暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

見立ての茶道具  建水

2009年07月24日 | 茶道具
最近、見立ての茶道具に興味を持ち始めました。

「藤野ぐるっと陶器市」へ行った時のことです。
神奈川県藤野町は芸術家や工芸家が多く住んでいて、
芸術のまちとして知られています。
自然豊かな山里に点在するアトリエやお店を車でぐるっと、
個性溢れる器や作品を見ながら廻りました。

第一のお目当ては「ギャラリーゆめさき」です。
茶事でお世話になっている翆晶庵の横山さんが昨年ここで
ステキな七宝焼の菓子器に出合っているのです。
同じような菓子器は・・・と探しましたが、
今は作っていないそうでがっかり・・・。

「ギャラリーゆめさき」のメタルクラフトの店「アトリエ シュンケン」で、
銅製の打ち出しの壷(?)が目に入りました。
壷の上には小さな植木鉢がのせられています。

お店の方に値段を尋ねると、
「すみません。これは売り物ではなく、植木鉢の台に使っています」
「あらっ!とても気に入ったので売ってくれませんか?」
「ちょっとお待ちください。聞いてきます・・・」

壷の作者、小林健太さんが現れました。
交渉の結果、売っていただくことになりました。
私が建水に使うつもりだと言うと、
「それではちょっとお待ちください。ここの汚れを少し磨いてから、
 裏に名前を入れますので」
と、とても丁寧に対応してくれました。

やはりメタルクラフトを製作されている奥様の吉岡旬子さんも顔を出し、
展示作品についていろいろお話を伺いました。
奥様の作品も、とても芸術性の高い素晴らしいものでした。

作家ご夫婦の顔がわかる建水を入手できて、
とてもシアワセな気分になりました。


      

写真は「アトリエ シュンケン」の作家ご夫婦と小林健太作の壷(建水)

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