあって、そこで足が止まりました。
古い板木の出物を長年探していたのですが、ご縁がありませんでした。

「この木、板木にどうかしら?」
「欅なので重いですが、堅いので良い音がでますよ」
「少し重いけれど・・・これをくださいな」
「初弘法さんなのでおまけしましょう (アリガトウ!)」
見始めてすぐの買い物だったので、帰りまで預かってもらいました。

その場で名前を彫ってくれるというので、若狭塗のお対の箸を買いました。
金粉を塗りこんだ箸は縁起が良さそうです。

              

茶道具や骨董品の店にはついつい寄ってしまいます。
古伊万里風の皿が目に留まりました。
いったん、あきらめて隣りの店を覗いていたら、
外国人のご夫婦がその皿を手に取って見定めています。
そのご夫婦は購入を見合わせて(たぶん値段を聞かずに)店を離れました。

それで、思い切って値段を尋ねると、
「○○円です。手書きなのでお買い得ですよ」
値段が手ごろなことと、何故か、その皿を外国へ行かせたくなくって、
私の手元に置くことになりました。

ささやかな買い物に満足し、幸せな気持ちで帰途につきました。
「早速、2月のお茶事にどうかしら?
 何を乗せたら映えるかな?」
手書きの皿を眺めたり、欅の板を打ちながら、至福のひととき・・・。