暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京都 宗旦忌 (2)

2010年11月27日 | 茶会・香席
次の席は、宗旦忌の式場である宗家咄々斎です。
毎年11月19日に元伯宗旦居士の遺徳を偲び、法要が行われています。

床には元伯宗旦居士の画像が掛けられ、賛は玉舟和尚です。
御家元の炭手前、お茶湯の儀などの式典は既に終了していましたが、
名誉師範親授式が始まるところでした。

お家元からご挨拶があり、淡々と始まったのですが、
次第に身が引き締まる思いがしてきました。

名誉師範・拝受者の中には足腰が不自由で、介添えの方に支えられて
お家元の前にやっとの様子で進まれた方もたくさんいらっしゃいました。
お家元も「どうぞ座らずそのままで・・・」と声を掛けられ、
賞状を読上げ、ねぎらっていらっしゃいました。

「よくぞ今まで茶の道をがんばって来られましたね!
 よくぞ親授式へ出ていらっしゃいました・・・」
その方の今日までの長い道のりを思い、
今日の日を迎えた喜びはいかばかりかと・・・
Kさんと二人で思わず涙ぐんでしまいました。

式典には参列できませんでしたが、この親授式に同席できて
本当に好かった・・と、今でも話し合っています。

その後、隣席に荘られている茶道具と箱書を見学したのですが
式典へ参列していないので、今ひとつ頭と心へ入ってきません。

帰りに出口がわからなくなり困っていると、
大宗匠が庫裏から突然現れて驚きました。
「こちらですよ」
ご親切にも案内して頂きました・・・。
本当にありがとうございました。

              
     
              

次に、茶道会館広間の本席へ行きました。
床は圓能斎の力強いお筆で
「萬里一條鐵(ばんり いちじょうの てつ)」、大好きな禅語の一つです。
家元夫人容子様のお点前で薄茶を頂く立礼席は御園棚の設えです。
桐文のある、優雅な古天命の尾垂れ釜、水指は丹波焼でした。
薄器は玉椿、茶杓は一橙で銘「はじとみ」です。

ここでもう一つ、嬉しい道具との出合いがありました。

中央に展示している茶道具の中に、
くろ谷さんに墓のある藤村庸軒の竹一重切、
銘「時雨」がありました。
京都での「時雨」との三度目の出合い。
とても嬉しく不思議なご縁でした。

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  写真は上から、「法然院の山門」
           「御所・紫宸殿(特別公開中でした)」
           「廬山寺・源氏庭の紅葉」