暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

雪国だより  角巻

2010年02月17日 | 閑話休題
ここのところ寒い日が続きますね。
雪国に住む、インターネットの茶友の菫さんから
角巻(かくまき)の写真とメールが届きました。

 「角巻を羽織って(かぶって)みました。
  あまり実用的ではないので、ナカナカ出番がありません。
  2メートル弱の四角な毛布状のものを、
  私の場合は半分(長方形)にして使っています。
  色は濃紺です。

  昔の重い毛布を巻き付ける感じで、すっぽりかぶっていれば、
  風と雪はさえぎれますが、風雪は下からも舞い込むので、
  着物にモンペと長靴が、私がお茶を始めた頃、
  悪天候のときの先輩方のいでたちでした。
  今では年に数回、見かけるかどうかというところです。」

写真の背景は近代的ですが、しっかり雪国ですネ。
濃紺の角巻は、すてきな着物の防寒着にぴったりです。
足元は長靴ではなく、防寒草履でした。

                

「北国の女たちの防寒着だった角巻にノスタルジィを感じます。
 もし手に入るようでしたら角巻をまとってみたい・・」
という私のメールを覚えていてくれたのです。
最初のメール交換から早や二年近い月日が経っていました。

角巻(かくまき)は、北海道、東北、北陸地方で
寒い冬の外出に女たちが身にまとった防寒着でした。
大きめの四角い毛織物で、三角に折って大きさを調整して
羽織ったり、頭からかぶったりして着てました。

昭和三十年代で姿を消しています。
和服の人が少なくなって、洋装に合う暖かく安価なコートや
オーバーが作られ、流通したからでしょうか。
今では着る人はもちろんのこと、持っている人も
ほとんどいないみたいです。

私にとって角巻姿は映画や写真でしか見たことがありません。
 「雪国」の岸恵子さん
 「北の蛍」の岩下志麻さん
  そして菫さん

菫さんの角巻姿を拝見して、久々の大感激でした。
 「角巻のこと、本当にありがとう!
  いつかお会いしたいですね。」

                         

        写真は「角巻」と「防寒草履」です。